EPISODE088の主な出演者:星川凛太朗(徳重聡)、記者の声(三浦康彦、奥山陽子)。※星川凛太朗はこれまで破天荒将軍の役名で出演。

 

前回の続き。結婚を迫るひなたに対し、五十嵐「俺は…今はまだ結婚できない。大部屋のままじゃ駄目なんだ」。ひなた「じゃああれはなんやったん?」と祭りの縁日で「拙者家禄もわずか。(中略)そなたを幸せにしたい。ついてきてくれるか」の回想。ひなた「お金がなくても仕事がなくても私を幸せにする。そやから付いて来て欲しいって」。五十嵐「分かって欲しい。俺は侍でいたいんだ」。

 

この回は新たな恋の伏線が2つある回。錠一郎と桃太郎はあの星稜対明徳義塾の試合を見ているが、TVの映りが悪くなる。るいが思いっきり叩くと一度は映るがまた映らなくなる。そこであかにしに修理を頼む。するとひなたの元同級生の吉之丞が来る。父の吉右衛門は腰痛で来られない。昔チャンバラして腰を痛めて以来といった話を聞いて、錠一郎とるいはバツが悪くなり(cf. EPISODE060)、るいは回転焼を1皿お見舞いにと差し出す。

 

桃太郎が野球の試合に夢中で気付かないうちに、小夜子が大月に小豆だけ下さい(お盆)と訪ねてくる。小夜子「赤螺君、久しぶり。家もクーラーの調子悪いんえ」。吉之丞「見に行ったろか」。そして桃太郎は小夜子が来ていることに気付き、松井の5敬遠に憤慨する。錠一郎「松井君、高3やろ」。るい「最後の夏やのに可哀想やわ」。小夜子「けど明徳の子かて可哀想やわ。最後の夏にこんな…」。そしてひなたの妄想。ひなたに五十嵐がボール球を続けて4球投げる。ひなた「文ちゃん、なんで私のこと敬遠すんの」。その夜、普通預金と定期預金の通帳を取り出し、「私かてちょっとずつ貯めてるんやで、文ちゃん」。同じ夜、桃太郎は素振りしながら「かわいそうやと君が言ったから、8月16日は小夜ちゃん好きや!記念日」と読む。

 

ある日、一恵とひなたが虚ろな目の榊原とすれ違う。控室に入るとTVの前に人だかりが出来ていて、野球かと見ると星川凛太朗と美咲すみれのアツアツ結婚会見だった。9年前の『破天荒将軍』にすみれがゲスト出演したのが初めての出会いで、『茶道家水無月ぼたんの事件簿』に星川が逆にゲスト出演したのが付き合うきっかけとなったと言う。レポーターから「普通ですね。もうちょっと破天荒なエピソード、ありませんかね?」と突っ込まれていた。五十嵐も見ていたが、ひなたが気付いたことに気付き立ち去る。

 

五十嵐がお化け屋敷に居ると、後ろから虚無蔵がぬっと現れ五十嵐は腰を抜かす。虚無蔵はお化けの扮装などせずとも暗闇から現れればよいと言われていたのだ。虚無蔵が最近五十嵐が道場に来ないことを責める。虚無蔵「日々鍛錬していつ来るとも分からぬ機会に備えよ」。五十嵐「いつ来るとも分からないって永遠に来ないかも知れない。そう言うことですよね?」虚無蔵「いかにも。拙者は40年斬られ続けておる」。五十嵐「何で耐えられるんですか、そんな屈辱に」。虚無蔵「傘張り浪人とて刀を携えておる限りは侍だ。あべこべにいくら刀を振り回しておっても愛しいおなごを泣かす者は真の侍に非ず。おひなを泣かすな。泣かせたらその時は…」といって五十嵐に斬りかかろうとする気配を見せ、五十嵐はたじろいで後ろに下がる。

 

8月21日、桃太郎の誕生日にるいはビール1ケースを安岡に注文する。五十嵐が誕生祝に来るのだ。ちなみにこの日は第1試合天理7-4東海大甲府、第3試合東邦1X-0県岐阜商の日だ。これらはラジオで触れられたもので、触れられてない第2試合は北陸5-1日大山形。なお、星稜に勝った明徳義塾は翌日の第1試合で広島工業に0-8で敗れている。

 

五十嵐は控室で、オーディションで左近役を射止めた蘭丸が正月映画で主演する新聞記事を読んでショックを受ける。『水無月ぼたん』シリーズの撮影が終わるのを星川が待っていて、すみれと一緒に帰る。茶道指導の一恵にそれじゃあと言って別れる。榊原はすみれと星川とすれ違い挨拶するのを一恵は見つめる。ひなたは控室に「文ちゃん、遅くなってごめん」と行ってみると五十嵐は居なかった…。

 

EPISODE089: そば処・うちいりで「涙のキッス」が流れている。星川とすみれが飲んでいるのに、吉右衛門・初美夫妻が気付く。するとすみれが後ろで一人で飲んでいる五十嵐に気付く。すみれ「悩みがあるんだったら凛太朗に話してみたら?」すると五十嵐はおちょこを持ちながら星川に絡みだす。破天荒将軍の決めゼリフを真似して、「あー、あんたさ。どういう気持ちで言ってんの、あれ?いっつも武家屋敷の広間から庭に降りて来て、代わり映えしない殺陣で悪党ども斬って。全員死んでんのに誰に向かって言ってんの?あのセリフ。やっててばかばかしくなんない?いい商売だよなあ。何にも新しいことやんなくても、そこに安住してりゃあ手に入る。お金だって、女だって。まあ女って言っても二流の女優だけど」。黙って聞いてた星川もさすがにそこで立つ。

錠一郎があかにしで単三電池を買いに来た。その時初美が「ひなたちゃんの彼氏。大丈夫なん?」と錠一郎に聞き、吉右衛門が「余計な事言うな」と制する。

 

会議室で五十嵐が轟監督と畑野助監督に謝罪する。轟「ああいう気分の夜もあるやろ。って凛太朗さんは言うてはる。自分のことだけやったら堪えたんやけどって」。畑野「けどそこは将軍様や。寛大なお裁きを下してくれはった」。轟「けどな、わてらは条映として、破天荒将軍の演出として、まったくの不問に付すわけにはいかんのや。この先1年、破天荒将軍には出さん。よそのドラマも凛太朗さんに気ぃ使てお前を外す監督がいてるかもしれん」。

 

一子の茶室にて。榊原「ちょっとお茶飲みませんかって、喫茶店にでも行くのかと思ったら」。一恵「私立派やと思います。榊原さんのこと。落ち目やったすみれさんに辛抱強う仕事作って、シリーズ持つとこまで復活させはって。そやから何か見てて辛うて」。榊原「え?それは…、バレてたいうこと?」一恵「バレバレです」。榊原「野田さん。僕は満足なんや。すみれさんが機嫌よう笑てくれてはったら、それで」。一恵「榊原さん、あほですね。でもみんなあほですよね。人を好きになるやなんてあほやからやと思います。傷ついたり傷つけられたりしながら、それでも人を好きになるんやから」。

 

前日、桃太郎の誕生日に来ず、翌日お化け屋敷にも来ない五十嵐を探すひなた。すみれ「もしかして五十嵐探してる?」そしてひなたは大体の事情を知る。五十嵐が会議室から一礼して出てくるところをひなたは待ち伏せる。

 

控室にて。五十嵐「俺、役者やめるよ。そんなに大きくないけど、親父が会社経営してって、一番上の兄貴が副社長やってる。そこで働こうと思う。だからひなた、一緒に東京に帰って欲しい。ひなたと結婚しようと思ったらそれしかないんだ」。ひなた「何で?私言うたやんか、待ってるって。文ちゃんが納得するところまで」。五十嵐「来ないんだ、そんな日は。ここにいる限り来ない。一番大事なものは何かって考えたらひなたなんだ。かなわない夢なんかじゃなくて」。ひなた「うそ言わんといて。私を言い訳に使わんといて。夢から逃げる言い訳に。文ちゃんの夢は私の夢や。文ちゃんはアラカンの50倍、モモケンさんの100倍のすごいスターになれる。そのためやったら私、何でもする。どんな苦しいことも文ちゃんと一緒やったら、どんなことかて乗り越えられる。私かて結婚資金貯めてんのやで」。五十嵐はひなたを抱きしめる。五十嵐「ひなた」。ひなた「文ちゃん」。五十嵐「どうしてお前はそんなばかなんだよ。俺はばかで明るいお前が大好きだ」。ひなた「私も文ちゃんが好き」。ひなた「だからもう、一緒にはいられない。ひなたをもう傷つけたくない。傷つけられたくない。ひなたの明るさが、ひなたの放つ光が、俺にはまぶしすぎるんだ」。

 

ひなたは茫然として帰宅する。訳知りそうな錠一郎にるいは「何か知ってんの?」と問う。

 

EPISODE090: 道場で五十嵐が雑巾掛けしているところに虚無蔵が来る。五十嵐「申し訳ありませんでした。これまでご指導、ありがとうございました」。虚無蔵がはなむけだと言って木刀を五十嵐に渡す。五十嵐「俺もう殺陣は…」。虚無蔵「どこで何をして生きようと、お前が鍛錬し、培い、身につけたものはお前のもの。決して奪われることはない。一生の宝とせよ」。

 

五十嵐が控室にいると錠一郎が訪ねてくる。五十嵐は錠一郎から一発殴られることを覚悟していたが、錠一郎の意図は違っていた。一方、部屋で泣き暮らしているひなたに、るいがおかゆを持ってくる。ここからは同時進行。ひなた「お母ちゃん、全然気ぃつかへんかった。私の気持ちが文ちゃんを苦しめてたやなんて」。

 

錠一郎「五十嵐君、僕もなあ、夢があったんや、若い頃。でも叶わんかった」と言ってトミー北沢のCDを五十嵐に渡す。錠一郎「レコード出して、CD出して、アメリカ行って。僕の叶えられへんかった夢、全部叶えてる。新譜が出る度買うてるけど、一回も聴いてない。そやから分かるんや。ひなたの前から消えるの」。

 

ひなたの部屋でるいが「On the Sunny Side of the Street」を歌う。回想シーン。自殺しようと海に入る錠一郎をるいが抱きしめる。錠一郎「暗闇に微かな光が見えた。るいの手をつかんで歩き始めた道の向こうに。そしたら生まれてきてくれた。まぶしい光の塊みたいなひなたが」。

 

ひなたが「何それ?」と問うとるい「ジャズのスタンダードナンバーや。ひなたの名前の由来になった歌や」。ひなた「てっきりお父ちゃんが縁側でひなたぼっこして思いついたと思てた」。錠一郎「それが五十嵐君の選んだ道やったら、それが五十嵐君のひなたの道になるから。ひなたの道を歩けばきっと人生は輝くよ」。

 

るいが部屋を出て、ひなたは起き上がり、おもちゃの刀の鞘を取り、空に向かって刀を振り下ろす。「たあ!」

 

EPISODE091の主な出演者:受付(なるみ)、メアリー(ケイト・J)、バックパッカー(ネイサン・ベリー)、来場者(ソア・ヘルガソン)。

 

錠一郎とるいが石田ひかり主演の朝ドラ『ひらり』(1992年度後期)の第1回を見ている。桃太郎心の声(朝ドラの舞台が両国になったから、10月5日はちゃんこ記念日」。石田ひかりが「感無量だな」と言った瞬間、TVの映りが悪くなる。

 

るいがあかにしを訪れると店頭のラジオで深津絵里が初代のJR東海CMに出演した、山下達郎「クリスマス・イブ」が流れている(曲は1983年発表、深津絵里のCMは1988年。なお国鉄民営化は1987年。小泉今日子のJR東パンパカパーンとか富田靖子どっきん四国とか初期いろいろあった)。店頭で3割引き55,000円で売られているテレビを見て、るい「買い替え時かも知れへんねん」。桃太郎心の声「と、お母ちゃんが言ったから、12月20日はテレビ記念日」。るいは吉之丞に5000円負けてと頼む。

 

翌1月3日、吉之丞が大月家にテレビを届けに来る。そこへ小夜子が来て、自主練に出掛ける桃太郎とすれ違う。小夜子「今年こそ頑張ってレギュラー取ってね」。桃太郎心の声「と、君が言ったから1月3日は決意記念日。今年はぜったりレギュラー取るでー」。

映画村の休憩所でZARD「負けないで」が流れている。榊原はひなたに、お化け屋敷好評で今年もやるけど、映画村入場者数減に歯止めが掛からない、いよいよ時代劇存亡の危機や、何かいいアイデアない?と振ると、ひなたは外国人ツアーを提案する。榊原はいい案だけど英語を話せるガイド雇う経費かてバカにならへんと。そこへ虚無蔵が通り掛かる。ひなたは廊下に出て虚無蔵を呼び止め、「あのとき虚無蔵さんが言うたこと…」。回想で虚無蔵「このままでは時代劇は滅びる。拙者はそなたに時代劇を救ってほしいのだ」。ひなた「何で私に託したんですか。こんな、何もできひん私に」。虚無蔵「おひな。黙って鍛錬せよ。日々鍛錬していつ来るとも分からぬ機会に備えよ」。

 

ひなたが帰宅した直後、外国人客が来てるいが英語で対応する。ひなた「お母ちゃん英語ぺらぺらやん」。るい「いやいやいや、あんまり難しいことはしゃべられへんで」。ひなた「けどあの、「ひなたの道」の歌歌てくれたときえらいうまい思たけど、もはやアメリカ人やん」。るいによると、ひなたが1週間で挫折したラジオの英会話講座をあれからかれこれ17年聴いてたからだと。

ひなたは結婚資金のための定期預金を解約してEoS英会話教室京都校に通う。受付の人に勧められ、3か月コースを一括で支払う。教室の日付が4April, 5May, 6Juneと変わる。6月6日、I expect you to come to the party. でexpectの意味をネイティブの先生に訪ね、wantで置き換えられると答えを得る。そして先生は時計を見て「That's all for today. Today was your last lesson, wasn't it? You did a great job, Hinata. I expect to see you in my class.」と言われ、首をかしげるひなた。3か月で英語ペラペラになるというひなたの妄想は打ち砕かれたのだった。

 

EPISODE092: 桃太郎は荒い息遣いで国語準備室に入る。小夜子「大月君どないしたん?」桃太郎「サードに入れと監督が言ったから、7月20日はレギュラー入り記念日」。小夜子「おめでとう!」小夜子はあかね通り商店街に行く用事あるから一緒に帰ろうと桃太郎に提案する。家の近くまで来たとき、桃太郎「もし来年、甲子園に出られたら…、その時は…」。そこへ吉之丞がやってきて、実はこれから2人で映画を見に行くところだったのだ。小夜子「ひなちゃんにはまだ内緒にしといてね」。桃太郎心の声「さよならと君の背中が言ったから、7月20日はサラバ記念日」。ちなみにこの年、第75回記念大会には京都西が開会式後の第一試合に出場している。

 

ひなたは聴くだけ英語CDを買ってでも手っ取り早く英語を身につけたいと考えていた。そこで桃太郎の部屋に行き、CDプレイヤー持ってないかと聞く。いつも筋トレしている桃太郎がゴロゴロして、持ってないと答えた。

 

別の日のお化け屋敷。外国人客3人にまたのお越しをお待ちしてますってどういうやったっけと迷うひなた。最後の日のexpectを使うと思ったが、お待ちしてますだから現在進行形かと思い、I'm expecting!というと、3人はCongratulations!などとひなたを祝福する。そばで見ていた小夜子が進行形だと妊娠してるって意味にもなると教える。小夜子が来たのは、ひなたと茶道指導に来ている一恵に報告があるからだという。

 

その報告は、吉之丞と結婚することだった。二人はビックリ仰天する。きっかけは昨年夏にひなたの家でテレビ修理に来ていた吉之丞と久しぶりに再開したことだった。小夜子「いっぺんは就職したけど、やっぱりお父さんの大事なお店やし、町の電器屋いうのはいざという時頼りになるもんや思って後継ぐことに決めたんや、っていうのん聞いて…。ほっとしたわ、一番に報告できて」。でもデート行くのを桃ちゃんにバレたと言うと、一恵「大丈夫なん?だって桃ちゃん子供の頃から小夜ちゃんに夢中やん」。それでひなたはこのところ桃太郎が変だった原因に気付いた。

 

桃太郎が帰宅する頃、吉之丞が配達に出掛け、店頭にポータブルCDプレイヤー7200円が飾ってあるのを凝視する。ひなたが桃太郎に続いて帰宅し、桃太郎に大丈夫かと声を掛けると桃太郎はひなたにCDプレイヤーを渡す。そこへ吉右衛門が盗人見なかったかと飛び込んでくる。

 

ひなた「あんたかっこ悪いで!めちゃくちゃかっこ悪い!小夜ちゃんに振られたからって。吉之丞に取られたからって。吉之丞の店から物盗むやなんて。悔しかったら野球にぶつけたらええやろ。レギュラーになったんやろ?」レギュラーになったことは桃太郎は家族に黙っていたが、清子から教えてもらっていた。

 

桃太郎「レギュラーなんかとっくに外されたわ。もうずっと行ってない、夏休みの部活も」。ひなた「野球と失恋は関係あらへんやない」。桃太郎「ずっと好きやったんや、子供の頃から。はよ大きくなりたかった、小夜ちゃんのために。いつになったら追いつけるんやろ、いつになったら小夜ちゃんにふさわしい男になれるんやろ思いながら、勉強も野球も頑張ってきた。それやのに何で、小夜ちゃん、待っててくれへんかったんや」。ひなた「なんやそれくらい。お姉ちゃんなんか7年待たされた挙句に振られたんやで。それでも仕事に打ち込もう思て結婚資金つぎ込んで英会話スクール言ったけど、なーんも身につかへんし、残ったお金で本買い込んだけど机が狭なっただけで、聞き流し教材買お思たらもう貯金が底ついてて。それであんたにCD借りに行ったんや。そしたらどや、その結果、弟が窃盗犯になるやなんて、こんなあほらしい人生があるか!みじめさやったらお姉ちゃんの方が上や」。桃太郎「ほな僕の桃太郎いう名前はどないなるんや。どないなセンスでつけてんねん」。るいが2人を止めに入ると、錠一郎がトランペットを取り出して…。