「ツイン・ピークス」(1990)
【チャンネルの多様化が進み
個性的でクオリティも高い作品が続く...】
全米ではケーブルTVの普及でTV
の多チャンネル化が進み、新しい個性的
チャンネルが次々と生まれ、従来の
地上波局もそれを意識して、意欲的な
番組作りをめざしだす。
代表的なのは、映画界の鬼才
デヴィッド・リンチ監督が参加したカルトな
ドラマ「ツイン・ピークス」(90~91)。
「V」に続いてレンタルビデオ業界で
注目され、日本の当たらない衛星放送の
WOWOWでも人気作に。
レンタルビデオ
業界でヒットしたのは、SFサスペンス
「X-ファイル」(92~18)も。
また、従来の全米TV界に実は
なかった青春ドラマが日本でもヒット。
「ビバリーヒルズ高校(青春)白書」
(90~00)は米国の若者の間の流行を
ふんだんに取り入れた。
さらに、病院ドラマのジャンルが
盛り上がる。
リアリティーを重視した
「ER 緊急救命室」(94~09)
「シカゴホープ」(94~00)が後の病院ドラマに
与えた影響は大だ。
他にも日本では女性弁護士が主人公の
「アリー・myラブ」(97~02)、
「フレンズ」(92~04)などの米国
コメディが評判に。
さらに衛星を使うCS放送、スカイ
パーフェクトTV!(現・スカパー!)が
サービスを開始。本格的な多チャンネル
時代が到来する。
【ドラマでも映画に
負けないレベルに進化した
作品がヒットした2000年代...】
21世紀に入って世界中でTVの
多チャンネル化が進むと、より多彩な
ドラマが生まれ、映画に負けないレベルに
進化していった。
長年、日本ではマイナーだった
海外ドラマに追い風が吹く。DVDだ。
各話1時間 x 24話で24時間の物語を
リアルタイムで描く「24-TWENTY
FOUR」(04~10)を筆頭に、
「LOST」(04~10)、
「プリズンブレイク」
(05~17)、
「HEROS/ヒーローズ」(06~10)は、
DVD業界で
”海外ドラマ四天王”と呼ばれて大ヒット。
また、これらは男性向けだったが、
「セックス・アンド・ザ・シティ」
(98~04)「ゴシップガール」(07~12)などで、
海外ドラマの魅力に気づく女性ファン
も続出した。
政界ドラマ「ザ・ホワイトハウス」
(99~06)、
ミュージカル「gree/グリー」
(09~15)などミュージカルも増え、
「CSI:科学捜査班」(00~15)
「グレイズ・アナトミー」(05~)など
ロングラン作品も登場。
そして米国では、高校教師(ブライアン・
クランストン)が麻薬ビジネスに
のめりこむ異色作「ブレイキング・
バッド」(08~13)が続く2010年代に
拡大する”動画配信サービス”で注目
され、時代の変化を先取った...。
備考:この内容は、
2024-5-21
発行:近代映画社
「screen」
より紹介しました。