【ホテルのビデで、ワインを冷やす
大和なでしこの無知さ加減...】
フランスを旅行中のU子さんのところに、
同じツアーで知り合ったN子さんから
電話が入った。
「おいしいワインが冷やしてあるの。
いっしょに飲まない?」
U子さんは、もちろん2つ返事で
賛成した。
しかし、ホテルの廊下を歩きながら、
彼女はふと思った...。
「N子さんの部屋には冷蔵庫があるのね?
私の部屋にはないのに。同じ費用なのに、
どうして、こんな差がつくのかしら...?」
釈然としない気持ちでN子さんに、
冷蔵庫のことを聞いてみると、
「あら? あるじゃない。
ここよ。ここで、ワインを冷やしているの!」
N子さんが、しめしたその場所は、
もちろん冷蔵庫ではなかった。なんと、水を
溜めたビデに、彼女は、堂々とワインを
浸していたのである。
「さすがフランスよね。お部屋で
ワインを冷やせるようになってるなんて...」
あきれるU子さんをよそに、
N子さんは喜々としておしゃべりしながら、
おもむろに水のしたたるフランスワインを
取り出したのである。
「ねっ、冷え加減ちょうどいいでしょ!」
曖昧にうなずきながら、ワインを
味わうU子さんだった。
しかし、ビデでインスタントラーメンを
作った人もいるそうなので、こんな
失敗は、
まだ序の口かもしれない...。
備考:この内容は、
1994-1-5
発行:河出書房新社
著者:ユーモア人間倶楽部
「旅の第ドジ編
世にも恥ずかしい人々Ⅱ」
より紹介しました。
「夏の下呂温泉...」