悲しいニュースも連日、
新聞やテレビで報道されました。親が子どもを
虐▲したり、子どもが親を●したり。はたまた、
通り魔●人に、人違い●人...。
いまや、町を歩いているだけで、
タマが飛んでくるかもしれません。
そんなことは、たまにあっても、
たまたまあっても、たまったものでは
ありません。絶対に、あってほしくないことです。
ねぇ、奥様、思い出してください。
子供の頃を。いかがでしたか?
家にカギなんて、かけていましたか?
エッ! 家がなかった!
空襲で焼けてしまった?
それは、大変な経験です。平和が何より。
戦争なんて、まっぴらです。
ご主人、いかがでしたか?
知らないおじさんに、アメ玉をもらった
ことがあったでしょ?
えっ! アメなんてなかった!?
イモしかなかった?
そうですよね。ふかしたイモさえ
ごちそうでした。
それに、知らないおじさんも、
優しかった。
残念ながら、いまは、違ってしまいました。
奥様、これからは、シカや
シマウマのように、始終、
あっちこっち、キョロキョロ、キョロキョロ
見ながら生きていかなければ、
いけなくなるかもしれません。
でもご主人、
あまりキョロキョロしていると、
ご主人が、怪しい人に見られるかも
しれません。本当に、難しい世の中に
なりました。
そんな、こんな、あんな、
気の沈むようなニュースばかりの毎日
ですが、今年はひとまず暗いニュースは
忘れて、明るいことを
考えたいものです。
明るいものと言えば、光りもの。
光りものは、身体にいいのです。
奥様、光りものといえば、
何を思い浮かべます? 首もとに光り輝く
ダイヤモンド? ぶら下げているだけで、
気持ちが明るくなって、健康に
なりそうですって?
女性の心は、いくつになっても、
変わりません。こんな顔をした、わたしでも、
よくわかります。しかし、「ブタに真珠」、
「ネコに小判」とも申します。
体にいい光りものと言われて、
ご主人は、何を思い浮かべます? サバに
サンマにコハダにアジ...。
青い魚? それも、よいお答えですね。
われわれ中高年の脳細胞は、
日に日に、たくさん失くなっております。
人生ならぬ、細胞が、生(せい)を日々、
終えていっているのです。ところが、青魚を
いただくと、脳細胞が、ジタバタ、
ジタバタあがいて、イキイキして
くるのだそうです。
「ドコサヘキサエン酸」に、
「エイコサペンタエン酸」、
はたまた「アラキドエン酸」...。
こうした脂肪酸が、ガタのきた
脳細胞を元気づけてくれるのだそうどぇす。
頭をいっぱい使っていると、
もしかして、頭も光りものになってくる
かもしれない。そう思ったご主人、
その心配は正しいかもしれません。
なぜなら、ちゃんと頭を使っている
わたしの頭は、しっかり光りもの
だからです。
このあいだ、町を歩いておりましたら、
上品なご婦人に声を、かけられました。
「きみまろさん、カツラの下、
やっぱりツルツルなの?」
ご婦人は、直球をど真ん中に
ズバッと投げて来ます。このタマを
打ち返すのは、なかなか難しいのです。
でも、ここで、はっきり言っておきます。
わたしの頭は、カツラを取っても、
ツルツルでは有りません。
「じゃあ、ピカピカなの?」
これも、断じて違います。
ツルツルでも、ピカピカでもありません。もっと
すごいんです。テカテカなんです。
きみまろは、中高年のご婦人
らちに、育てられた身ですから、これぐらいの
タマが、たまに飛んでくる分には
かまいません。
むしろ、ありがたい
ことです。うれしいことです。
でも、本物のタマが飛んでくるような世の中
だけは、ご勘弁願いたいと切実に
思う「きみまろ」でございます...。
備考:この内容は、
2010-3-17
発行:PHP研究所
著者:綾小路きみまろ
「1つ覚えて3つ忘れる中高年」
より紹介しました。
「光りもの...」