SF小説・星新一著「目薬」... | Q太郎のブログ

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実験の失敗に失望した科学者 | プレミアム写真

 

 K氏は、ひとりで暮らしていた。

 

その部屋の机の上には、ビーカーや試験管を

 

はじめ、科学用の器具が並んでいた。

 

各種の薬品や、植物からしぼった汁を

 

入れたビンもある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 彼は毎日、液体を混ぜ合わせる実験に

 

熱中していた。また、振ったり、温めたり、

 

冷やしたり、時には、光線を当てたりもした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 そして、ある日。K氏は、嬉しそうな

 

声を上げた。

 

「さぁ、やっとできたぞ。

 

これで、いいはずだ」。

 

 

 

彼が作ろうとしていたのは、新しい

 

目薬だった。といっても、目の病気を治す

 

クスリではない。

 

悪い人を見分ける作用を持ったものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 つまり、これを目に垂らしてから

 

眺めると、悪いことを企んだり、

 

考えたり、

 

ラジバンダリしている人の顔だけが、ムラサキ色に

 

見えるのだ。

 

 

 

顔をムラサキ色に塗って

 

いる人などいないから、それで、間違える

 

心配はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「さて、効果が確実かどうかを、

 

試しに出かけるとするかな?」

 

 

 

 

 K氏は、その目薬を差し、外出した、

 

歩きながら、辺りを見回したが、たいていの

 

人は普通の顔色をしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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 時たま、かすかにムラサキ色が、

 

かかった人が混ざっている。

 

悪人になればなるほど、色も濃く

 

見える働きがあるのだ。

 

 

 

 

 

「なるほど、世の中には、ひどく

 

悪い人というのは、少ないものらしい」

 

 

 

こうつぶやいているうちに、濃い

 

ムラサキ色の男を見つけた。カバンをさげて、

 

道端に立っている。K氏は、

 

交番から警官を引っ張ってきて頼んだ。

 

 

 

「あの男を、捕まえてください」

 

と、変な顔をする警官を、

 

K氏は、せきたてた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「その責任は、わたしが負います。

 

早く、早く!」

 

警官は、不思議がりながらも、

 

その男のそばに近づき、話かけようとした。

 

 

 

「もしもし...」

 

 

 

そのとたん、男はあわてて逃げようとしたが、

 

たちまち、捕まってしまった。カバンを

 

開けてみると、中にはアクセサリーなど、

 

大量の金製品があった、

 

 

 

それを、調べて警官は、目を丸くし、

 

K氏に言った。

 

 

 

 

 

「これらの品は、このあいだ貴金属店から

 

強盗が奪っていった品でした。おかげで、

 

犯人を捕まえることができました。

 

店からは、品物を取り戻したお礼が出る

 

でしょう。しかし、この男が犯人らしいと、

 

よくわかりましたね。なぜなんですか?」

 

 

 

「いや、素振りが怪しかったからですよ」

 

 

 

 

K氏は、理由を秘密にし、いいかげんな

 

答えをした。しかし、内心は大喜びだった。

 

発明した目薬の作用も、これではっきりしたわけだ。

 

また、たくさんのお礼も、もらえるらしい。

 

いい商売になりそうだ。

 

これを繰り返せば、お金も儲かることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

顔にパックをして歩いている女性が鏡で自分の顔を見てびっくりし ...

 

 

こう考えながら、K氏は自分の部屋に

 

帰ってきた。そして、なにげなく、鏡を

 

覗いて、首をかしげた。なんと、そこに

 

映っている自分の顔が、ムラサキ色を

 

しているではないか!?

 

 

 

 

 

あなたが鏡を見てないときに、鏡は恐ろしいものを映し出している

 

「こんなはずはない。私が悪人で

 

あるわけがない。ドロボウも捕まえたのだ。

 

どういうわけだろう?」

 

 

 

K氏は、しばらく考えていたが、

 

作ったクスリを惜しげもなく、捨ててしまった。

 

 

 

 

 

「きっと、クスリの作用が狂っていたからだろう。

 

さっき泥棒を捕まえたのは、

 

ただの偶然だったにちがいない」

 

 

 

 

 

しかし、このクスリの効き目は

 

やはり確かだったのだ。

 

 

 

このような発明は、すぐに

 

発表して、世の中の役に立てるべきものなのだ。

 

それを、自分だけの秘密にしておこうというのは、

 

決していい心がけとは言えない...。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

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備考:この内容は、

令和3-4-30

発行:KADOKAWA

著者:星新一

「きまぐれロボット」

より紹介しました。