ジェット・ストリーム
「作家が描く世界への旅」
今週は、作家「原田マハ」ノエッセイ・
「フーテンのマハ」を、一部編集して
お送りします。
今夜は、その第1夜...。
美術館勤務 ピュレーターとして、
美術史をベースにして作品を
数多く手掛けてきた「原田マハ」。
「小説を書き始める最初の一歩」
と、彼女は呼ぶ。
画家の原風景を訪ね歩く...。
今回は、世界中のアートファンに愛される
「ひまわり」で、おなじみの
画家・「ビンセント・ファン・ゴッホ」
巡礼の旅。
もっか、私が追いかけているのは、
ビンセント・ファン・ゴッホである。
めちゃくちゃ定まらない人生を
送った人で、オランダ・ベルギー・
イギリス・フランス 各国、各所を
ウロウロウロウロ
ずっと、移動し続けていた...。
職業も、なかなか定まらず、
画廊の営業マン、宣教師、
書店員などを、
クルクルと変えていき、ようやく、
画廊に照準を定めたのは、
27歳のときだった...。
いかに、ゴッホが遅咲きだったのかが、
わかる...。
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いや～、彼は結局、生きている間には、
咲くことも出来なかった...。
「五輪真弓」
生前に、たった1枚しか
絵が売れなかったという逸話は、
あまりにも有名だが、
この1枚も、弟の「テオ」が、
知り合いに売ったもので、
結局、ゴッホは、世間一般に、
評価されることなく、
わずか37歳で、その生涯を
終えたのである。
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有名な画廊「グーピル商会のハーグ支店」で、
16歳のときに、
社会人としてのスタートをしたゴッホは、
もともと、芸術に対する独特のセンスを持ち、
驚くっべきことに
27歳で、本格的に画家を
目指すようになってから...。
たった10年間しか、活動していないのだ。
さらには、「テオ」を頼って、
パリに出てきた1886年から、
パリ近郊の街「オーヴェル＝シュル＝オワーズ」で、
自ら命を●つ 1890年までの、わずか4年あまりの間が、
ゴッホの円熟期と言われ、
もっと言えば、晩年の3年間こそが、
ゴッホの芸術が頂点に
達したと言っていい時代なのだ。
南仏の街と、パリ近郊の街で、
いったいゴッホは、
何を見、何を体験したのか？
...そこは、もう、行って見るほか
あるまい！
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8月上旬、アルルを目指して、
ゴッホ巡礼の旅が始まった。
アルルへは、パリから高速鉄道
「TGV（テージェイベー）で4時間かかる。
折しも、バカンスシーズンで、
パリ市民が、全員集結したんじゃ
ないか？ ってほどに、アルルの中心部は
人で溢れかえっていて、ビックリ！
というのが、アルルの第1印象であた...。
「アルルの街」
アルルは、はるかな昔、
古代ローマ支配下にあった時代があり、
旧市街の各所に、
その時の遺跡が、多数残っている。
円形闘技場だとか、噴水だとか、
浴場の跡地まで残っていて、
うっかり、ゴッホじゃなくて、
ローマ帝国の足跡をたどる旅、
をしてしまいそうになるほど、
見どころ満載である。
そして、アルルに足を踏み入れるまで、
アルルが、これほどまでに、
豊かに歴史に彩られた
街であることに、まったく
気づかなかった...。
ホントに、ただのゴッホおたくな
私であった...。
「ひまわり」
しかしながら、アルルに来てみて、
最初に感じたのは、
その強烈な太陽の印象である。
とにかく、まぶしい！
ピッカピカに、まぶしい！
目を開けていられないぐらい
強い日差し。
石造りの古代遺跡や、
古い街並みが、強い日差しに
さらされて、経年のために、
白っぽくなっているのも、
まぶしく感じられる一因なのだと
思われたのだが、
太陽にカンカンと
照らし出される風景と、
常に全身が照りつけられている
感覚が、ゴッホの芸術に
大きな変化をもたらしたのは、
間違いないと、直感した...！
「夜のカフェテラス」
「耳に包帯をした自画像」
「ファン・ゴッホの寝室」
備考：この内容は、
「福山地底人ラジオ」
945界視聴・6日前
”JET STREAM"
より紹介しました。
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【おまけ...】
