「トイレット」を、詰めた言い方、
「トイレ」が、やはりポピュラーであろうか? 男でも
「おトイレ」と言う人がいることには驚くが、
誰にも通じるとなると、「トイレ」だろう。
「レストルーム」と、気取った言い方を
する人もいる。しかし、「ラバトリー」まで
いくと、高齢者には、通じにくいだろう...。
学校や公共施設などには、「便所」
としてあって、目的が、ハッキリ書いてあるので
いっそ気持ちがいい。
そういえば、
アイドルは、マシュマロをほにゃららというとか、
言わないとか?
きゃは!
どっちなの!?
「御手洗」あるいは「洗面所」
という言い方や表記もある。知り合いに「御手洗」と
書いて「ミタライ」と読む方がいるが、
そのミタライさんによると、同じ文字で、「ミテアライ」と
読む人がいるそうな...。
「某・カメラメーカー」M手洗会長...
そして、「ミタライ」さんを知る限り、
それお、「オテアライ」と読む人は
いないんだそうな...。
どちらへ? ちょっと お化粧を直しに。
そんな意味で「化粧室」と称することも
ある。
女性は案外、この言い方を好むの
ではないだろうか?
そこへ入る目的は、あくまで
化粧を直すためであって、そのついでに
用を足すのだという
言い訳が成立するからだ。
山男は、「キジを撃つ」
山男は、山で用を足すことを、
「キジを撃つ」と言うとか。
味のある言い方だ。
イギリスの貴婦人は、「バラを摘みに行く」
と言うらしいが、中世の映画などを観てても、
一向にその言い回しは、聞かないのは
不思議なことだ。
「化粧室」
「パウダールーム」
我が国の古い言い方では「手洗場(ちょうずば)」があり、
「雪隠(せっちん)」、「厠(かわや)」、「後架(こうか)」
なども呼び方だ。
そう言えば、「雪隠詰め」などという
言葉もありましたっけ。「外高架」とくれば
長屋などにある共同便所というわけです。
花柳界では、「お下(おしも)」、さすがダイレクト
には言いませんな。風情があります。
「閑所場(かんしょば)」と言う言い方もあるそうです。
静かなところという意味らしいのですが、
文字では閑(ひま)なところと書きます。
なのに、忙しく用を足したりするわけです。
故・由利徹さんと対談した折、
由利さんが中座した。「どちらへ?と問う」と由利さん、
「ちょっとベンショーバラしてくらあ」
と、言いましたっけ。小便のひっくり返して
ベンショー、バラすという表現が言い得て妙で、
喜劇人はそんな府庁(ふちょう)を使うわけです。
落語家は「はばかり」を詰めて、
「はばへ行く」などと言います。大の場合は
「セコ場」と呼び名が変わり、
「セコをふかしてくらあ」と表現も変わります。そうです、
セコいものをふかすのです。
ちなみにおなら、
つまり「屁」ですが、
これは、「空セコ」と言います。
これも やっぱりふかします...。
備考:この内容は、
2010-4-20
発行:光文社
著者:立川談四楼
「声に出して笑える日本語」
より紹介しました。