「スピーカー/KEF-303」
「アンプ/オンキョー A-819」
「プレーヤー/パイオニア PL-30L」
「カートリッジ/ADC-XLM3」
【リストアップされた最高価格の組み合わせ...】
(昭和55年当時)
スピーカー KEF303 62,000円☓2
アンプ オンキョー A-819 95,000円
プレーヤー パイオニア PL-30L 59,800円
カートリッジ ADC-XLM3 27,000円
合計 305,800円
亀山> 瀬川さんのあげられた組み合わせにリストアップ
された最高の組み合わせなんですが、今まで聴いた最低価格の
組み合わせと価格的には、12万円の差があるわけですが、
果たして、それだけの差が出たでしょうか?
もちろん、それほど差が、
なければ、無理して高いお金を出す必要がないわけですから。
中村> 最低価格のものが、演奏会のポスターを見ているような
感じです。つまり、比べてしまうとベタっと、した感じで、
最高価格のものは、演奏会に行った感じになる。
とにかく、一番の違いは楽しさだと感じました。
瀬川> ボクも、昔から言ってきたことなんですが、いい音を聴くと、
ボリュームを絞ってレコードから針を上げたく
なくなってしまう。このままず~っと、聴いていたいな。
という気になります。水準以上の音を聴くとそうなるんです。
【価格を落として、このような雰囲気を出せないか?】
亀山> たまたま、12万円の差が出ているわけですが、
もっと、価格の差を詰めて、このような雰囲気を出すことは
できないものでしょうか?
瀬川> その点で、僕はアンプを変えてみたいなという
気がするんです。この状態では、プレーヤーは譲れない。
スピーカーは、一番、初めにも言ったとおり。
音を支配する大きな
ファクターですから、コレも譲れない。ですから、アンプを
どこまで落とせるかということになるわけです。
そして、カートリッジを、このままにして、プレーヤーを落とすと、
その差が、どのくらい出てくるものなのか?
というところです。
亀山> 最低価格組み合わせと、最高価格組み合わせの違い
なんですが、僕も、中村くんと、ほぼ同意見なのですが、
アンプとかプレーヤーは、ある意味では、
値段が高くなればなるほど、音質が
よくなると、思うわけですが、スピーカーというのは、必ずしも
そうでないと思います。
ビクターSX-3は、長期間安定した
評価を得、練り上げられてきたスピーカーですが、
この303を
聴きますと、組み合わせを、どう変えても、あくまでも
KEFの世界なわけです。
このことから、瀬川さんが、さっきおっしゃられた、
「スピーカーが一番の支配力がある」ということを
改めて痛感させられました。
瀬川> 確かに、スピーカーに関し、価格の差が、
そのまま音に出てくるということは出来ません。
今、KEF303が、英国で
実際にいくらで売られているか、僕は知りませんが、おそらく
「ビクターSX-3」より安いと思うんです...。
備考:この内容は、
昭和55-7-31
発行:音楽之友社
「オーディオ基礎知識」
より紹介しました。