「花に癒やされて・・・」 栗田敦子
時はめぐり、寒さに震えていた東日本
大震災の被災地でも、そろそろ、初夏の訪れを
感じていることと思います。![]()
あれから、桜が咲き、ユキナヤギや
レンギョウも咲き、ヤマブキ、フジ、ハナミズキ、
ツツジと、次々に植物が花をつけ、今は、青葉
若葉が、こんもりと生い茂る季節となりました。![]()
道端には、ハルジョンや花菱草なども、
ほんの少しの隙間に根を張って、花を咲かせて![]()
います。
震災後、しばらくの間は、
何をやっても心定まらず、
無力感にさいなまれ、
ただ、呆然と過ごす ![]()
日々が続いていました。
そういう時期を経て、
今度は、音楽を聞いたり、家族や友人と
おしゃべりしたりすることで、少しずつ、日常の![]()
リズムを、取戻してきました。
そんな中、何より明るく、
晴れやかな、気分にさせてくれたのは、
生命力豊かな植物、とりわけ、花だったように
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思います。
花を見ると、心の底から、「きれいだ![]()
なぁ」と感じ、その一瞬は、確実に、心が
パアッと、明るくなるのです。
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子供が、幼稚園に、
通っていた頃の”ママ友だち”![]()
との付き合いが、今も続いています。
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よく、子供を連れて、
皆で一緒に公園に行った
り、お互いの家を行き来していました。
そんな友達の中に、いつ、お邪魔しても部屋 ![]()
に生花がある、お宅がありました。
きれいに生けていることもあれば、
花瓶に、ちょっと ![]()
挿してあったり、時には、小さな鉢植えの花が
テーブルの真ん中に、置かれていることもあり
ました。
彼女いわく、「花のある家に、悪い子は![]()
育たないと聞き、いつも花を飾っている」、
とのことでした...。
確かに、花には人の心を、明るく、優しく ![]()
させる、そんな力があるように思います。
3月11日の大震災。せめてもの救いは、![]()
季節が、花開く春へと向かっていたことかも
しれません。
ちなみに、彼女のお連れ合いは、警視庁勤務。![]()
災害援助で、陸前高田や石巻に出勤されて
入るとのことでした。
自宅に戻られた時、そこに、 ![]()
花があれば、疲れた心を、
きっと、癒やして
くれることでしょう・・・。
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備考:この内容は、
平成23-7-1
発行:NHKラジオ深夜便
より紹介しました・・・。



