(注・画像はあくまでもイメージです)
あなたも幼い頃、ふとんの上で騒いだ覚えは無いでしょうか?
そのとき、「枕をふんだり、投げたりしてはいけません」と、
お母さんに叱られはしなかったでしょうか?
それは、枕が神聖なものだと考えられていたからです。むかしは
、魂が体から遊離して宿る場所が枕であり、それを睡眠
と考えていたくらいなんです。まあ、今ではこのように考える
人は少ないでしょうが、頭を乗せるものだから、大切にあつかわなけれ
ばいけないことにかわりはありません。
ところが、地方によってはこの神聖な枕が、随分いいかげん
な使われ方をしていたんです。
伊豆七島の新島では、かつて若者塾で、「長枕」というなが~い
角材をそのまま置いただけの木の枕が使われていて、数十人
の若者がズラリとその枕を頭に敷いて眠ったといいます。
じつに、不思議な光景ですが、これが便利っだたのです。
朝になると、主人は、「オイ、起きろ!」と枕の端っこを
蹴っとばす。そうすると、みんないっせいに目を覚ますというわけです。
まあ、確かに一人一人起こして回る手間は省けるけど・・・。
起こされた方は、朝から脳しんとうを起こしてしまいそうですね。
ちなみに、新島では、今でもこの長枕が保存されているとか・・・。
だが、これだけで驚いてはいけません。岩手県の遠野地方の
とある長者の家の話だが、なんと360人の使用人たちが一本の
枕で眠っていたというのです!
いったいこの枕、何メートルあったんでしょうか360人もの
アタマがはたして一緒に乗るのかどうかはわからないけど、
その光景は目指しもビックリという感じですね。
ほどほどの長さなら、起こす手間が省けるし、収納も便利
だろうけど、ただ長いだけとしか思えないこの枕、いったい
どんなメリットがあって作ったのでしょう?
まあ、「それだけ広い家なんだ」って自慢したかっただけ
なのかもしれませんね・・・。
備考:この内容は、1993-12-1 (株)青春出版社 夜中の王様クラブ編
「退屈知らずの朝まで読本」より紹介しました・・・。