コメの収穫は、その多くは一年に一度、秋に訪れる。そのコメを、翌年の秋
まで少しずつ出荷しながら、一年かけて消費する。
だから、収穫後すぐに出荷されるコメもあれば、翌年の秋ぎりぎりになって、
ようやく出荷されるコメもある。
むろん、コメは新米のほうがおいしく、古くなるほど味も値段も落ちる。コメは
収穫されたあとも呼吸していて、二酸化炭素を排出している。見た目は変わらなく
ても、その内部では、さまざまな変化が起きているため、時間と共に味が落ちて
いくのだ。
長期保存したコメの味が悪くなるのは、細胞の壁が厚くなることと、酸素の働き
が鈍くなることがおもな原因。細胞壁が厚くなると、給水させても水をなかなか
吸わなくなるため、加熱してもふっくらと炊きあがらない。
また、酸素の働きが鈍ると、炊いた時にデンプンやたんぱく質の分解が
行われにくくなり、甘味やうまみ成分が十分に出てこないのだ。
さらに、コメに含まれる脂肪分が分解されるため、香りも落ちる。それが
いわゆる”古米臭”といわれるもので、脂臭いニオイを放つことになる。
食味の悪化や、古米臭の発生を防ぐには、低温で貯蔵するのが一番。暑い夏などは、
脂質の分解や害虫の発生を防ぐために、冷蔵庫で貯蔵するのがおすすめだ・・・。
備考:この内容は、2012年5月25日発行 「誰に話してもすべらない雑学」より紹介しました。