茶わん蒸しの具と言えば、エビに鶏肉、ギンナン、タケノコ、三つ葉、カマボコ
など。香りづけにはユズ、風味をだすにはシイタケが欠かせない。
とはいえ、一般家庭で、これだけたくさんの食材をそろえるのはたいへん。
冷蔵庫にある残り物で代用することも可能だが、間違ってもシイタケの代わりに
マイタケを使ってはいけない。マイタケを茶わん蒸しに入れると、卵液が固まらなく
なってしまうのだ。
玉子を加熱すると固まるのは、たんぱく質の一種「オボアルブミン」という物質の
働きによるもの。
お茶漬けでも、どうどす?
このオボアルブミンに熱が加わると卵は固まるのだが、マイタケには、
オボアルブミンを分解する酵素、「プロテアーゼ」がふくまれている。そのため、茶わん蒸しに
マイタケを入れると、蒸し器で加熱しても卵がふんわり固まらず、ドロドロに
なってしまうのだ。
ただし、作り方によっては、マイタケ入りの茶わん蒸しもちゃんと固まる。方法は
簡単で、あらかじめマイタケを電子レンジなどで加熱しておけばよい。30秒~1分ほど
熱を加えると、たんぱく質分解酵素は力を失って、卵はちゃんと固まる。
なお、シイタケやシメジ、エノキにもオボアルブミンはふくまれているが、
マイタケより酵素の力が弱いので、あらかじめ加熱しなくても大丈夫である・・・。
備考:この内容は、2012年5月25日発行
「誰に話してもすべらない雑学」より紹介しました。