1993年2月5日の頃は、
東京地区(23区、武蔵野、三鷹市)のタクシー運賃は、中型車の場合で初乗り
(2kmまで)が600円、距離の刻みによる加算料金は東京地区が340m走るごとに
90円となっていた。小型車の初乗りは580円、距離刻みによる加算料金は、
371mごとに90円である。
たとえば、東京駅から新宿までの距離は約7.5kmだが、この間を中型タクシーを
利用したとすると、昼は2040円、夜間は割増しで2670円の料金だ。また、東京駅から
横浜までは、距離は約29.5kmだが、中型タクシーで行くと料金は昼間は7800円、
夜間は1万50円となる。
いずれも渋滞を無視した料金だから、道路の混雑次第では、もう少し、あるいはかなり
料金は上乗せされるだろう。たとえば、新宿のある企業に勤めるサラリーマンの自宅は
神奈川県藤沢市にある。新宿から藤沢市までの距離は約60kmだが、夜間、タクシーで
帰ると2万円近くになる。
好景気の頃は、深夜にタクシーで
帰ろうとしても、へたをすると朝方まで
タクシーがつかまらないこともめずらしく
なかったが、不景気の最近(1993年)はタクシー待ちで
混雑する深夜12時前後でも、手を上げれば
たいていは止まってくれる。
しかし、飲んだにしろ、残業したにしろ、
へとへとになって、高いカネを払って
タクシーで帰るのは、やはりムダ。それなら
ホテルに泊まったほうがあきらかに割安だ。
たとえば、カプセルホテルを利用したと
しよう。カプセルホテルの宿泊料金は幅が
あるが、それでも、2800~4500円。
平均すると、3000円台が主流だから安い。
タクシー料金から逆算すると、会社の
ある場所、あるいは飲んでいる場所から
家までの距離が約8km
程度のところで、カプセルホテルの平均宿泊料とつり合う計算になる。
その距離以内で帰ることが可能ならば、カプセルホテルに泊まるよりは、家で寝た方が
体も休まる。しかし、それ以上の距離ならば、カプセルホテルに泊まった方がトクだ・・・。
備考:この内容は、1993年2月5日発行 KKベストセラーズ 笹渕金二:監修
「平成版どっちがトクか?」より紹介しました。