計算するまでもない。温泉入浴剤ですましたほうが、はるかにトクだ。
温泉入浴剤はいろいろあるが、たとえば「〇〇の湯」
「出雲の湯」、「南紀の湯」などがあるツムラの『日本の
名湯』シリーズは、一個5包み入り600円(1993年ごろの値段)である。
1包みあたり120円となっている。
しかし、実際に温泉旅行に出かけるとしよう。そんな
金額ではすまされない。
南紀白浜の温泉を楽しむために出かけたとしよう。
南紀、伊勢などを周遊できるJRの南近畿ワイド
周遊券があるが、東京区内からのものを購入すると、
1万9160円である。これは特急券を別に購入しなければ
ならない。東京から名古屋まで自由席特急券の料金は
3910円だから、合計2万3070円。(いずれも1993年ごろの料金)
そして、現地での宿泊費が必要だ。二泊三日プランで
税込一泊1万5000円のホテルに宿泊すれば3万円。
交通費と合わせると、5万3070円となる。
一方、ツムラの『南紀の湯』は前述のとおり600円。
5包みだから、5日分で、家族みんなが温泉気分を
楽しめるが、南紀までの旅行プランが二泊三日で5万3070円も必要なのに対して、
温泉入浴剤なら、わずか240円足らず。221分の1ですむのだ。
風呂の中に混ざりものが入っていると湯冷めしにくいもの。
しかも温泉入浴剤だから、本物の温泉の成分すべてが入っているとはいえないが、それに
匹敵するだけの成分は含まれている。体も温まるし、温泉気分も楽しめる。二泊三日程度の
温泉旅行では、温泉の本当の効果は得られないといわれているだけに、それを考えれば
温泉入浴剤など、ほとんどタダみたいなものだ・・・。
備考:この内容は、1993年2月5日発行 KKベストセラーズ 笹渕金二:監修
「平成版どっちがトクか?」より紹介しました。