コンベックストップ式アルコールバーナーの製作 | CLAYの日記

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老後の為の忘備録

前回の続き
 お散歩用野点バーナーとして一応の完成を見たので、作り方を書く。
ペプシ缶バーナーよりも更に簡単に作れるのと、悩むところが少ないのが利点。
容量は適宜調整という前提なので、作り方の方は更に容量を減らしてある。
米語に不自由しない人はオリジナルを見れば良いと思うが、最低限一人用に茶の湯を沸かす程度と言うジャンルはあまり見かけないので、初めての方には参考程度にはなるかも知れない。
かなりユルユルな作り方なので、より高度な技能をお持ちの諸兄は更にリファインしていただければ良いと思う。

 準備する材料はバーナー本体として
1.200cc入りのジュースのアルミ缶×2本
2.金属タワシ少々。
私はステンレス製を使用したが、銅製でも何でも可。
 五徳を作るに80×18×t=0.8の鉄板×2枚。
私は余っているパソコンの拡張スロット用にメクラ板を使用。
 風防用に350mlのビール缶×2本とアルミテープ1m程度。
工具は1.カッターナイフ 2.ハサミ 3.油性マジックペン 4.ハンマー 5.ポンチ 6.弓鋸 7.サンドペーパー 8.φ1.0のドリル 9.ヤスリ
ボール盤とバイスがあれば製作効率を上げられる。
 
 
 先ず1本目のジュースの缶に底から13ミリのところにマジックペンでケガキを入れる。
最初に寸法を測り、適当に台等を調達してマジックペンを載せて缶をクリクリと回せばOK!
 

これが火皿兼予熱皿となる。
次にもう1本の缶にもケガキを入れる。
これが燃料タンクとなる。
あれから更に数度の実験で、25ccでもシェラカップ用には多すぎると言うことが判ったので、今回は更に小型を目指し20mmとする。
火皿との差が燃料タンクの容積となる。
φ52mmの缶なので、10mm辺り21ccとなる。
今回は20mm-13mm=7mm
21cc×0.7=14.7cc
実際には缶の厚みとフィラーの分少なくなる。
予熱用の燃料も加熱に使えるので、冬場はオーバーフローさせてこれを使用すれば良い。
予熱皿には最大で14cc入れられる…これだけあれば十分過ぎる。
 
ケガいたところから10mm程度上の部分で缶を切断する。
カッターナイフでゴリゴリとやる。
 
 
 ハサミでケガいた線通りに切る。
紙のように切れるが、あまりやるとハサミが切れ病むので、大事にしているハサミは使わない。
 
 
 出来たのはこんな状態。
 
 
 火皿兼予熱皿の方に鉛筆でケガキを入れる。
16分割する。
 

ハンマーとポンチでぐるりの立ち上がりから2mm内側にゲガキに沿ってポンチする。
私は先の尖ったポンチがなかったのでM4の1番タップで代用した。
 

 ポンチ通りにφ1.0mmのドリルで穴を開ける。
私はボール盤を使用したが、電動工具をお持ちで無い方はプラモ等に使うピンバイスでも良し、ポンチの代わりに釘でも使ってそのまま穴を開けるも良し。
要は穴が空けば良いのである。
更に中央頭頂部付近に穴を数個空ける。
燃料注入時の空気穴なので、なんでも良い。
 
 
 フィラー(金属タワシ)を中に詰めて、火皿兼予熱皿を被せて蓋をする。
フィラーがハミ出ないように注意。
フィラーの量はなるべく多くであるが、ハミ出てくるようであれば無理はしない。
きっちりと蓋が出来たらストーブの完成!
 
 
 次に五徳の製作に入る。
私はパソコンの拡張スロット用のメクラ蓋を使用。
お持ちで無い方は、鉄或いは銅材であればなんでも可。
アルミはメルトダウンの可能性があるので避ける。
材料を調達される方は幅18mm程度にする。
鉛筆でケガキを入れる。
長さ80mm、中心部に10mmの切り込み。
センター振り分けで中心から26.5mmの所に3mmの切り込み。
これを2個。但し3mmの切り込みは1枚は10mmの切り込みの反対側。
弓鋸で切り込みを入れる。
 
 
 文章で書くと判り難いが、出来たのは左写真の通り。
 

t=0.8mmでは弓鋸の刃の厚みの方が狭いので、センターの10mmの切り込みはサンドペーパーで少し広げる。
周囲のバリはヤスリで仕上げる。
 
 風防は下記の通り適当に作る。
市販のガソリンバーナーに付属しているような”丸める”形ではなく、”折りたたむ”形にして容積を減らしてパッキングを容易にした。
寸法を5mmずづずらして順に折りたためるようになっている。
 
 
組み上げて完成…如何にもちっこい。。。
 

五徳と組み合わせると写真右下のような感じ。
風防はクリップを使うと手間なので、切り込みを入れて組み合わせる方式にした。
ちょいと火に近いので、あまり長持ちしそうにない…もう少し大きい方が良かったか?
これは後々の運用試験で実証の予定。
取り敢えず燃料を入れる…頭頂部までで約13cc。
計算よりもちょっと少ない…ちゃんと湯が沸くのか不安。
 

 燃焼状態は下写真の通り。
実際には右写真のように噴出して盛大に燃えるのは5分くらいしてから。
 
 

 シェラカップに200ccの湯を入れて実験をする。
室温20度で7分で沸騰、11分燃焼。
沸騰すれば良いだけのお茶用には十分。
ミニラーメンを作ったが、吹き零れるのでストーブから降ろさないといけないくらい。
予熱皿に燃料を余分に入れれば冬季でも大丈夫と思われる。
使用時は本体が熱くなるので注意する。
 
 その後の実験で判ったが、屋外で使用すると燃焼時間が7分以下になるようだ。
また無風状態を作り出しても、何がしかは風が吹くのでやや燃料効率が落ちる。
風にかなり左右される。
シェラカップで何とか沸騰、マグカップだとちょいと沸騰に至らないようだ。
屋根と風除け付きの休憩コーナー等で使用する分には問題無し。
机の上でコーヒーを入れるには13ccでも多い。
余裕をみたい方は28mmの方が良いかも知れないが、基本は無風状態を作り出すことだろう。
 

 ダイソーで50ml入りの容器を購入したので、4回分の燃料を携行できる。
 

パッケージングは箱を買うのは勿体無いので、家にあったタッパーを使用。
やや丸みを帯びているので納まりが悪いが、梱包サイズもコンパクトでこんなもんだろう。
 

底部が60℃以上になるようなので、i80486の放熱板を同梱。
薄手の手袋があると安全だが、ここには入らなかった。
 

既に10回以上使用しているが、お散歩用のセットとしては快調に運用できている。
 
キーワード:アルコールバーナー アルコールストーブ アルコールコンロ 自作 製作
 
次回へ続く