槍ヶ岳(岐阜県3,180m) | CLAYの日記

CLAYの日記

老後の為の忘備録

日程:2009年08月11日(火)~13日(木)(前々日泊)
交通:乗用車(ノア)
メンバー:単独
天気:11日、12日快晴、13日曇り時々雨
登り:11日5時20分~12日9時20分
下り:12日10時20分~13日9時30分
コースレコード:
 11日、5:20上高地⇒6:35明神館⇒7:25徳沢ロッジ⇒8:30横尾山荘⇒
     9:40一の俣⇒9:50二の俣⇒10:20槍沢ロッジ⇒12:00槍沢キャンプ場
 12日、5:30槍沢キャンプ場⇒5:45大曲り⇒6:35天狗原分岐⇒7:25坊主岩屋下⇒
     8:00殺生分岐⇒8:45槍岳山荘⇒9:25頂上
     10:20頂上⇒10:55殺生分岐⇒11:25坊主岩屋下⇒12:10天狗原分岐⇒
     12:45大曲り⇒13:15槍沢キャンプ場(撤収)⇒14:45槍沢ロッジ⇒
     15:20二の俣⇒15:25一の俣⇒16:15横尾ロッジ(キャンプ場)
 13日、6:10横尾山荘⇒7:00新村橋⇒7:10徳沢ロッジ⇒7:55明神館⇒
     8:25小梨平食堂⇒8:30上高地

 盆休みだ、今年は飛び飛びに予定を入れられることなく、纏めて時間を取れそうなので、北アルプスに行くことにする。
北アルプスに行くなら、一座目は白馬岳と決めていた。
新入社員の冬に職場の先輩が遭難死した所だ。
当時山登りの趣味は無く、折角声を掛けて貰った夏の捜索行も参加しなかったのが、まだ心のシコリなので。。。
でも、あの槍の先っちょの”ツンツン”の上に立ってみたいという誘惑には抗えず…阿呆と煙はなんとやらか。
先輩の方はもう30年近く遅刻しているので、テントの中で独りゆっくりとその声に耳を傾けるのは、まだ後でも化けては出ないよな…きっと。
なのでガイドブック通り1日目⇒槍沢、2日目⇒槍岳、3日目⇒下山という、初心者用コースで行くことにする。
 とは言え3,000m級のテント泊は初めてなので、荷物をどうしたら良いのか不明…よく判らないが要る物は要るだろうと、あまり考えずにパッキング開始。
テントとシュラフ、雨具等の必要機材だけで13kgになった。
更にあったら良いなぁ機材と、食糧や水3Lを加えて22kg、更にウエストポーチにカメラやなんや入れて1kg、総計23kgになった。
 

実は水をもう2L入れたら担げなかったのでここまでになったのだ…こんなんで良いのかなぁ。。。
2年前に買ったオスプレーのイーサー70初出動、沢山入るなぁ。
天気は晴れマークが段々とずれて、月曜日が雨か曇りか。。。
 
2009年08月09日(日)
 20時半頃町内の祭りが終わる。
明日の天気が微妙だけど、一か八かで21時過ぎに出発する。
月火水の行程で夜半に帰れば高速道路は往復共¥1,000だ。
出来れば月曜日に槍沢のテン場まで行っておきたい。
高速道路、結構混んでるなぁ…一宮までだけど。。。
 

 1時半頃平湯はアカンダナの駐車場に到着…でも入れて貰えない。
時間制限があって、2時半からなんだと。
仕方が無いので駐車場をちょいと行き過ぎた道路の路肩に停めて寝る。
 

2009年08月10日(月)
 翌朝、雨。。。降ったり止んだり。
取り敢えず駐車場に入る。
 

「出ようか!」と思ったら雨が降り、諦めると止むの繰り返しで昼過ぎとなり、ようやく諦めが付く。
車中泊ならぬ車中住みを決め込み、本読みながら曇り空の下で暇潰し。
 

 18時前からボチクラと平湯まで歩いていく。
夕食を食べようと思っていたタクシー乗り場前の土産物屋の食堂は既に閉まっていた。。。
風呂も19時までだそうなので、慌てて風呂に行く。
帰りに”山菜料理”の店があったのでここに入って夕食…でも食べたのはカツ丼だった。
明日からの行程を考えると、山菜では力出そうにないもんね。
駐車場は”車中泊禁止”とあったような気がしたが、もう暗くてよく判らない…取り敢えず寝る。
 

2009年08月11日(火)
 3時30分起床、天気はなんか冴えないけど、ボチボチ準備。
4時30分にバス乗り場に行ったが、既に沢山並んでいた。
4時50分アカンダナ発のバスに乗って出発。
料金は往復で¥2,000.
揺られること30分、5時20分には上高地に到着。
なんか天気悪そう。。。
 

…と思ってたら、段々と晴れてきた!
 

途中から、同年代の男性と一緒になる。
思い付きで来たんだと…半袖短パンTシャツのラフな格好。
それで大丈夫なのか?…お気楽快適装備で重量超過の自分も他人の事言えた義理ではないが。。。

 6時35分明神、7時25分徳沢と順調に進む。
 
 

 横尾…この辺りで異変に気付く。
なんか腰の辺りが痛い…なんでだろう。
どうにもこうにも当たりが悪い…このイーサー70、キャプサンの”着込むような”感じが無いんだよね。
初出動で23kg、後先考えずにお気楽快適装備で来たツケか?
 
 
10時20分になんとか槍沢ロッジに到着。
休憩がてら4人家族と話をして、荷物のことやらなんやら情報交換。
そのお母さん曰く「何考えてんの?水なんて頂上にだって売ってるのよ、捨てて行きなさいよ!なんでも最後はお金で解決しなきゃ!」…凄いブルジョア(死語?)発言!
その調子で2人の娘を教育しているなら、どんな風に育つのか…息子達の嫁にはしたくないなぁ(笑)
…とは言え、山小屋も整備されている百名山、それもまた真実かと思い傾聴する。
缶ジュースが”期限切れ”で¥100だったので、これを調達して10時45分に出発。
 

 ここから…辛い。。。
どうにもこうにも腰が痛くて背負い続けられない。
ので、私は12時丁度の槍沢キャンプ場でギブアップする…900mに1時間以上掛けてる。。。
日帰りなら無理するけど、3日の長丁場なので整えて行かなきゃ。
ということで、件の男性とはここでお別れ。
向こうは「今日中に槍岳山荘に行く!」と言って大曲りを目指していった。
「こんな時間、ここでテント張る奴なんて居ないよねぇ…」と自嘲気味に思いながら来たが、先客は多かった。。。
 
 

 ここで69歳というお爺さんと話をする。
「ワシャぁここで2泊や!テント張ったままで行くで!アタックザックも用意しとるんや!!」 ということだ。
成る程なぁ…今回は登頂と、3,000mの高さでテント泊するというのが目標だったけど、後者は諦めよう。
それにしてもアタックザックは無いぞ…待て、確かイーサー70の雨蓋はヒップバッグになるとカタログに書いてあった…爺ちゃん!俺もその作戦に乗るぜ!!
午後からせっせと準備、序でにイーサーのフレームを力任せにひん曲げて調整する。
なんか腰の部分だけ極端に内向いているのが原因のようだなぁ。。。
 16時過ぎから夕食。
メニューはなんと!おでんとパックの日本酒(笑)
 

ラー油も塩も瓶毎持ってきてるし…そういや先程張ったテント、気が付いたんだけど5月連休のツーリングのままだから鉄ペグが予備も含めて、序でにハンマーまであった。
重いはずだよなぁ。。。
夕食後、爺ちゃんと東京から来ているアベックと酒呑んで話をする…アベックも私と同じ行程だったのを変更するようだ。
20時半過ぎには就寝。
3時過ぎに1度起きたが、月も出て良いお天気になりそうだ。
 

2009年08月12日(水)
 4時半過ぎ起床。
「7時過ぎに出れば楽勝で戻ってこれる!」と言っていた爺ちゃんは5時過ぎに出て行った。
他にもここからピークを目指したのは私の知る限り、アベック、学生らしき男女4人組、英語の教師というオーストラリア人の兄ちゃん等、結構多い。
私も5時半に出発。
荷物軽いと楽だなぁ…5時50分大曲り。
 
 

 雪渓は…アイゼン無くても大丈夫。
6本爪持ってきたんだけど、テントに置いてきた…これも無駄な装備だった。
ここで同じテン場に居た人と会う。
こちらは写真を撮りに来ているので、ピークハントはしなくて、天狗原まで行って来たそうだ。
4時過ぎに出たんだと…その天狗原分岐が6時35分、早起きだなぁ。。。
 
 

 これが”カール”とか言う氷河跡なんかなぁ…等と思いながら行く。
単独行が多いから、この辺の知識を得る所が少ないのは問題かも知れない。
7時20分、槍が見えてくる…雲ひとつ無い最高!の天気。
 
 

 8時に殺生分岐。
8時45分槍ヶ岳山荘に到着。
上高地から槍沢ロッジまでが只のハイキングコースで、ここまでが普通の山登り。
ここからがメインイベントの岩登りである。
 
 

 とは言え老若男女が登っているので、今の私(尚且つ軽装)が登れない訳が無い。
でも思ったよりも長いので(笑)、途中休憩がてら写真撮りつつ登る。
どピーカンのお天気に加えて人も少ないので、我が物顔(笑)
 
 

 という訳で登頂が9時20分。
人も5~6人だし殆ど登ってこないし、勿体無いのでゆっくりする。
半袖で涼しくて良い感じ。
 
 

 突然にガスって来たので下山開始、終了が10時20分。
なんか人が増えてきた。
山荘で缶ジュースを2本調達してペットボトルに入れ、残りは飲んでしまう。
ヒップバッグなので1Lのボトルを入れる余裕が無かったのよ。
いやぁ~、百名山ってホントに便利だよなぁ…あのお母さんの言ったことを実感するよ。
それにしても立派な設備だ…800人収容とか誰かが言ってた。
それだけの需要がないと成り立たないんだと言うことを考えると、恐ろしい話だ。
 
 
 帰りは11時丁度に殺生分岐、12時10分天狗原分岐と足を進める。
途中で単独行の人を見つけては情報収集しながら。
お爺さん、同年輩と同行し次は女性。
「登山歴20年」と言ってたが、「ひょっとして小学生から?」と突っ込みたくなる程若い美人だった。
今日は徳沢まで戻るらしい…「明日はお天気悪いですよ!」。
…ここで思案する。
この時間だと13時半までには槍沢で、運がよければ徳沢、駄目でも横尾までは行けるんじゃないの?
槍沢のテント撤収してもう少し戻っておこうか。。。
 13時15分槍沢到着、お姉さんとはここでお別れ。
大事を取って移動しておいたテントも無事だった。
ここで一足先に戻っていた爺ちゃん、目が合うなり「おう!ワシゃ撤収して横尾まで行くで!」…同じこと考えてたか。。。
即撤収、ザックが大きいと楽だなぁ…食糧が減って余裕が出来たので、兎に角突っ込んで14時丁度に出発。
疲れるなぁ。。。
 
 

14時45分槍沢ロッジ、昨日は通過の予定で申し込みをしていなかったので、お金の支払い。
15時20分二の俣、15時30分一の俣と歩を進め、16時15分横尾着。
ここで止めておこう…結局爺ちゃんとカップルが居たので、また同じ所にテント張って同じメンバーで酒盛り(笑)
21時には就寝、2時半頃雨の音で目を覚ます…もう1時間ほど寝よう。
 

 2009年08月13日(木)
 …と思って目を覚ましたら4時半だった(笑)
チンタラと朝飯作ってたら、5時過ぎに爺ちゃんは出発していった。
こちらはちょいゆっくりし過ぎて6時15分に出発。
 
 

 新村橋7時、徳沢7時10分。
槍沢からこっち、本当にもう沢山の人が来る。
挨拶疲れて声が嗄れるくらい…これが本来の姿なのか?
だとしたら、もう一度来る勇気が出ないなぁ。。。
 
 

 8時30分上高地のバス停着。
ゴミ箱があるようなので、ここで分別廃棄させてもらう。
バスは9時丁度なんだけど、既に沢山並んでる。。。
 

 ほぼ満員で出たので、途中の停留所から乗ろうとした人たちは乗れなかった。
9時35分、雨の中アカンダナ駐車場に到着。
 

 9時30分に駐車場まで戻ったので土砂降りの中荷物放り込んで、兎に角この家にも入れて貰えなさそうなクッサい身体をなんとかしなきゃ。
月曜日と同じ温泉に行き、綺麗な身体になる(笑)
 

 身体は次に野菜を欲しているようなので、昼食は”野菜炒め定食”にしようと戻りつつ探すが無いので、結局PAのかきあげうどんと飛騨牛コロッケとおにぎり…どこのPAもSAも一杯。
家の近くでガソリン入れて、14時50分帰着。
 

 反省の多い山行きではあったなぁ。。。
もう少し軽量化について真剣に考えるべきか。