「高校単独校」をご存知でしょうか。
近年中学受験が過熱し、世間をにぎわせています。
だからこそ際立つのがこの高校単独校。つまりは附属の中学校を作らずに高校3年間で勝負している学校ということになります。
どんな学校があるかというと
土浦日本大学高校(土浦駅からバスで6分)
開智学園高等部(東岩槻駅から徒歩18分)
朋優学院高校(西大井駅から徒歩13分)
東洋高校(水道橋駅から徒歩3分)
日本体育大学高校(柏駅からバス13分)
錦城高校(小平駅から徒歩20分)
國學院高校(外苑前駅から徒歩7分)
などなどがあります。
私立高校に進学した生徒からよく受けるお悩みが、「附属中から上がってきた子たちの進度についていけない」「附属中から上がってきた子たちで先にグループが出来てしまっている」と、いったもの。
とはいえ、学校側としては、中高6年間で生徒の学力を磨き上げることと、高校から新しい風を加えて刺激を与えるということを目的として中高の両方で募集していることが多いです。
開成高校の先生も以前こんなことを言っていました。
『新高』(高校から入ってきた生徒)が『旧高』(附属中から上がってきた生徒)にとって大学受験へのカンフル剤になる
その結果、自ずと中高一貫校の方が実績を高く出しそうな気もします。
高校から入っていく立場としては、新しいグループをイチから作っていく環境、学力面でもみんなが横一線に並んでヨーイドンでスタートできるような環境の方が良いようにも思います。あえて高校単独校を選ぶ人もいるぐらいです。
そんな高校単独校から2校をピックアップして比較してみたいと思います。
比較対象として同偏差値帯にある中高一貫校も並べてみました。
《高校単独校 代表》
土浦日本大学高校(SH66、GS・特進61、進学55)
朋優学院高校(TG68、AG65、SG62)
《中高一貫校 代表》
江戸川学園取手高校(東大・医科66、難関大63)
芝浦工業大学柏高校(GS67、GL64)
※( )内数値は全て進学研究会模擬試験 合格可能性60%ライン
国公立大 私立10大
土浦日本大学高校※
国公立大 52.7%
私立10大 51.8%
朋優学院高校
国公立大 22.0%
私立10大 208.6%
江戸川学園取手高校
国公立大 22.8%
私立10大 106.6%
芝浦工業大学柏高校
国公立大 23.4%
私立10大 121.8%
2023年度大学入試の実績
現浪合算合格者数÷卒業生数で算出
私立10大…慶應大、早稲田大、上智大、東京理科大、明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大、学習院大
※偏差値帯を揃えるため土浦日本大学高校は特進コースとスーパーハイクラスの実績のみで算出
土浦日大の国公立大と、朋優学院の私立大に対する強さがすごいことになっています。江戸川取手や芝浦工大柏というと、近隣にある土浦第一や東葛飾といった県立トップ校の併願として有名で、結構なレベルの進学校です。この2校と比較してもとても優れた実績を出しているといえます。さらに両校とも中学校の成績を使った「併願推薦・B推薦(詳しく知りたい方はこちら→https://ameblo.jp/qsj-onlineacademy/entry-12831024073.html」という制度を設けているので、あらかじめ合格が保証されているか、合格基準を引き下げてもらうことができます。要するに「滑り止め校」として受験することができる学校なのです。
土浦日大の魅力の1つを挙げるとしたら、総合型選抜・学校推薦型選抜の強さでしょうか。毎年筑波大学をはじめとした難関国立大へ推薦試験で合格していく生徒が多くいます。その秘訣は、「インタレストラーニング」にあると、高校の先生がお話しされていました。
朋優学院の魅力の1つを挙げるとしたら、個人面談の多さでしょうか。その結果、生徒と教員の間に一定の信頼が作られ、生徒の自己肯定感と主体性をうまく引き出しています。年々大学の進学実績を伸ばし続け、止まるところを知りません。