海異記 | qqwwzxcのブログ

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  崖はそもそも波というものの世を打ちはじめた昔から、がッきと鉄(くろがね)の楯(たて)を支(つ)いて、幾億尋(ひろ)とも限り知られぬ、潮(うしお)の陣を防ぎ止めて、崩れかかる雪のごとく鎬(しのぎ)を削る頼母(たのも)しさ。砂山に生え交(まじ)る、茅(かや)、芒(すすき)はやがて散り、はた年ごとに枯れ果てても、千代(ちよ)万代(よろずよ)の末かけて、巌(いわお)は松の緑にして、霜にも色は変えないのである。