本郷三丁目の交差点から春日通りを湯島方向に下りていくと右手にうっかりすると見落としてしまいそうなごく小さく古びたお菓子屋さんがある。ここが「壺屋總本店」。
見た目は目立たなくとも、この本郷界隈では、羊羹、きみしぐれの「藤むら」(今は閉店状態と思われる)、と並び、古くからの和菓子の名店だ。
長年の菓子好きの方なら、東京で最中といえばかなり早めに指折りするであろう店だ。
寛永年間(1624年~1645年)の創業。東京の老舗菓子店の中でも特に長い歴史のある店だ。
「最中」を作り始めたのがいつ頃からかは知らないが、幕府御用達であったことから明治維新の際に暖簾を下ろそうとしたところ、この店の最中を愛する勝海舟のエールによって店を続けたのだというエピソードが残る。
☆本郷「壺屋總本店」の3種の「壺々最中、壺最中、壺形最中」
最中は粒餡、漉し餡それぞれ大きさの順に「壺型最中」「壺最中」、そして一番小ぶりの「壺々最中」とある。
私が購入したのは、「壺型最中」と「壺最中」。
種(皮)は香ばしさがしっかりある。
粗目と水飴を使った餡も、粒餡は粒餡らしい歯触り、漉し餡は漉し餡らしいなめらかさがある。そしてなによりしっかりとした強い餡だ。「餡子食い」が最中の真骨頂だとすれば、まさに最中らしい最中だ。
ただし「壺型」は毎日食べたくなるサイズではないな。
「最中を食べる」一覧は
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