渋谷駅から国道246を挟んで反対側、渋谷川の川っぷちのうらぶれた場所にあった店「ニュー信州」が駅周辺の再開発の影響で随分前に移転したのは知っていたのだが、新しい店にはなんとはなしに行きそびれていた。
移転してもう2年半になるという。
家内と2人で訪れた。
人通りとて少ない裏町に建つ新しい小さなビルの地下にある。
小上がりもテーブル席もあるが、われわれはカウンターで、ちょっと知的な印象もありながら気さくに応対してくれる大将と会話を楽しみながら飲み食いする。
いただいたものは
「クエ刺し」「ウメイロ刺し」。
ともに言うことなしにうまかった。ウメイロの横に大将がサービスでつけてくれた「ツリセボリ」もうまい。
こういう白身の刺身をかみしめ、じっくりにじみ出るうまみを確かめながらのむ酒が楽しい。
酒は、とりあえずの生ビールから日本酒へ。
秋田の「山本 純米吟醸」。夏にピッタリ、フルーティーですっきりしたいい酒だ。
だが、暑いさなかにこの酒ではグイグイいってしまいそうだったので、自重してほどよきところで「伊佐美」のロックに切り替えた。
そのあとは「徳谷トマト」「焼き姫竹」「鮎塩焼き」「クリームチーズの西京焼き」といずれも文句なしの肴だ。
特に水質日本一として知られる仁淀川で獲れた鮎は実にうまい。
大将は「青森・赤石川の鮎が最高だ」というが、私が食べた中では高知のこの仁淀川や四万十川のものがすっきり気持ちのよい香りでいい。
やはり、いい店だ。
大人が自分の好みの肴を適度につまんで、いい酒をほどほどに飲む。
渋谷は「落ち着いて飲食を」ということの難しい街だ。
せっかく見つけた数少ない貴重な店も少し評判になるとたちまち予約が取りにくくなってしまう。
そういう中でこの店は実に貴重な存在だ。今後も細く長く利用させてもらおう。
決して便の良いところとは言えないが、渋谷新南口方面のホームを利用する私に限っては至極便利な場所にあるのだ。
以前の店に訪れたときのブログ記事は
https://ameblo.jp/qpkokko71922/entry-10905614573.html
https://ameblo.jp/qpkokko71922/entry-10988872326.html