ラインを世代を超えたコミュニケーションに使おうという時点で大きな間違いなのでは | 広田鉄磨のブログ

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結論もなくだらだらすすんでいくラインは確かに日常会話の代わりにはなるだろうけど そこには結論といえるものはない

 

ラインを世代を超えたコミュニケーションに使おうという時点で大きな間違いなのでは

 

「。」に威圧感や怒りの感情を読み取る若者 背景にタイパ重視世代の“気遣いと正義”

 

 

AERA dot.

LINEメッセージの句点に、威圧感や怒りの感情を読み取る若者もいる(撮影/写真映像部・高野楓菜)

 あなたはLINEのやり取りで「。」を使いますか。意識せずにつけた「。」が怒りの意思表示と受け取られているかもしれません。中高年世代がびっくりするような若い世代の感覚とは。AERA 2024年1月22日号より。 【写真】大人世代から若い世代へのLINEのイメージ *  *  *  若者のSNS利用に詳しいITジャーナリストの高橋暁子さんも、世代間でLINEの使い方にはギャップがあると話す。 「ガラケー世代で、相手がいつ読むかわからないメールの文化を引きずっている大人は、挨拶から入り要件を伝えて結びの言葉、と文章が長い。当然、そこには句読点が多く入る。でもリアルタイムでのやりとりが当たり前の若い世代は、句読点を一切使いません。だからたまに目にするLINEでの句読点に、『かしこまっている』という印象や威圧感、怒りの感情を読み取ってしまうのだと思います」  一方で若い世代は、自分からあえて「LINEで句点を使う」こともあるという。前出の22歳の大学生の場合はこうだ。 「『笑』がついていたら怒ってないということ。『爆笑』がついていたら冗談。絵文字も『笑』もついてなかったら少し怒ってる。『。』がついていたらその怒りの強調、という感じです」  たとえば「いいと思うよ笑」なら賛成だが、「いいと思うよ。」だと気に入らないけど好きにすれば?というニュアンスになり、それを受け取る側も共有しているという。高橋さんはこうみる。 「実際に句点がついたメッセージを受け取ったときに『あ、怒ってる』と自分が感じた感覚を再現する意味で、じゃあ自分も怒りを伝えるときには句点をつける、そうして広がっていっているのではないかと思います」 ■句点複数で共感性表す  SNSのやりとりで、受け取る側に思わぬ感情を伝える句点。孤独を抱えていたり、虐待やDVで自殺リスクもある若い世代からのオンライン匿名チャット相談を受けるNPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんも、句点の使い方には細心の注意を払っていると言う。 「若い世代が句点から怒りの感情を読み取るのは、句点で会話が切られることで『コミュニケーションを続けたくない』という意思表示に受け取るからかなと思います。一方で、私たちはチャット相談の中であえて句点を使うこともあります」

 相談とは基本的には傾聴の姿勢が大切で質問がメインではないが、必要なときもある。たとえば、先方の状態について質問したいとき、「あなたのいばしょ」ではイエスかノーかを迫ることになる「?」は使わないことにしているという。 「かといって句点で止める問いかけをしてしまうと会話を切ることになるので避けたい。そんな場合はたとえば『そうだったんですね。。。。。。』と打ちます。句点を複数にすると逆に、共感性が生まれてくるんです」 ■気遣いのすれ違いが  質問するということは、相手の気持ちに踏み込んでいくことであり、「侵襲性」が生まれやすい。それをなるべく軽減するためにも、若い世代の間で広く使われている句点の複数利用を心がけていると大空さんは言う。 「チャット相談には声色などの非言語情報がなく、感情の変化や揺らぎはチャットの文字に目を凝らし、読み取るしかない。改行なしの長文で思いの丈を書いてくる人は『かなりいろんな思いを抱えておられるな』とか、句点が多い人は『相手のことも少し気遣いながら話をしておられるんだろうな』など、そこからパーソナリティーの側面を判断することもあります」  句点の使い方ひとつで、異なる世代との間に共感を生んだり、思わぬすれ違いが生まれたり。気をつけるべきことは何か。高橋さんは、「無理解なままお互いを否定しないこと」を挙げる。 「若い世代が句読点を廃し、短い言葉でやりとりする背景には、タイパの意識が強い世代であることも大きい。無駄なやりとりはせず相手を待たせない、ということも彼らにとっては正義だし、気遣いでもあるわけです」  一方で大人世代にとっては相手が読みやすいように句読点もつけながら、長文になってもきちんと伝える。それが相手への気遣いだ。つまりは、双方の気遣いのやり方がすれ違っているだけだと高橋さんは言う。 「少し歩み寄ってみるのもありかなと思います。大人が若い世代にLINEするときは句読点を減らしてみる。逆に若い世代は、失礼と思うらしいし冒頭に少し挨拶でもつけておくか、とかその程度でもいい。大事なのはふだんのコミュニケーションです。LINEで怒ってるかなと感じても、対面で『すみません、何か怒らせましたか』『そんなことないよ』みたいなやりとりができる関係を日頃から築いておけば、それほど深刻な問題にはならないと思います」 (編集部・小長光哲郎) ※AERA 2024年1月22日号 より抜粋