いつまで続くマフィン狂奔 | 広田鉄磨のブログ

広田鉄磨のブログ

ほぼ毎日更新中

 

保健所勤務の長かったI様とのやりとりです

 

 

=========

I様

 

確かに副原料らしき黒豆もマフィンの中に映っていましたが 煮た豆をほったらかしにしておけば おっしゃる通り 糸挽いてもおかしくはない

 

=========

 

いいですよ

思うに 混ぜた副材料の扱いも悪かったのではないかとおもいます

いくら焼きが甘くても

ここまでひどくは普通ならない

あと、少し前にも書きましたが

オーブンの容量が 焼きの総量に比べて小さかったのではないかと思います

小さいオーブンだと 表面が早く焦げてしまうので

焼きがどんどん甘くなる

I

=================

 

I様

おっしゃる通り

18℃以下にするようにしていたというのはカビ対策であってセレウスには効かない

砂糖を半分に落としたら かえって焼きは入りやすいくなる

保存料を入れていなかったからというが 通常対面販売のマフィンでは保存料なんか入っていない

18℃以下にするようにしていたというのはカビ対策であってセレウスには効かない

要は ドウのままで何日も保管した(通常工程からの逸脱)、もともと焼きがとても甘い製品で Awが0.92未満にはできていなかった(商品設計ミス)

のいずれか または両方が原因

ホリエモンが騒いだからといっても 彼はこの分野の専門家ではない。 ところがどっこい 自称専門家が次々でてきて ありもしないことを並べ立てる、それを わかっていないメディアが取り上げる

人工的に作り上げられた狂奔

 ==================

我々も反省しなければ

製造現場の「しろうと化」が言われて久しいが

指導する側の保健所の力の凋落も甚だしいと言わざるを得ない

平成の半ばくらいに 厚生労働省がやった 監視員同士のスクランブル(環境監視員を食品衛生監視員に 薬事監視員を食品衛生監視員にするなど 数年で部署を変える制度)は究極の悪手であったと 言わざるを得ないだろう 

そもそも 監視員業務というのは経験を積み重ねてなんぼ っていうところがある

それを せいぜい4~5年で担当部署を変えられると なんでもできる職員は増えるし 汚職や癒着も起きづらいではあろうが あちこち行って10数年ぶりに元の職種に戻っても使い物にならない

現役の最後あたりから 地方からの違反文書の通知とか食中毒の報告にいろいろと未熟極まる文書が増えた

私が一番びっくりしたのは 北海道から「イカと里芋の煮つけ」から「金属の物体」が出てきたというもの これが… 里芋が「中国産」だから中国現地で混入したものと思われるから調査を という依頼

写真を見たらこれがバリバリ「イカ針」 里芋の製造現場に「イカ針」は普通ない

北海道の監視員なのに「イカ針」も知らないのかと 呆然となった

丁寧にお返ししたけれど…

前回の八戸保健所 今回の目黒区保健所 ともに対応はいまいちすぎると私は思う

対応がまともならば ここまで大量に報道されることも 長引くこともない

もう一つ 我々の感覚の中に「焼き菓子なら まあ安全」という思い込みはあった このちょっと前に「カボチャパウンドケーキ」の食中毒もあったのに マフィンのニュースを見て「えっ?」と思ったのは 私だけではあるまい

これ要するにマフィンの焼きが甘いだけのことではあったのだが

混ぜ物をするととても焼きづらいって当たり前のことに 思い至らなかった未熟な現場 現状では指導しきれない保健所 抑える仕組みはほぼない 未来は暗い