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「最大97万倍の菌検出」宮城初 レジオネラ症集団発生 専門家「致死率5~10%」「適切なメンテを」【宮城発】 7/20(木) 19:24配信 FNNプライムオンライン 全文
https://news.yahoo.co.jp/articles/0439156c121974fc6d88d7b3debc636486b4c6ee
宮城県内初となる、レジオネラ症の集団感染が大崎市の医療機関で発生した。これまでに6人の感染が確認されていて、1人が重症、1人は死亡後に感染が判明した。命を守るはずの病院で何があったのか。
「最大97万倍」のレジオネラ属菌
レジオネラ症の集団感染が確認されたのは、宮城県大崎市の医療機関「永仁会病院」。県によると、6月下旬から7月中旬にかけて、管内の大崎保健所に40代から90代の男女6人の「レジオネラ症」の届け出があった。この6人ともが、永仁会病院に通院または入院していたことから、県は病院が感染源と判断。保健所が調査をおこなった。
この6人のうち、4人は快方に向かっているが、入院していた40代の女性患者が重症。1日に死亡が確認された男性は、その後の調査で、レジオネラ属菌に感染していたことがわかったという。
調査の結果、レジオネラ属菌が検出されたのは、病院の屋上に設置された空調設備。厚生労働省が定める基準値の68万~97万倍の「レジオネラ属菌」が検出された。レジオネラ属菌を巡っては、2022年11月、福岡県の老舗旅館の大浴場の湯からレジオネラ属菌が検出され、湯の入れ換えを年に2回しか行っていなかったとして、大きな話題になったことは記憶に新しい。その際に検出された菌は「基準値の最大3700倍」だった。
(※レジオネラ属菌の基準値は施設の種類によって異なる。)
「致死率5%~10%」レジオネラ症のリスク
土の中や川など、自然界に広く存在している細菌であるレジオネラ属菌。細かい霧やしぶきを吸い込むことで肺炎などを引き起こし、最悪死に至るケースもあり得る。潜伏期間は2日~10日間ほどで、人から人へ感染することはない。そもそもレジオネラ症に感染するとどのような症状を発症するリスクがあるのか。一般的な致死率は「5%~10%に及ぶ」と専門家は話す。
症状としては肺炎を起こすので、呼吸器症状、咳や高熱であったり、症状が進むと意識がなくなったりすることもある。早期に治療できれば命が救われることも多いが、そうでなければ、重篤化することもある。レジオネラ属菌は、日常生活でいうと水辺など湿気が多いところ。ビルを冷やすための冷却塔や、24時間利用が可能な風呂、温泉施設など、水が常に循環しているところ、家庭では加湿器にも住み着くことも。水回りに感染源があるということを認識して、適切にメンテナンスをしていくことが重要。
(東北医科薬科大学医学部 感染症学教室 遠藤史郎教授)
実際、感染源の可能性があるとされている空調設備は、病院屋上に設置された「冷却塔」。病院内の空調設備を冷やすための水を冷却する装置だ。病院は「この冷却水が粒子状になって外部に舞い、換気のために開けられていた病室の窓などから院内に入り、感染につながったのではないか」とみている。
菌検出の冷却塔に「藻」
病院によると、この冷却塔設備の清掃は年2回。直近では、冷房を使い始める5月に清掃を行い、冷却用の水を入れる作業をしていた。一方で、保健所による調査では、この冷却塔に藻が生えているのが確認されたという。病院側でもこの藻の存在を確認はしていたが、問題視していなかった。病院の聞き取りに対し、担当者は「自動で注入される薬剤があるので大丈夫だと思った」と話しているという。同様の方法で清掃など管理をこれまで行ってきたが、2022年までの調査では、菌の検出は基準値以下だった。
命を守るはずの病院で起こってしまった、レジオネラ症の集団感染。病院側では、すでに冷却塔の洗浄などを行ったうえで、年1回だったレジオネラの検査を、冷房を稼働させている期間で毎月行うことや、従来の薬剤に加え、新たに殺菌剤も使用していくという。県は「対象の病院に滞在し、咳や発熱などの症状が出た場合には、医療機関を受診してほしい」と呼びかけている。