子どものころ、
肩たたき券を祖母と母親に何度か渡したことを思い出した。
御礼でお返しの気持ちで渡していた。
その前に何か御礼することを祖母や母にしてもらっていたからで、
ありがとうの代わりにだった。
肩に触れると「こそばい」と言っていた
祖父や父親には、笑いをと思い込み、
せっせと失敗をして世話を焼いて貰っていた。
祖母や母の肩や背中には、
灸の痕が無数にあった。
子どもの手で肩をたたいても、
応えられる範疇に無かったはず、
それでも、ありがとうと受けてくれていた。
子どもの時から救世主症候群の傾向があった訳で、
ありがとうと言わずに、ありがとうを貰っていたのは、私の方。
いまになって考えてみると、クスりと笑える。
末っ子の必死の存在アピールだった。
ここ何年かでSBFで自分を振り返ってきて、
そうだったのかー と思うことがたくさんあるが、
気づこうとしなかった自分でいた時より、
よかったとつくづく思う。