TREASURE HUNT♯24 | EAT THE MUSIC.

EAT THE MUSIC.

とにかくそれが音楽と思しきモノなら
何でも聴いちゃう節操なき超雑食系男子が
日々どのような音楽を「喰らって」生きてるかの
しょうもない雑記です。
共に喰い散らかして頂けたら幸いです。

基本的に楽曲のクリエーションを入口にしてしかアイドルにハマるコトが無い、あくまで所謂「楽曲派」なオレなんですが、
歌い手であるアイコンのビジュアル云々、要は「可愛い」だの「萌え」だのは単なる付加価値でしかないと思ってる、と言う点を予め断りつつ、
だからこそこの小生意気に「アイドル戦国時代」を標榜しながらも、あくまでキャラクタービジネス的な部分のみを拠り所にしたような安易な作品作り、つまり握手券だの何だので盛り上がってるだけのガールズグループなぞポカーン、それ以前に激怒の域だったりなんかして、そもそも「アイドルを売るのに音楽性なんて要らねえんだよ」と言うような送り手の馬鹿な親父のドヤ顔が透けて見えそうな場面に出くわすと暴動に発展しそうになります。

まあヲタ界隈的にはそれぞれに言い分はあるでしょうが、間違いなく日本で最も売れてるメジャーアイドルの一組であると言う点に疑いようがないモーニング娘。の、これ程のロングランから何も学べてないの?と言うグループも目立つ最近。
中野やアキバの地下アイドルとか、或いはナントカ研修生とかも含めればもしかして今や国民の10代~20代前半女子の何分の一かはアイドル、或いはアイドルビジネス従事者なのでわ?と言う気味の悪い状況が現実味を帯びて来た今、悲しくなるからブログに書きたくなかったんだケド、この間亡くなったあるアイドルの件なんかも考慮すれば、あまりに急激に大きなビジネスになり過ぎてる気がします。
その中で音楽的な部分も同時に比例して成熟する、なんてのは不可能な話でしょうから、言葉を選ばず平べったい言い方をするなら「アイドルを自称するにはあまりにブスなオンナが、アイドルソングマナーのイロハも理解してない素人なソングライターが書いたクソ曲を稚拙なスキルでパフォーマンスし、握手やハグ、チェキ撮影で回収する」と言うのが「今のアイドルビジネス」の実態ならば、こんなに不甲斐ない話もなく「アイドル」と言う言葉に別段の思い入れがあるオレから上の世代にしてみればキャバクラレベルに堕ちた「自称アイドル」までもを「アイドルマーケット」に入れるには眉を顰める所。

素人に毛が生えた程度のブスがダサい曲を歌う姿までもをありがたかってるようでは、アンタたちヲタクこそがこの文化の息の根を止めるとも思うわよ。

つまり、楽曲やパフォーマンスの良質さでこそ競い、凌ぎを削り合ってこそ健全なショービジネス。
そうゆう「ひとまず音楽性でこそサヴァイブしまっせ」と言うアイドルにはもはや国から献金とかすべきだとさえ思うわよ。

"ラブラドール"や"心のプラカード"でやっと音楽的に何かを打ち出す気になってくれたAKB48には去年こそ歓喜させて貰ったケド、遅いぐらいよ。
少なくとも今回取り上げる数組は、予想するまでもなくAKBの何分の一かの予算で素晴らしいサウンドとパフォーマンスを届けてくれてる訳だからね。ウカウカしてられません。

と言う、相変わらずのオレの暑苦しいアイドル論はさておき。
オレが最近ネット界隈で拾い集めて来たフレッシュな注目アイドルを3回に纏めて。
とは言え、詳しい方々からなら「え、今更?」と鼻で笑われそうなぐらい既に一定の支持を集めてるメンツだったりするんで、お恥ずかしい。
でもこのブログ、アイドル好きばかりが見てる訳でもないっぽいんでね。対門外漢向けよ。

悪しからず。

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Negicco"アイドルばかり聴かないで"

お茶の間レベルでない、所謂ドメジャーではないアイドルグループとしては間違いなくトップクラスの支持と人気を集め、もはやいつブレイクしてもおかしくない所まで来てるのがこのNegicco。

元は'03年にJA全農にいがたが展開する新潟名産ネギのプロモーションキャンペーンのために期間限定で結成されたローカルアイドルユニット。
そこから何故だか恒常的なユニットとして地道な活動を続け、多少のメンバーチェンジもありつつ活動を継続。
'11年にはタワレコが発足させたアイドル専門インディーズレーベル「T-Palette Records」からリリースを重ね、心あるアイドルソングファンから一定の支持率を獲得。
つまり随分なキャリアなのよ。それと共に積み上げて来た信頼と実績は、その辺の「ロコドル」とは比較にならないレベル。

と言うオレは失礼ながら、楽曲それ自体を耳にするチャンスがないままに一切通らずここまで来てしまったクチ。
まあ、ネギがあまり好きじゃないと言うのもあるし。

で、何かの拍子についに耳にしてしまった'13年5月に通算12作目のシングルとしてリリースされた本作がオレのNegicco初体験。
もう、今まで無視を決め込んでた自分を恥じるよね。
何を隠そう、元ピチカートファイブ・小西康陽がソングライティングからアレンジまでもを一手に引き受けた話題作。
'10年代流渋谷系ガールポップとしての煌めきには無視出来ないフックが散りばめられまくってます。

一聴して誰もが小西だとわかる程手堅く手グセ的であるものの、軽妙にループするストリングスを筆頭に甘酸っぱい正調60'sサウンド&メロディの弾けるような魅力は、メンバーらの無機質なボーカルとも好バランス。
これを否定出来るアイドルソングファンなぞおらんでしょう。

ただし、本作で最も声高に叫ばなくてはいけない美点は間違いなくこの素晴らし過ぎるリリックワーク。
自身も相当ノリノリで制作にあたったようで、小西氏曰く「アイドルに曲を書くのが夢だった高校・大学時代の自分に聴かせてやりたいくらいの、“私の中の筒美京平”が暴発したような作品です」とのコト。

これまでにも深田恭子や小倉ゆうこりんに自己言及的な歌詞をあてがって来た小西康陽らしく、キレッキレのメタフィクションアプローチが炸裂。
「どんなにアイドルを聴いても、そのアイドルとはキッスも出来ない」「どんなに握手をしてもあの子とはデートも出来ない」と無慈悲に突き放し、狂信的なAKBヲタに冷や水をぶっかけます。ざんねーん。
Bメロでは「普通の人はもうCDなんて買わなくなった」とも宣い、最終的には「アイドルばかり聴いてるとだんだんバカになるんだよ」「アイドルばかり聴いてると体に悪いよ」とすら結び、意味はわっかんないんだケドすげえ説得力がある。
行き過ぎたアイドルビジネスが問題視される時代に、と言うのが痛快な訳よね。

それでも序盤には「男の人はロマンチストだもんね」と言うエクスキューズと共に、「アイドルばかり聴かないで、あたしをもっと見てよ」と結局は愛くるしいラブソングに力技でまとめ上げる強引さも巧過ぎ。

48グループ新潟進出でウカウカしてられなくなって来たNegiccoのちょっとしたカウンターパンチとして完璧。

一方カップリング曲・"新しい恋のうた"もA面にタメを張る快作。
こちらでは長らく彼女らの音楽面を支えるconnie氏なる男性プロデューサーが作詞作曲編曲を担当。逆にこちらはピチカートへの愛に満ちたオマージュを展開し、お馴染みのナレーション・「A NEW STEREOPHONIC SOUND SPECTACULAR」の引用でもニヤリとさせられます。

その他ディスコグラフィを調べるにゴージャスな作家陣が挙ってこのグループのバックアップに参加しており、NONA REEVES・西寺郷太や、元Cymbalsの矢野博康、Tomato n'Pineでも良い仕事をしていたジェーン女氏なんかも名を連ねる始末。

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Negicco"光のシュプール"

取り分け、ORIGINAL LOVE・田島貴男がアレンジを手掛け、昨年末にリリースされたシングル曲であるコレなんかもソウルフレーバー薫る王道の陽性アイドルポップ。
侮れません。

NGT48、これを潰すならちょっとやそっとの覚悟じゃ駄目っぽいわよ。





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