近年、「非燃焼・加熱式タバコ」や「電子タバコ」の普及が進んでいます。
従来の「紙巻きタバコ(燃焼式タバコ)」を吸うより「有害性物質が少ない」「煙が少ない(蒸気が出る)」と言って、あたかも「健康被害が少ない」と言わんばかりのイメージが広がり、今のような普及につながりました。
「非燃焼・加熱式タバコ」は、葉タバコを加熱(高温・低温)することにより「ニコチン含有エアロゾル」を発生させて吸引するタイプのものです。高温加熱式は、喫味が強くなり、ニオイも強く出ます。低温加熱式は、喫味は弱くなりますが、ニオイが限りなく少ないという特徴があります。
また、「電子タバコ」は、液体(ニコチンを含むもの、あるいは含まないもの)を加熱してエアロゾルを発生させて吸引するタイプのものです。
どちらも従来型の「紙巻きタバコ(燃焼式タバコ)」と区別され『新型タバコ』として普及しています。
さて、このような『新型タバコ』は本当に「健康被害が少ない」のでしょうか?
結論から言えば、
・「有害物質が少ない」なら「健康被害は少ない」じゃん!とお考えの方は要注意です。
そして、
・今までは、周りを気にして外で吸っていたのに「新型タバコ」に変えてからは部屋の中でも吸うようになった方も要注意です。
「加熱式タバコ」に含有されている「有害物質」は以下のようなものがあります。
①主流煙中に含有される代表的な有害物質
・ニコチン…燃焼式タバコとほぼ同レベル
・アクロレイン…燃焼式タバコとほぼ同レベル
・ホルムアルデヒド…燃焼式タバコとほぼ同レベル
・ポロニウム…燃焼式タバコとほぼ同レベル
・アセナフテン…燃焼式タバコの約 3 倍
②呼出煙中に含有される代表的な有害物質
・ニッケル、クロムなどの重金属濃度…燃焼式タバコの呼出煙よりも高い
・PM2.5…燃焼式タバコの呼出煙よりも低いが、通常の大気中濃度の 14~40 倍
・ニコチン…燃焼式タバコの呼出煙よりも低いが、通常の大気中濃度の 10~115 倍
・アセトアルデヒド…燃焼式タバコの呼出煙よりも低いが、通常の大気中濃度の 2~8 倍
・ホルムアルデヒド…燃焼式タバコの呼出煙よりも低いが、通常の大気中濃度の20%高い
①に関して言えば、「主流煙中」ではどの「有害物質」も同レベル以上となっていますね。
また、②に関して言えば、「呼出煙中」では通常の大気中濃度と比べれば数倍から数百倍も差があります。
ですので、モノを燃やす時に発生する「タール」の量が9割以上減っているのは事実なのでしょうが、「有害物質が少ない(??)」から「健康被害は少ない」とか、「受動喫煙における害は少ない」とは言えないのです。
このように呼出煙「見えにくいエアロゾル」の中には、実は、通常の大気中濃度を上回る有害物質があるわけです。「受動喫煙者の健康を脅かす可能性があると考えることが合理的である」と世界保健機構も述べています。
特に、
・呼吸器疾患を持つ患者さん
・冠動脈疾患をもつ患者さん
などにとっては有害な影響がでることが懸念されますので、そのような方が周りにいる場合は特に注意が必要となります。
今まで「副流煙(火のついた先から立ち上る煙)」を気にして外で吸っていたのに『新型タバコ』だから大丈夫!と誤った認識をし、以前より本数が増えたり、「呼出煙」のことを考えず部屋の中でスパスパ吸っていては、せっかく今まで周りのことを気にしていたのに意味のないことになってしまいます。
「紙巻きタバコ」には含まれていない新たな未知の物質も含まれている可能性もあるとも言われている『新型タバコ』。使用者は『新型タバコ』のことを安易に考えず、オトナのたしなみとして知識を持って使用していくべきでしょう。
参考資料:
日本薬剤師会雑誌 May 2019 Vol.71
参考URL:
https://blogs.yahoo.co.jp/ito_pharmacy/69784727.html (タバコは薬だった!?)
https://blogs.yahoo.co.jp/ito_pharmacy/69896884.html (解剖学的嗅ぎタバコ窩)