皆さま
 

占いは、本来、人生の指針として活用するものです。


未来への不安を和らげ、前向きな気持ちを持つために利用する人も多いでしょう。
 

しかし、一部の占い師は相談者の不安につけ込み、精神的に支配することがあります。

 

最近、自称占い師が信者を支配し、ついには命を奪う事件が報道されました。
 

占いがどのようにカルト化し、人々の心を縛るのか?


また、過度な依存を防ぐためにはどうすればよいのか?

 

今回は、事件をもとに、占いが支配に変わる危険性や心理的依存のメカニズムについて解説します。
 

また、カルト化した占いの見分け方正しく占いと向き合うためのポイントもご紹介します。


 

📰 事件報道

 

 

 

 

 

 

大阪府の自称占い師が、信者の男性2人に「命を捨てれば悪いものを取り除ける」とそそのかし、和歌山県の海で入水自殺させました。


この占い師は自らを「創造主」と名乗り、被害者たちは長年にわたって彼女を信じ込み、財産を差し出していたといいます。

 

さらに、遺書を偽造し、事件を「単なる自殺」に見せかける工作も行われました。
 

当初、警察は事件性なしと判断していましたが、別の信者への恐喝事件を捜査する過程で、自殺教唆の疑いが浮上し、逮捕に至りました。

 


1.占いがカルト化する危険性

占い師の助言が、相談者の人生に役立つこともあります。


しかし、一部の占い師は、相談者の不安や弱みにつけ込み、カルト的な手法を用いて支配しようとします。


今回の事件では、以下のようなプロセスが確認されました。


(1)相談者の悩みに共感し、信頼を得る

 

占い師は、最初に相談者の悩みに親身になって寄り添い、「あなたの気持ちがわかる」と共感します。


さらに、「あなたは特別な運命を持っている」「このままだと試練が訪れるが、私が導けば大丈夫」といった言葉で信頼を築きます。
 

(2)霊的な要因を強調し、不安を煽る
 

次に、「悪い因縁がある」「先祖の霊が怒っている」などと霊的な不安を煽り、解決策として特別な祈祷や開運グッズを提案します。
 

(3)高額な祈祷料や開運グッズを求める
 

「特別な祈祷をすれば運が開ける」などと言い、高額な支払いを求めます。
一度支払うと、さらに金銭を要求されるケースが多いです。


(4)占い師を絶対視するよう誘導
 

「この人だけが私の運命を知っている」と信じるようになり、家族や友人の忠告を聞かなくなります。「あなたの家族はあなたの足を引っ張ろうとしている」と孤立させることで、占い師への依存を強めます。
 

(5)最終的に「自己犠牲」を要求
 

「命を捧げれば関係者を救える」といった極端な思想を植え付け、最悪の場合、事件のような結末に至ることもあります。

 



2.心理的依存のメカニズム

 

占い師への依存が進むと、相談者の心理は大きく変化し、日常生活に深刻な影響を及ぼします。

 

最初は「ただの相談相手」だった占い師が、やがて「唯一の頼れる存在」となり、人生のすべてを支配するようになるのです。

 

その過程で、以下のような心理的変化が起こります。

 

(1)占い師の言葉が「唯一の真実」になる

 

依存が進むと、相談者は占い師の言葉を絶対視するようになります。
 

「この占い師が言ったことは間違いない」「他の人の意見よりも占い師の言葉を信じるべきだ」と考えるようになり、自分で判断する力を失っていきます。

例えば、次のような現象が起こります。

  • 日常のあらゆる決断を占いに頼る
    例:「今日はどの服を着るべきか?」「仕事を辞めるべきか?」など、小さなことから大きなことまで、すべて占い師に聞かないと決められない。
     
  • 占いと現実の区別がつかなくなる
    例:「占い師に『あなたは特別な使命を持っている』と言われたから、私は普通の人とは違う」「この人とは相性が悪いと言われたから、付き合いをやめるべきだ」など、占いが人生のすべてを支配するようになる。
     
  • 他の意見を受け入れられなくなる
    例:「家族が『そんな占いに頼るのはやめたほうがいい』と言っても、理解してくれない。やはり占い師の言う通り、私の周りには悪い気を持つ人がいるのかもしれない」と思い込み、孤立していく。

占いが「人生の指針」ではなく「人生のルール」となったとき、すでに心理的依存が始まっているといえます。

 

(2)家族や友人との関係を断ち切る
 

占い師に強く依存するようになると、周囲の人との関係が次第に希薄になります。これは、占い師の意図的な操作による場合が多く、「占いをやめるように言う人は、あなたの成長を妨げる敵だ」と信じ込まされることがあるためです。


具体的には、次のような言葉がよく使われます。

  • 「あなたの家族はあなたの成功を妬んでいる」
  • 「友人はあなたの運気を下げる存在だから距離を置くべきだ」
  • 「あなたの恋人は、前世の因縁で結ばれているが、邪悪な力が働いている」

こうした言葉を繰り返されるうちに、相談者は「占い師だけが自分を本当に理解してくれる存在」と思い込むようになります。そして、家族や友人の忠告を聞かなくなり、次第に孤立してしまいます。
 

さらに、占い師が「あなたが私とつながっている限り、良い運気が流れる」と言うことで、依存がより深まります。結果的に、家族や友人と距離を置いた相談者は、占い師以外に頼る人がいなくなり、支配が完成してしまいます。
 

(3)経済的・精神的に追い詰められる

 

占いに依存するようになると、多くの場合、金銭的な負担が増えていきます。「運気を上げるため」「悪い因縁を断ち切るため」などの理由で、占い師から高額な祈祷料や開運グッズの購入を勧められるからです。

 

例えば、次のような状況に陥ります。

  • 「祈祷をしないと、家族が不幸になる」と言われ、数十万円の祈祷料を払う
  • 「このパワーストーンを持っていないと運気が悪くなる」と言われ、数十万円のブレスレットを購入
  • 「あなたの運勢を好転させるために、毎月の特別セッションが必要」と言われ、毎月数万円を支払い続ける

こうした支払いが積み重なり、貯金を切り崩し、借金にまで手を出すケースもあります。精神的にも、「お金を払わなければ不幸になる」という不安に支配され、ますます抜け出せなくなります。

 

また、金銭面だけでなく、精神的な負担も大きくなります。

  • 未来への不安を煽られ続けることで、ストレスが増大する。
  • 占いが「当たる」か「外れる」かを常に気にするようになり、精神が不安定になる。
  • 「占いに頼らなければならない」という強迫観念が生まれ、日常生活に支障をきたす。

経済的にも精神的にも追い詰められた結果、正常な判断ができなくなり、ますます占い師の支配が強くなってしまいます。

 

(4)占いを受けないと不安になる

 

依存が進むと、占いを受けること自体が「安心材料」となります。
本来、占いは選択肢のひとつに過ぎませんが、依存が深まると、「占いを受けないと不安で仕方がない」という状態になります。

 

具体的には、次のような行動が見られるようになります。

  • 毎日、占いをチェックしないと落ち着かない
  • 悪い結果が出ると、その日は何もできなくなる
  • 占い師に相談しないと、大事な決断ができない
  • 「占いの結果が悪かったから出かけない」といった行動の制限が生じる

こうした状態になると、もはや「占いが趣味」ではなく「生活の一部」になり、抜け出せなくなってしまいます。

 

次のような特徴があれば要注意です。

✅ 占い師が「絶対の答え」を押し付ける
✅ 高額な支払いを要求される(祈祷料・開運グッズ)
✅ 「他の人に話してはいけない」と言われる
✅ 占いを受けないと不幸になると脅される

 

 

3.占いと正しく向き合うために

 

神占に携わる「中の人」の立場から謹んで申し上げます。

 

強要や押しつけがましい言動を繰り返し、相談者を心理的な依存に誘導するなど人の道、神の道から外れた行いです。

 

占いはあくまで「人生のヒント」として活用するものであり、「人生の決定権」を委ねるものではありません。


冷静に利用し、占いに依存せず、自分の意思で行動することが何よりも大切です。

 

重要なポイント

  • 占いの結果は「可能性のひとつ」として捉える
  • 1人の占い師に依存せず、複数の視点を持つ
  • 高額な支払いを求められたら、一度立ち止まる
  • 家族や友人の忠告を無視しない

もし、過度に占いに依存していると感じたら、信頼できる人に相談しましょう。


また、詐欺的な占いの被害に遭った場合は、消費者センターや警察への相談も検討してください。

 

大切なのは、占いに「支配される」のではなく、自分の人生を「自分で決めること」です。

 

文責:はたの びゃっこ

 

 

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