皆さま
霊能力に関する話は、現代でも興味を引くテーマの一つです。特に「霊が視える」「霊的な感覚がある」といった体験は、多くの人が一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
しかし、霊的な力とは本来どのようなものであり、それを持つ者の宿命とは何なのでしょうか。
私は巫師(ふし)として、数多くの霊的な事象に関わってきました。
祓いや供養のために祝詞を奏上し、人々の運命を暦の流れから読み解くことを生業としています。
そんな私の視点から言えるのは、霊能力は単なる力ではなく「宿命」であり、持つ者には責務が伴うということです。
霊感・霊能・霊媒体質の違い
霊能力にはいくつかの種類があり、それぞれに異なる特徴があります。多くの人が混同しがちですが、霊感と霊能、そして霊媒体質は本質的に異なるものです。
1. 霊感とは何か
霊感とは、霊的な存在や気や想念のエネルギーを「感じる」能力のことを指します。これは、常に霊が見える・聞こえるというものではなく、直感的な感覚として現れることが多いのが特徴です。
霊感を持つ人の特徴
- 特定の場所に行くと急に寒気を感じる。
- 誰もいないはずの部屋から気配を感じることがある。
- 事故や災害の前に、強い不安感を覚えることがある。
- 夢の中で亡くなった親族や知らない人が出てきて、後にそれが現実となる。
こうした感覚は、霊的なエネルギーを無意識のうちに受け取っているために起こります。
私も幼少の頃からこの感覚を持っていました。例えば、夜になると決まって部屋の隅が気になり、そこに何かがいるような感じがしていました。
その場所には、後に家族が拾ってきた古い骨董品が置かれていたことがわかり、神社で祓ってもらったところ、急に空気が軽くなったのを感じました。
霊感とは、「第六感」の延長線上にあるものであり、必ずしもすべての霊的な存在を明確に認識できるわけではありません。
しかし、それを研ぎ澄ませていくと、霊能へと発展することがあります。
2. 霊能(れいのう)とは何か
霊能とは、単に霊的な存在を感じるだけではなく、霊と交信したり、霊的エネルギーを操ることができる能力のことを指します。
霊能者と呼ばれる人々の中には、「視えるだけ」ではなく、霊と対話し、供養を行い、時には祓いや浄霊を行う者もいます。
霊能者の特徴
- 霊が視える、または話ができる。
- 亡くなった人の魂の情報を得ることができる。
- 霊を鎮める供養や祓いを行うことができる。
- 夢や瞑想の中で、神仏や霊的な存在から啓示を受ける。
霊能を持つ者は、ただの「視える人」ではなく、霊的な存在と関わる使命を持って生まれています。
しかし、この力を誤った使い方をすると、逆に霊的な存在に取り込まれてしまう危険があります。
私が経験した中で特に印象深いのは、ある男性の除霊を行ったときのことです。彼は、数年前に亡くなった祖父の霊が家の中を歩き回るのを感じるようになり、次第に家族全員が奇妙な体験をするようになったと言いました。
私が彼の家を訪れた際、明らかに「そこにいる」とわかる圧を感じました。祝詞を奏上し、霊を鎮めたところ、家の雰囲気が一変しました。その後、彼の家族は何事もなかったかのように平穏な日々を取り戻しました。
霊能とは、強い責任を伴うものです。軽々しく扱えば、霊的な存在に操られ、自分自身の命を縮めることになります。
霊媒体質とは何か
霊媒体質とは、霊が憑依しやすい体質のことを指します。
これは、本人の意志とは無関係に霊が寄ってきてしまうため、時として非常に危険な状態を引き起こすことがあります。
霊媒体質の特徴
- 突然、気分が沈んだり、情緒が不安定になる。
- 金縛りに頻繁に遭う。
- 他人の感情に強く影響されやすい。
- 事故や病気が続く。
霊媒体質の人は、自分の霊的なエネルギーを守る術を持たなければ、知らず知らずのうちに霊に影響されてしまいます。
私が相談を受けたある女性は、家族が亡くなった後から「誰かが家の中を歩く音がする」「夜になると異常な眠気に襲われる」と訴えていました。
これは、彼女自身が霊的な影響を受けやすい体質であるために起こっていた現象でした。私は彼女に、定期的な祓いを行うように勧め、また、塩や清めの方法を教えました。それ以降、彼女は「以前よりもずっと楽になった」と言っていました。
霊媒体質の人は、自分の波動を強く保つことが何よりも大切です。日常的に神社に参拝したり、清めの方法を実践することが、自己防衛につながるのです。
霊能力と宿命
霊能力を持つ人は、前世や家系の宿命を背負っていることが多いです。私の家系も、代々神々を祀る家系であり、幼少の頃から霊的な影響を強く受けてきました。
霊能力とは、決して遊び半分で扱うものではなく、「神々から与えられた責務」なのです。そのため、本来持っていない者が軽々しく扱おうとすれば、低級霊に取り込まれる危険があります。
霊能力を持つ者は、それをどのように活かすかが試されています。安易に扱うことなく、その力を正しく理解し、必要な場面で使うことが求められます。
「力を使う前に、その意味を理解する」── 霊能力には利他心が不可欠
霊能力を持つ者にとって、最も重要なのは 「その力を何のために使うのか」 ということです。
霊能力は決して「個人の欲望を叶えるための道具」ではなく、「人々のために働く責務」を伴うものです。つまり、霊能力とは、単なる超常的な才能ではなく、「試される力」なのです。
☆霊能力を利己的に使うとどうなるか
霊的な力を持つと、多くの者が「この力を使って自分の願いを叶えたい」「他人を思い通りに動かしたい」と考えてしまいます。しかし、これは非常に危険な考え方です。霊能力を利己的な目的で使うと、必ず自分に跳ね返ってくるのです。
(1)呪術や念を使って人を操ろうとすると、自分が呪われる
呪いや念は、相手に向けた瞬間、自分自身にも反作用します。これは「因果応報」の法則によるものです。
例えば、「あの人を不幸にしたい」「この人を自分の思い通りにしたい」といった負の感情をもとに呪術を行えば、それは必ず自分の人生に悪影響を及ぼします。
(2)金銭や名声を得るために力を使うと、霊的な守護を失う
霊能力を金儲けや名声を得るための道具として使う者は、長く持ちません。
一時的に成功したように見えても、やがて守護霊や神仏の加護を失い、精神的にも肉体的にも衰えていくのです。
実際に、商業的な霊能者の中には、晩年に重い病に倒れたり、精神を病んだりする例が後を絶ちません。
(3)霊的な力に溺れると、「魔」に引き込まれる
「私は特別な力を持っている」「人よりも優れた存在だ」と思い始めた瞬間、その者は霊的な世界において「魔」の領域に足を踏み入れます。
こうなると、自分が霊を操っているつもりが、いつの間にか低級霊に操られている状態になります。
私の知る霊能力者の中にも、かつて神仏に仕えていた者が、次第に己の力に酔い、「自分は何でもできる」と思い込んでしまった結果、精神を病み、最終的に命を縮めた例があります。
霊能力とは「貸し与えられたもの」であり、決して「所有するもの」ではありません。
☆霊能力は「利他的に使うことで力を維持できる」
逆に、霊能力を「人のために使う」ことで、その力は浄化され、正しく維持されます。
神仏が霊的な力を授けるのは、その人に「人助けの使命」を持たせるためであり、自己満足のためではないのです。
☆霊能力を正しく使うための心得
(1)「自分のため」ではなく、「人のため」に使うことを心がける
霊的な力を持つ者は、自分の願望ではなく、困っている人を助けるために力を使うべきです。
✔ 霊障に苦しむ人を助ける
✔ 亡くなった人の魂を鎮める
✔ 人の運命を良い方向へ導く手助けをする
(2)「力を誇示しない」── 力は見せびらかすものではない
真の霊能力者ほど、自分の力をひけらかしたりしません。それは、「力を誇示すること自体が、神仏への不敬に当たる」ことを知っているからです。
✔ 「私には視える」「私には特別な力がある」と言いふらさない。
✔ 本当に必要な場面でのみ、力を使う。
(3)「神仏への感謝と謙虚な心を忘れない」
霊的な力は、自分自身のものではなく、神仏からの「貸し与えられたもの」です。そのため、常に神仏への感謝を忘れず、「自分はあくまでも神の使い手である」という謙虚な心を持つことが重要です。
✔ 日々、祈りや感謝の念を捧げる。
✔ 力を使った後は、必ず清めを行う。
☆霊能力を正しく使う者と、間違った使い方をする者の末路
霊能力を正しく使う者は、神仏の加護を受け、人生が安定していきます。困った人々を助けることで自身の徳を積み、精神的な安定を得ることができるのです。
一方で、霊能力を誤用する者は、次のような末路を迎えます。
❌ 力を誇示し、他者を支配しようとする → 自分が低級霊に支配される
❌ お金儲けのために霊能力を使う → 霊的な力を失い、生活が破綻する
❌ 自分の欲望を満たすために霊能力を使う → 精神的なバランスを崩し、人生が破滅する
実際、私が知るある霊能力者は、「私は霊を操ることができる」と豪語していました。
しかし、その人は最終的に「見えない何か」に取り憑かれ、自らの意思とは関係なく、毎夜、悪夢に苦しむようになったのです。
神仏の加護を失った霊能力者は、低級霊や邪悪な存在に引き込まれ、やがて力を失い、最悪の場合、命を落とします。
霊能力とは、単なる超常的な力ではなく、「どう使うかを試される力」です。
✔ 霊能力は「貸し与えられたものであり、所有するものではない」
✔ 力を持つ者は、「利他的な目的で使うことで、力が安定する」
✔ 霊能力を「私利私欲のために使うと、神仏の加護を失い、最終的に破滅する」
「力を授かった者は、それをどう使うかによって、人生が大きく変わる」
これは、私自身が長年の経験の中で痛感したことでもあります。霊能力を授かった者は、それを誤った方向へ使わないよう、常に慎重であるべきなのです。
「利己ではなく、利他のために使え」
この心得を忘れた瞬間、その者の霊能力は、試練へと変わるのです。
霊能力は「宿命」であり、「責任」が伴うものです。安易に憧れたり、軽々しく口にするべきものではありません。
「霊の世界に足を踏み入れるということは、相応の覚悟が必要である」
このことを、忘れてはなりません。
麗月 謹上再拝
以下の過去記事を読んでいると本記事の理解がはかどります。
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