皆さま

 

私たちが修行時代を通じて通っていた神社をご紹介いたします。神社庁に所属の神社ですが、「巫師養成所」としての顔も持っていたところです。私たちはこの神社で神職としてのキャリアをスタートさせました。

 

よろしくお付き合いくださいませ。

 

 

龍王神社(愛媛県)

所在地:愛媛県西予市野村町大野ヶ原
祭神:八大龍王、豊玉姫命

 


由緒:創祀は1655年とも言われる。

 

その昔、土佐の米商人の娘・小松が、父が財産を増やすために不正を行っていることを知り、悲しみのあまり池に身を投じた。 その後、小松は龍となり、池の主となったという伝説が残っている。


また、龍王神社の開山者略歴にはこうある。

 

開山者福田宗八先生は明治17年7月2日川部村北平に生まれる。三十年間教職に従事、退職後当山において神の霊光を受け、神命により人助けの道に入る。昭和三年4月当霊山に龍王神社を建立する。以来奇跡を生み続け、御神力を求めて集まる者は数知れず、信者は広く県外にまで及んでいる。昭和19年4月18日62才を以って昇天。
その後女婿今城正森氏が二代目宮司として継承する。
現在、当神社は龍神の総本山として、また西四国山岳宗教の雄として発展をしている。



龍王神社の鳥居と拝殿

私たちにとって、標高1100m~1400mの高原に続く、全国屈指の石灰台地四国カルストにある大野ヶ原の龍王神社は、共に修行をし、資格試験を受けて合格し、神職としての第一歩を踏み出した故郷でもあります。

現在は高速道路の延伸により、松山から一時間半もあれば到着できますが、以前はイノシシや猿の出没する悪路を通って三時間はかかりました。


修行時代には龍王神社の拝殿に籠もらせていただき、神さまからの「神籤(みくじ)」を降ろす訓練をしたものです。

 

拝殿内で修行中

 

毎年の大祭(5月18日)の時には、出店もずらり並びますが、普段は風の音と牛の鳴き声しか聞こえないまさに牧歌的な雰囲気の場所です。遠くから狐の鳴き声が聞こえることもあります。


ご祭神は八大龍王、豊玉姫命という風に神仏習合です。ここでは龍神様を熱心に信仰してきた方に突然みくじが下がるという不思議な体験が発生することがあります。

そのことがきっかけで、龍王神社の門をたたき、やがて神に仕える仕事についた方も数多くいらっしゃます。

 

拝殿内にはそうやって、神に仕える身になっていった人たちの写真も飾られています。

 

ただ、ここはいろんな秘法や秘術を人から教えてもらうのではなく、直接龍神様から授かるという霊験あらたかな所でもあるのです。

 

自分の身を以て神霊的エネルギーを感得したり、スピリチュアルな感受性を自発的に磨いていくモチベーションの高さがなければ、免許皆伝とはなりません。

 

私たちは事前に師の許可を得て、泊まりがけで何度も拝殿に籠もり、静寂の中での瞑想、祝詞奏上などの「自主トレ」を繰り返しました。
 

私たちの場合、当時の四代目宮司であったお師匠様の指導によって修行に入ったのがきっかけです。

 

修行中に師からいつも言われたことは、「おまえは頭で考えすぎだ。何も考えずに馬鹿になって拝むことだけに集中しなさい。」という言葉でした。

 

頭(mind)で神事を理解するのでは不十分であり、体感すること、心の奥底(soul)で神を感じ取ることを厳しく指導されました。

 

まず「頭」や「知識」を外して、肌身で感じ、直感を働かせることを優先しなさいと言うことです。

これはスピリチュアルな感受性を育むためにも重要な条件であり、肉眼に惑わされずに、心の眼、すなわち直感的にひらめいたこと、身体で感じたことの方に重きを置くという指導方針でした。

 

霊媒体質者の場合、神降ろし、口寄せ、神占などの訓練を行い、シャーマニックな素質を磨いていくことになります。


私たちの師の代では、龍王神社は「巫師養成所」の機能ももっていて、年に二回、全国に散らばっている巫師たちが集結してきて「巫師祭り」を執り行っていました。

 

 

師自身も霊能者であり、通常の感覚では感知できないモノが「見える、聞こえる」人としても有名な方だったので、己の霊力を高めようと志す修行者たちが噂を聞きつけて集まってきたのです。

 

おまけに、新参者には念のくれ合い、飛ばし合いの洗礼も待ち受けています。それをはね返さなければ、多くの先輩巫師からいつまでもヒヨコ呼ばわりされ、白眼視されます。

 

そういう意味では、誠に恐ろしい試練が待ち受けていたのが「巫師祭」だったのです。

 

代が替わってからは、養成所的なことはやっていないと聞いています。


さて、龍王神社を探訪したい方のために案内をしておきます。ご神殿の裏には小松ヶ池という池があります。カルスト地形のドリーネという窪地に水がたまってできた池です。

 

伝説の地、小松ヶ池

 

この池の水は決して枯れることはありません。ここの湧き水を飲めば、病気平癒の御利益があるといわれています。

 

この池には龍神様(白龍様)がいらっしゃるのが霊的な感受性の強い人なら分かるはずです。そのパワーをいただくために、密かにこの神社を訪れる修行者も大勢いました。


小松ヶ池の中央には浮島があり、これが池の中を移動しています。池には龍神様のエネルギーが満ちあふれています。

 


小松ヶ池参拝所 手前には龍頭から水が流れており、後方には浮島がある

 

龍王神社の近くには古くからの行場(お滝行)があり、熱心にお滝行を行えば、龍神様のお姿を見られるとも言われています。ただし、これ以上の情報は部外秘なので残念ながら場所を教えることはできません。


2006年8月9日、私たちの師匠が帰幽されました。弟子である私たちも葬儀に参列しました。享年68歳は、まだ若いと思います。


恩師はふだんはとても優しく穏やかな方だったのですが、仕事の時の眼光は鋭く、指導は厳しかったです。私たちの神職としての道を開いてくださった方でした。


今の私たちにできることは、師から受けた教えを大切に守って、この道の後ろを振り返ることなく、前を向いて進んでいくことです。

 

境内の祠 龍の持つ玉を象徴した水晶を中心に、左手には龍神様、右手には蛇神様の像が置かれている お供えの卵が祠の下にたくさん供えられていた

 

その後、私たちは龍王神社から独立して、神職として本格的な活動を始めました。四国では神社や寺院で修行してから免許皆伝となり、個人で活動することは珍しくはありません。
 

それでも、自分たちの原点とも言えるこの神社で修行にいそしんだ時代を忘れることは決してないでしょう。

 

なお、巫師麗月チャンネルには、龍王神社に伝わる独自の祝詞「十種神宝祝詞」の音声サンプルが収録されています。

 

 

巫師麗月チャンネル

 

 

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