皆さま

 

猫が神格化されたお宮が徳島県にあります。

 

化け猫伝説から流行神へ転化したところです。

 

今では猫好きの聖地となっていますが、非業の死を遂げた飼い主の敵討ちをした愛猫・三毛の話から、 勝負事、願い事の神様として知られ、受験シーズンには合格祈願の参拝客でにぎわいます。

 

よろしくお付き合いくださいませ。

 

 

お松大権現

所在地:徳島県阿南市加茂町不ケ64-1




私たちが四国霊場八十八カ所を巡礼していたときに、たまたま通りがかったお宮がありました。

 

とても印象に残るお宮でした。それがお松大権現です。神仏習合の特徴を残しています。

 

お松大権現の拝殿

 

巨大な招き猫が一の鳥居横に設置されているので、とてもよく目立ちます。

 

お松大権現は、有馬鍋島などの怪猫伝と共によく知られています。

 

ですが、お松権現のご由緒には、とても悲しい物語が残っているのです。



時は天和年間(1681-1684),賀茂村(現阿南市加茂町)の庄屋惚兵衛さんは不作続きで赤貧の村を救うため,私有地であった田地五反を担保にして,近在の富豪,野上三左衛門から,お金を借りていました。返済期限も近づき,惚兵衛さんはちょうど通りがかりの三左衛門にばったり合って,その場でお金を返したのですが,通りがかりゆえに証文を受け取っておらず,間もなく病死しました。
 

惚兵衛さんの死後,その妻であるお松さんが何度も三左衛門に証文を渡すように請求しましたが,三左衛門はお金は受け取っていないと嘘をつき,とうとう担保の五反田地も横領されてしまいました。お松さんは思案の末,奉行所に訴えました。ところが奉行長谷川越前守は,お松さんの佳麗な容姿にすっかり心を奪われてしまい,取り調べの時に「これ!お松,もっと近う近うよれ。余はそちが愛おしうてならぬ」とお松さんを自分のものにしようとしたのです。下心いっぱいの奉行の手を振りきり,彼女は渾身の力で奉行を突き放しました。お松さんに拒否された奉行は逆恨みの念を抱き,また三左衛門から賄賂をもらっていたため,三左衛門に加担して非理非常な判決を下してしまいました。
 

お松さんは奉行や三左衛門の悪行に耐えかねて,死を覚悟して抗議しました。その方法は藩主への直訴です。貞享三年(1686年)正月,藩主の行列の前にお松さんは飛び出して,真実を直訴しました。この当時,藩主や大名に対する直訴は,その是非に関係なく死罪でした。ただちにお松さんは捕らえられました。
 

同年3月15日,お松さんは日頃から可愛がっていた猫,三毛に遺恨を言い含め,猫と一緒に処刑されました。お松さんには子どもがなく,我が子のように三毛を寵愛していました。三毛はいつもお松さんのそばを離れず,この事件の真相を見つめていた唯一の生き証人(猫)でもあったのです。
 

その後,三左衛門,奉行の家に化け猫が出現するようになり,失脚,変死,病死など家人に怪事異変が相次いで,遂に両家は滅亡してしまいました。

(お松大権現の資料館より)

 

誰に頼ることもなく,ただ一人で正義への限りない執念に死をも恐れずに貫き通したお松さんの悲しい生涯。

 

その美徳を偲び,やがてお松さんの墓所にお社が建てられました。安永2年(1773年)には「義理権現」という名称が使われ,村人たちの崇拝の対象となっていたようです。

 

三毛を祀る社


現在では,社殿には約1万体もの招き猫が奉納され,訴訟必勝,受験合格,選挙当選,スポーツ必勝など勝負事の神さまとして人々の崇敬を集めています。

 


約1万体の招き猫

 

四国には、蛇、犬神など憑霊現象にまつわる神様が祀られていることが多いのですが、猫神を祀るお宮はここしか知りません。


境内には由緒から伺えるような怪しいエネルギーは出ていませんでした。そもそも、お松さんと三毛を偲んで建てられたお宮なので、十分に鎮魂がされています。

 

むしろ、「勝負事の神様」としての御利益があると言うことで、徳島県内にとどまらず県外からも参詣者は多いようです。

 

祟り神は、それが転じて福の神にもなります。日本の神が持つ二面性がよく表れています。
 


以前、徳島にいたことがありますが、受験生がここのお守りを持っていたを思い出しました。自分の実力が最大限発揮できて、見事合格できれば、必ず神さまへご報告とお礼参り(願解き)を忘れないようにしていただきたいものです。

 

願掛けと願解きはワンセットです。心願成就の報告のために参拝されるときには、感謝の気持ちを忘れないようにしてください。

 

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