皆さま

 

つぎに、神社参拝の作法についてお話しいたします。

 

これも基本的な内容になりますが、最近は神社で合掌したり、境内でものを食べたり、大声で談笑したり、聖域でのマナーが守られていない様子を目にすることもあります。

 

神さまと向き合うときの礼儀作法について、ここでもう一度確認しておきましょう。

 

よろしくお付き合いくださいませ。

Q.神社におまいりに行く場合の作法を教えてください。
 

A.最初はごあいさつですね。引っ越してその土地に住むようになったときなどに行くものです。願いごとをしたいという場合でも、少なくとも最初はとりあえずごあいさつです。いきなり一回めで願い事をするのは礼儀にかないませんから。


鳥居をくぐるときに一礼してくぐります。次に手水舎で手と口をすすいで清めます。ただ、困ったことにあれがまたちゃんと機能していないところも最近あったりしますね。水が枯れているとか、そういうところはだめですね。
 

不幸にしてそれが氏神様だったら、自分でちゃんと手と口をすすぐ水を持っていくしかないですね。自宅で手を洗っていっても向かうまでの間に穢れますから。鳥居をくぐって神社に入ってから清めることが大事です。
 

作法はまず杓を右手で持って、左手を洗います。次に持ちかえて、今度は右手を洗う。また持ちかえて、口をすすぎます。最後は勺をすすいで、ちゃんと洗って返しておきます。
 

次に正面に進んで参拝です。まずお賽銭ですが相場はないので、自分の気持ちでいくらでもいいのです。硬貨でもいいし、お札を入れたければお札を入れてもいいですし。
 

Q.多ければ多いほど、神様は喜んでくださるということはあるのでしょうか。
 

A.そういうことはないです。お気持ちの問題だからです。お金がないのに無理して払う必要もありません。
 

お賽銭を入れて鈴を振って、その後、二礼、二拍手、それで祈る。そのときに最初にその神社に行ったのであれば、まず「あいさつ」をします。どこに住んでいる何という名前の人間かということをまず自己紹介してください。住所、氏名、生年月日を心の中でいいから唱えます。
 

これは初対面のあいさつですから、最初にその神社にいったときには礼儀となります。こういうものです、よろしくお願いしますと。それが終わったら、一礼して終了です。鳥居を出るときは、また一礼します。振り返って。お尻を向けて、そのまま帰るのでなくて。そういうところで、神との関係というか、目に見えないものとの関係を意識するということですね。
 

Q.出雲系だと四拍手ですね。それは郷にいれば郷に従えで合わせればいいわけですか。
 

A.その場合はその神社の様式に従います。出雲大社では、2回礼をして、4回柏手を打ち、最後に1回礼します。

 

この4という数字には「四季=春夏秋冬」、「四方=東西南北」つまり四方八方を守護する神さまに敬意を示す行為になります。

 

出雲大社では毎月行われる例祭の時には「八拍手」しますが、普段は「四拍手」という作法になります。四方八方の方角に神さまを意識するというのは、陰陽道の祭祀とも共通していますね。方位方角を重視する。

 

Q.横のほうにお稲荷さんとか、ほかの荒神さんとかが祀ってあるときがありますね。
 

A.摂社といいます。気になるのだったら、そこにもちょっと手を合わせていけばいいです。絶対に一通り合わせなければいけないというルールはありません。
 

本当に一番真ん中にあるところをお参りするのが基本ですから、摂社を素通りして失礼ということにはなりません。念入りに拝みたいのなら、一つずつご挨拶なさってもかまいません。

Q.あいさつではなく、祈願に行くときも作法は同じでよいでしょうか。
 

A.願いごとをしにいったときは、二礼ニ拍手の後、「こういうことを私は今望んでいます、どうかお力をお貸しください」など、そういうふうに願いごとを念ずるわけです。


前にも述べましたが、実際に私たちの願いをかなえてくれるのは、神の使いである眷属とか式神といった「お使い」です。神道の神は基本、自然神であって、ただ感謝すべき存在ですから、願い事をするのは筋違いです。
 

ですから、祈り方としては、たとえば稲荷神社にお参りに行ったときには「稲荷大神様、ならびにそのご眷属様に謹んで申し上げます」と心の中でいうのです。主祭神の名称を挙げ、しかる後に眷属に願いを伝えるという順序でしょう。

願い事はどんなことを願ってもいいのですが、場所によっては、そこの神社の効用というか、御利益みたいなのが決まっていることがあったりしますから、そういったところで多少なり影響を受けるところはあると思います。しかしとりあえずは、基本的に氏神様・産土神様はその土地に住まわせてもらっている神様なので、そこでお願いごとをするのであればしてよいのです。

そして一番大事なのは願いがかなったらお礼参りをするということです。お願いごとをするということは、かなった場合の対応というか、こちらの態度が問われるから、必ずお礼参りには行ってくださいということを強調したいのです。今の人はそれをやらないから困るのです。

Q.遠方の有名な神社に参拝に行ったときはどうすればいいでしょうか。
 

A.その場合はもうごあいさつの後、お願い事があるならしてもいいでしょう。それで願いがかなったら、もう一度そこを訪れてお礼参りをするということでしょうね。
 

参拝は普通の参拝の作法と一緒でいいです。「ありがとうございます、おかげさまで願いごとがかないました」とお礼を言いに行く。感謝の気持ちを形にしたいのなら、お供えとか、玉串料とか、寄付してもいいし、鳥居を奉納するとかでもいいでしょう。感謝の気持ちのあらわし方というのは、神社によっていろんなやり方があります。その人の身の丈に合ったものでいいのです。
 

Q.結構な額のお金をそのままぽんと賽銭箱に入れている人がいますが、それでいいのでしょうか。

A.本来的には包んで名前を書いたものを寄進という形で社務所などに持っていくのがいいと思います。高額なお金を封筒に入れて無記名で賽銭箱に入れる人もいますが、神社の人がびっくりしてしまいますよね。まあ名前を知られたくないというのならそれでもいいのですが。



Q.願掛けの具体的な方法について、再度ご教示いただきたいのですが。
 

A.コースがいろいろあります。七日間が一番短くて、次いで二一日間、三五日間となります。一番長いのは百日間コースです。まず何月何日から開始で、ゴールが何月何日に来ると決めます。最後の日は「満願成就の日」といいます。

願い事は1回につきひとつです。たとえば七日間なら一つの願いについて7日間です。それが終わったら、次のBという願いについて七日間というふうに、ひとつの願いごとに絞ってやります。

 

あれもこれも望むものではないのです。気持ちが拡散してしまうだけですよ。クレクレ参拝にならないように注意してください。

それから、神社に行って「今日から願掛けをします」ということを報告します。そして願掛けの間はもちろん毎日拝むのです。神社に参拝に行く場合は、毎日行くことになりますが、注意したいのは拝んでいる姿を人に見られてはダメなのです。
 

見られると、昔から「願がほどける」というのです。人に見られると人の思いが干渉するわけですよ。じゃまされることもあるのです。たとえば人が見て「この人、何をしているだろう」と思うだけで、攪乱されてしまうのです。見られたとか、気づいたら、それだけでこっちも気が散ります。
 

だから、願掛けというものは、人に見られない時間帯に行かないといけません。夜間とか早朝とか。
 

それがどうしても難しいのであれば、このようなやり方でも結構です。まず1日目は社務所を通して祈祷をしてもらう。祈祷受付をして、こういうお願いをしたいといって、拝殿に上がって拝んでもらうということです。
 

そこで御札をもらってきて、あと残りの日は家でその御札を拝むのです。
 

Q.願掛けをする姿は家族にも見られないほうがいいのでしょうか。
 

A.家族も同じ願いを持っているのだったら、一緒にやったほうがいいと思います。

 

集団念力になるからです。でも、家族は知らないというか、個人的なことに関係することであれば、一人で行います。単独行動を取って見られないようにします。


 

Q.祈願に行く神社は、氏神様でいいのでしょうか。
 

A.もちろんそれでもいいし、あとは自分の崇敬神社ということでもいいのです。神社はそれぞれの効能というのが違ってきます。神社の由緒書きなどを読めば、どの神様を祀っているのか、どんな効能を持った神様なのかはすぐわかります。
 

もし氏神様の持つ効能が自分の願いごとと合っていない場合は、氏神様にこだわらず、その願い事を「得意」とする神様を探したほうがいいでしょう。後で述べる「自分に合った神様の探し方」を参照してください。

 

新年度に入り、異動もあって引っ越しされた方もいらっしゃるでしょう。新しい土地での生活をスタートさせるときに、産土神様へのご挨拶に行ってみられてはいかがでしょうか。

 

 

 

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