皆さま

 

人の意識の拡張プロセスについては、これまで何度かふれています。トランスパーソナル心理学の観点をベースにした「意識の地図」です。

 

今回は、この意識の性質についてお話しします。

 

よろしくお付き合いくださいませ。


Q.個人の意識と宇宙的な意識の相関図についてなるべく簡単に説明していただけますか?

 


A.まず真ん中に自我とあります。これは自分の意識の中心なのです。これは物質の次元の中にあるから、脳とか、身体によって規定されています。普段「これは私だ」と思っているものですよ。


その外側に「気の次元」というのがあります。これは周りを取り囲んでいるわけです。もしも肉体がなくなった場合は、気の次元、つまり「霊的肉体」という形になります。たとえば、臨死体験をしたときに、自分の状態、霊的肉体を見たという人はきわめて多くいますが、そういうものは気の次元の自分の姿とか、人の姿を見ているのですね。


その外側にあるのが、「アストラル意識」の次元と言っているもので、それがいわゆる「想念体」です。そこにはいろんな人の意識が集まっている。前述した「集合意識」です。

c70916cc5e89dace7396a83d284a7f63_f8fd2be52acc5d0


さらにそれを囲む「コーザル次元」があります。「コーザル意識」というのは、簡単にいえば「悟りの次元」なのです。完全な物質と精神の「相関現象」が起きるというか、神とか、仏と呼ばれている世界で、善とか、悪とかも超越している。そういう次元の意識なわけですが、そこに到達できる人は地球上でほんの一握りです。そこまでいってしまったら、脳とか、魔界とか、天国とか、そんなものは関係なくなります。

 

そもそも「善」や「悪」という概念は人間が社会的な活動を行う上で作ってきた規範がもとになっています。自然は創造し、育む力と破壊し、消し去る力をもっていますが、それも人間の側からみて都合の良いことは「善」、不利益になることは「悪」と考えられるようになりました。

 

やがて、人間の道徳的に許されない行為(騙す、嘘をつく、約束を守らないなど)に対し、神や自然が罰を下すという信仰が芽生えるようになり、宗教に発展していったと考えられるのです。

 


Q.さっきの話に出た巫師の人は、一時的にここに上がったわけですね。
 

A.そうです。そこまで瞬間的に広がって、また縮むのですね。いつも拡張したり、縮んだりしているのが、我々の意識の状態ですから。意識は一定ではなく、常に揺らいでいるということです。


私たちが普通に生活している分には、物質の次元にとどまる(縮んでいる)か、せいぜい霊的肉体レベル、気の次元レベルです。多少拡張したとしても気配を感じるとか、そのぐらいです。精神的なものを一切否定する唯物論者だと、物質の次元しか信じないから、この次元だけで物事を考える。物質の次元しか見ないのです。


意識が拡張するときというのは、たとえば修行をしているときなどですね。意識というものは拡張すればするほど、いろんな人とか、光の世界とか、魔界とかいろんなものが見えてくるのです。そういったようなものと遭遇できるような神秘体験が出てきたりもします。これまで自覚できなかったものに気づくようになるのです。
 

Q.意識場というのはそれぞれが自分のものを形成しているということですか。
 

A.図では自分を中心にしていますが、他者Aさん、Bさん、Cさん、Dさんと、それぞれの人がそれぞれの意識場を形成しており、それが自分と関わってくる。それぞれが意識場を持っていて、その中で混じり合って生きているわけです。
 

たとえばこの図でAさんが私に向かって、いい思いにせよ、悪い思いにせよ、何か思いを持っている。相手が私のことを思っていたら、相手の意識がこちら側に入ってくるのです。にじみ込んでいるわけです。それが「思い」であり、「アストラル」であり、「想念」なのです。


だから、そばにいる人がどんな人かによって、当然いろんな影響を受けます。Aさん、Bさん、Cさん、がみんな、ネガティブな思いを自分に持っていたら、それは当然ながら病みますよ。それは物理的なことだけではなくて、こういうアストラルの次元で病んでしまいます。


Q.全員で上司の悪口を言う職場ってありますね(笑)。
 

A.もしも全員から不平不満をもたれ、恨みを買っている上司がいたとして、そうすると、防御・守りの力が働いていなければ、その上司は確実に病んできます。みんなで上司の悪口を言っていると、確実に上司は病みますよ。そういう職場は最悪で、みんながそうやって邪気を表面に出していると雰囲気も重くなります。そういう「空気感」ならだれでも感覚的に分かりますね。


この図では上位というのがポジティブ(な想念)、下位がネガティブ(な想念)です。ネガティブをどんどん極めると魔界的意識場、つまり呪いの世界になります。

 

「地獄に墜ちる」という体験もこの中に入ります。闇の体験です。つまりろくなことが起こらない。毎日が生きていて最悪の出来事ばかりですよ。食うにも困るとか、人とのトラブル、事件、事故には巻き込まれるわ、病気はするわといった感じで。

 

まさにこの世は「生き地獄」となります。


またこの図には生きている間のことだけではなく、死んだあとの体験も入っているのです。意識場というのは生きている人だけのものではありませんから。この図は肉体を持っていない人、いわゆる死んだ後にどうなるかということもあらわしているのです。そうすると、いわゆる地獄に行くとか、煉獄に行くとかというのは、自分の意識がどっちに近づいていこうとするかという問題なのですね。神仏が裁いたりするのではなく、自分で自分の進む道を選択しているということです。


もし、上昇志向であれば、上ばかり拡張します。逆にネガティブにしか考えられない人は、下のほうばかりに広がります。


これがさきほどいった「私たちの意識は、個人の境界を超えた情報の集積されたシステム」というところにつながる。つまり「個人の概念」というのを根本的に見直そうということなのです。皮膚で包まれたもの、そこに押し込められたものが個人なのかというと、それは違うのです。
 

それは最近の物理学者とか、科学者なんかも同じことを言っています。ディーン・ラディンという超心理学者がいますが、この人がレビューしている論文などに出てきます。装置を使った実験とか、そういうものの実験データの積み重ねで、やはり「意識」というものは、「集合的なレベル」という局面もあるのだということがだんだんわかってきたのです。個人の肉体の中に押し込められたものとは限らないと。

Q.個人の意識はお互いにどのように関わっているのですか。


お互いが「同期」しているということです。同期という言葉は、情報工学、ITなどをやっている人などにはおなじみでしょうが、周期やタイミング、内容を同一にそろえることをいいます。私たちが普段使っているPCやスマホに入っているデータをクラウドと「同期」させるという言い方をします。ネット上のコミュニティで行われているやりとり、コミュニケーションも意識が共有される場になりますね。


意識の中で起こっていることというのは、実はこれと同じことなのです。同期するとか、同調する、それはいわゆる「波長が合う」ということです。お互いの意識のコミュニケーションと考えてもよいでしょう。


情報の交換というのは、私たちの目に見えない次元で、意識しえない部分で起こっているのです。それはその人の中に入ってくるすべてのものについての情報です。過去も入っていますし。そういうものを見通せる人は、「個人の過去を透視した」という格好になるわけです。


ヒーラーが病気治しをできるのも同じ理屈と考えられます。ヒーラー自身が気を送るとか、ヒーラーからエネルギーが出しているというよりは、相手の中の自然治癒力というか、本人自身がもつ、体を治す力を引き出すような「信号」を送っているということです。


そういう目に見えない意識のコミュニケーションを、私たちは日常的に、無意識のうちに行っているのです。これは今、最先端を行っているいろんな研究者も同じことを言いますね。


Q.特別な能力がない人でも、だれでも同期はしているのですね。
 

A.危機的な状況に陥ったときなどはいわゆる普通の人でも特別な勘が働くことがあります。虫の知らせとか夢枕に立つということもありますし。あれも一種の同期です。
逆にすごくリラックス状態のとき、コミュニケーションしやすいということも起きます。これはこちらが何もガードしないから、オープンに全部入ってくるし、こっちも開いているから全部出してしまうのです。


音楽などにも、同期・同調を起こさせる力があります。人の気持ちを一つに波長を合わせるのに、音は重要なツールです。
 

Q.お互い、同期しない人もいるのでしょうか。
 

A.もちろんまったく同期できない人もいます。性質、パーソナリティーの違いがありますから。この人は自分とは相性が悪いという人がいますね。敵と味方、水と油くらいに合わない人ですよ。そういう人の間では、通常は同調しません。ただし、ネガティブな思いを抱けば、干渉はできます。干渉も同調と言ってしまってもいいのですが。
 

しかしやはり一番同期しあうのは信頼関係でしょうね。
 

結局、性格が合う、合わないというのは、表面的な話ではなく、もっと深い無意識の部分で合わない、同期しないということなのです。

 

関連記事

 

 

 

 

 

お問い合わせ等はこちらへ

 

 

よろしければ下のバナークリックお願いいたします

巫師 麗月のブログ - にほんブログ村

 

にほんブログ村 哲学・思想ブログ 悩み・苦しみ・迷いへ
にほんブログ村