皆さま

 

それでは、この辺で私たちがどのような手順を踏んで祈祷を実践しているのかについてお話しいたします。

 

相談の内容によって、対処の仕方はケースバイケースになります。今回は、具体的な事例に基づいて構成した巫師としての標準的な仕事のやり方についてお示しいたします。

 

よろしくお付き合いくださいませ。

Q.たとえば、「どうも最近、事業が不振なのだが、何か悪いものが憑いているのではないか。祓って開運したい」というような経営者が来たとしたら、どのような手順で祈祷をされるのでしょうか?


A.最終的には、ご本人の神祀りに対する姿勢とか、信仰の持ち方というところになりますけれども、とりあえず、何がその事業に対して妨害しているのか、その原因を霊的な面で分析します。

実際には原因はいろいろで、例えば先祖代々祀ってきた神様がいて、その神様に対して家族がだれも手を合わせなくなっているとか、屋敷神を祀っているにもかかわらず、ごみだらけとか、ほこりまみれとか、そういう状態で放置されているような家があったりするわけです。

そういう場合は、神の怒りを買っていることもありますから、まず神に謝罪します。怒りを買っているものを鎮めるのです。

魂鎮めは、まずこちらが代理人として祈祷という形で介入するわけです。そこでちゃんと許しを得ることができるかどうか。それが第一段階ですね。


そうした根本原因を探る、いわばリサーチに関しては、巫師による意識の交信を通してやります。相談者が話をすれば、一体何がその原因になっているのかということが全部、巫師の方でわかるわけです。

たとえば巫師の中で原因が映像になって見えるとか、あるいは声になって聞こえるとか、いろいろパターンがあります。そういうものが出てきたところで、じゃ、何をどうすればいいかということを祈祷する側が指示を受けるわけです。その場で祈祷を行う場合もありますし、実際に家とか、事務所とかに伺って、そこで祈祷する場合もあります。依頼者側の都合から現地に赴かないで遠隔で実施する場合もありますね。

祝詞をあげて神様に許しをお願いするという形ですが、ただ、祝詞というのは神霊との交信をしやすくするために、まず取っかかり上必要なもので、最終的には依頼人の気持ちが通じるかどうかなのですね。

巫師としては代理人、取り次ぎという役割になりますので、依頼された方の本当にすまないという気持ちを伝え、そして、許しを乞うのです。それをこちらが全部請け負うのです。

次に、では、どういうようなことをすれば怒りが解けるのかという具体的な神霊の方からの要求があります。それは巫師を通して伝えられます。その要求は、お供えや神祀りの仕方に対する具体的な指示であったりします。

ここでいう神様とは家で祀っている眷属、神使のことです。それが龍神様さまだったりしますし、お稲荷さまや白蛇さまだったりいろいろありますが、その家を代々守ってきたり家業を支えてきた神ということです。

また、これはある建設会社の話ですが、昔から聖祠として崇められていた祠(ほこら)、社(やしろ)があった場所を会社の都合で壊してしまったのです。すると、その後その会社の社長になった人が続けて五人とも急死してしまったのです。これは完全に障りが入っているケースでした。これも依頼があり、祓いました。こういう場合は神とよく対話をしないとなかなか鎮まりません。怒らせていますからね。


近年の傾向として、昔からあるものを勝手に壊してしまうというケースがすごく多いのですが、壊したりつぶしたりして怒りを買うと、こういう現象がよく出ます。この会社の場合は、「それにとって代わるものをまた建てます」という形でようやく怒りが鎮まりましたが、あったものを壊してしまうということは基本的によくないですね。この場合の鎮めてくれた神も眷属でした。

最近、代替わりやなにかでわからなくなって、お祀りしていた神様を放置しているケースなどが非常に多いのです。それが事業に限らず、病気、離婚といったトラブルを生んだりもします。

例外的に、悪霊化してしまった眷属(たとえば稲荷信仰では野狐)には、こちらも対決するという強い気持ちで立ち向かっていかなければならないときもあります。


憑き物祓いをやるときは、絶対負けない、何が出てきても動じないというという気持ちをこちらが持たないといけません。自分をそういう状態にしておくのです。少しでも隙があると、そこにつけ込まれるということがありますから、巫師と神霊との粘り強い対話を通じながら祈祷によって解決するしかありません。


 

Q.依頼者はどのような方が多いのですか。
 

A.依頼者は基本的に女性が多いですね。家族の病気や、事故が繰り返されるとか、あるいは自殺者が出てしまったとか、家庭の中での不幸な出来事が中心です。

 

 

男性の場合は、仕事上のことでせっぱ詰まってから来られます。事業不振ということになりますと、これは生業の神の役目ですから、商売繁盛ということでお稲荷さま系が力を発揮します。そのほかに交通安全、病気平癒、家庭円満。子どものトラブルなどが多いです。


一般の神社の加持祈祷に比べて、せっぱ詰まったものが多いといえます。深刻な方ばかりです。本当ににっちもさっちもいかなくなって、泣きついて来られるというケースが多いです。深刻であるがゆえに、結果が出るときは、劇的な展開をみます。そういう深刻な場面で失敗したことはありませんでした。すべて解決してしまいますので、繰り返し来る人=リピーターはいません。

たとえば、恋愛問題などで巫師が出ていって祈祷するということはありません。若い方はそういう相談事を占い感覚でとらえていますけれど、私たちの場合、相談事は生死に関わるような深刻な悩みも多いですから、年齢がある程度高い人が多いのです。

世代的には40代以上の方です。経済的にも人間関係でも中年期の危機は深刻です。仕事上のトラブルであるとか、家族の問題とか、最近ですと、うつ病が多いですね。

ほとんどの方は追い詰められていますので、私どものところに来られる頃は、すでにどの方も多少うつに入っています。
 
経験的にいわせていただきますと、ほとんどの人の願望は、昔から繰り返されている相談事が中心です。病気、家庭、生業といったことに集約できます。特に時代の世相を映すような相談事はそんなにはありません。

Q.合格祈願の依頼などもあるそうですが?

A.合格祈願は、子どもの名前と生年月日だけで祈願できます。親御さんが密かに来られます。高校受験で相談に来られた方の場合は、学校から難しいから無理だといわれたそうですが、無事、志望校に合格しています。でも、そういうことは詰まるところ本人の実力と努力の問題ですが、そこに一押しができるかどうかというところが祈りの部分です。最初から無理なところに入るといったことは無理でしょうね。


合格祈願の場合は、親御さんがおすがりしたいということで来られます。本人が祈祷するということはあまりないですね。

 

あと、受験や資格試験関係で、試験結果がどうなるのか知りたいという要望もありますが、これもご本人の努力に直結している問題なので、前もって伝えたりはしません。分かっていても黙っています。こちらが未来をことを言ってしまうことで、本人が油断すれば未来の出来事も変わってしまうためです。

 

つまり、未来というものは現在の自分が何を選び、どのように行動するかによっていくらでも変わるし、変えることもできるものなので、その人のタイムラインを改変する預言めいたことは言えないのです。

 

同様に、ある人物の寿命について教えてほしいと依頼されても、これは分かっていても絶対に言えないし、巫師として言ってはいけない掟になりますね。○○関係の病気に気をつけてくださいとか、旅先での事故などに注意してくださいとか漠然としたこということはできても、個別具体的な出来事を事前にお伝えできません。

 

最近は、「占い」=神占という形式で個人別の運勢暦を作り、1年間なら1年間という区切りで運気の流れ、仕事、家庭、健康などの好不調について<ご神託>を降ろすようなことをやっています。暦作りは先祖代々やってきた生業の一つですから。

 

あくまでも参考情報としてご利用くださいと申し上げていますが、これで難を逃れることができたという感想を後からいただいたことはあります。
 

 

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