令和5年12月12日

 

甲辰 二黒 定 翼

 

 

 

  陰陽五行と暦の話

 

人間は古より暦に従いながら行動してきました。日本にも昔の暦と新しく加えられた暦があります。今回は、暦と陰陽五行説を中心にお話しします。

 

暦に記載される事項には、二つの要素があります。

 

1.天文学的な要素⇒日付、曜日、二十四節気、日の出、日の入り、天文気象の予測。

 

2.古典的な要素=中段、下段に記載される日時、方角の吉凶、禁忌=非科学的、迷信的な事項など。これらを暦注と言います。

 

この暦注の大部分は中国古来の陰陽五行説、十干十二支説に由来しています。

 

暦には意味や種類があります。

 

1.暦法=太陽、月、星の天体の運行を観測して暦を作る。暦の法則が暦法です。

 

2.暦注=昔の暦の中段、下段に記載される注記事項を言います。

 

日付、節句、月の満ち欠けなど本来の事項の下に記載され中段には十二直、下段には選日、二十八宿、九星。いろんな日の吉凶に関する事項が書かれています。

 

暦注は七曜や二十四節気、干支も入れて広く暦に記載される事項すべてを含む場合にも用いれることがあります。

 

3.暦術=天体の運行を観察して暦をつくる術。これも暦法と同じです。暦象=暦から天体の現象を推算する事です。天文現象とも呼びます。

 

4.暦年=暦に用いる年、暦の1年。太陽暦で平年が三六五日、閏年は三六六日になります。

 

5.暦日=暦法に基づいて定められた暦の上の1日。その1日1日の月日の経過を言います。転じて、月日、年月の意味にも用いられています。また暦日は暦(カレンダー)そのものをさすこともあります。

 

6.暦表=惑星、太陽、月など諸天体の現象について、その起こる日時や位置を推算し予報した表。天体観測に用いる天体暦で遠洋航海に用いる航海暦などの種類です。

 

7.暦草=古代中国の伝説上の草。古代中国の堯帝(ぎょうてい)の時代。この草の成長過程をヒントに暦が作られたと言われています。月初めに1本、2日目に2本、月の半ばに15本、さやが増えていき、16日には1本、17日に2本、そして月末には全てのさやが枯れてしまいます。別名、暦筴(れききょう)< こよみぐさ>と呼びます。

 

8.暦鳥=古代中国で暦を司る鳥の事です。昔、鳳鳥氏が鳳凰の現れた瑞兆により暦官の長となったと言われています。


 

陰陽道、陰陽師の言葉や名は、皆さまもある程度知っていると思います。

まず=陰陽の呼び方です。おんみょうではなく、正式な読み方は=<おんよう>です。

陰陽道(おんようどう) 陰陽師(おんようじ)と読みます。

陰陽道とは、陰陽五行説に基づいて天文、暦数を司り、日、年、方位などの吉凶を占うことを目的にした学問です。また、その学派。陰陽の学科の1つでした。呼び方も、おんにょうどう、おんみょうどうと呼ぶこともあります。

 

陰陽師とは、律令制において陰陽の寮(つかさ)に属して占筮(せんぜい)、地層を見ることなどを司った専門家です。陰陽五行説に基づいて日の吉凶などを占い、地方によっては、<おんみょじ>、<かんぱら>と呼ばれました。さらに中世、近世になり民間で加持祈祷をする者を指すようにもなりました。

 

陰陽師身の上知らずということわざがありますが、他人の運命は分かっても自分の運命は分かりません。

その他、私が参考にしている基本的な暦を紹介します。太陽暦(陽暦) 、太陰暦 (陰暦)、 太陰太陽暦(陰陽暦)、 ユダヤ暦、ギリシア暦、バビロニア暦、これは暦法の一種であり、これを知らなければ前世や未来を視る、霊視が出来ない理由があります。旧暦、新暦、太陽暦でも世界の共通暦としてユリウス暦、グレゴリオ暦、エジプト暦、マヤ暦も同じように暦に関わるものは知らなければならないのです。

 

意外かもしれませんが、陰陽師は世界中の暦についても研究していました。人と人との交流、知識の伝播にはよく知られていない経路もあるのです。



ところで、私たちが関わっている各種の行事の中には、勾玉、数珠、仏像や神品、それ以外に太陽、月、星、夜空など北斗七星の名をつけた祈祷などを案内しています。

依頼者の生年月日から妊娠直前前の月や日にち、年、干支を調べ、次に母親の胎内に宿った月や日にちを調べてから陰陽暦を調べあげれば宿命や運命、運気まで個別に分かります。

自分と縁がある相性の良い、悪い神仏まで判明します。また、五行のどの要素を取り入れれば良いか。取り除くにはどの要素が良いかまで分かります。北斗七星の力を利用して依頼者の暦を探り、運気の転換を行ったりもします。私たちのように秘術に関わるものは、何よりも自然の法則を知らなければ、人間の宿命、運命、運気の星を変えられないのです。

 

人間には生まれ持った星があります。どんなに不幸な星を持っていても、そこに光を照らす太陽や不幸の闇夜を照らす月や星の力を照らせば不幸な星は見えなくなるのです。そこへ神仏の光、先祖の力、守護霊の力、または背後霊、指導霊の光を強めれば不幸の星は霧になるのです。そして雨(五行の中の水の力)を加えれば霧が消えるのです。

 

万物は自然から生まれ、自然がなければ生きられません。また自然には勝てません。天災に勝てないのです。雨を止める事も、地震、豪雪、豪雨、雷、噴火、太陽、月、星、も手に取る事は不可能です。神は自然なり。自然の力を取り入れなければ祈祷は出来ないという事なのです。手に取れない、触れないのが神様なのです。

 

もっと簡単に言うならば自分の心は見えませんし、掴めません。自分の心の中に神様は宿っています。そもそも陰陽師は特異能力者ではなく天文、観天望気の専門家です。太陽、月、星などの天体、その他自然の中からパワー=「気」を見つけ出し、効能や効果、人間に必要な「気」、害を及ぼす「気」を見つけました。

 

と同時に陰陽家に不思議な体質を持つ子孫が生まれ、方術を使い陰陽師、陰陽祈祷師になったのです。方術を教えてくれたのは神様(自然界)からと神様の使い(眷属)です。歴史書には記されていないことです。

 

昔から陰陽師の直系に生まれたものの中で優れた能力は女性の方が持っていることが多いのです。今でいう巫女です。神を降ろし、神が宿り、神の御神託を人々に伝えました。

何故女性なのか。女性は2つの魂を持っています。妊娠し子供を産めます。子供にまつわる苦労と幸福の2つの道を歩きます。

男性は気にしないかもしれませんが女性は自分の分身、子孫を生んでくれる存在です。大切に扱うのが天(神様)に対しての礼儀です。子供は天からの授かり物と言いますね。女性は天と繋がる宮代なのです。子宮(宮代)  産道(参道) そして新生児(自身の分身)  家庭・家族(社)になります。

家庭や家族は神社、境内です。妻や子、家庭を大切に扱う事で御利益(幸福)に変わるのです。

その逆もあります。気難しい男性(夫)に対して巫女の癒やし、労りを注いであげると男性(夫)も嫌な気になりません。巫女は神の使いです。慈悲を持つ事で家庭や家族の調和が取れます。すべて縁で繋がっているのです。

女性も男性も魔に負けず恥ずかしがらず、毎日最低でも一回は「ありがとう」の言葉を発して見てはどうでしょうか。あい睦び合うことによって互いの気を強め合うこともできます。


さて、暦の話に戻ります。

 

和風月名

 

春は1月(睦月) 2月( 如月・衣更着) 3月(弥生)

 

夏は4月(卯月)5月(皐月・早月) 6月(水無月・みなつき)

 

秋は7月(文月・ふづき) 8月(葉月・はつき)9月(長月・ながづき)

 

冬は10月(神無月・かんなづき) 11月(霜月)12月(師走)

 

 

旧暦1月は季節的には新暦では1ヶ月ずれて2月となります。この和風月名はずれずに現在でも睦月は1月、如月は2月となっていて季節感で1ヶ月の差異があるので注意しましょう。

 

例をあげると、5月晴れですが現代では後楽シーズンの晴れた良い天気のことになります。旧暦での5月晴れは梅雨が止んだ時の晴れ間の事で澄んだ空をさします。

私が学んだことの中に、自分の名前や家族の名前に月暦の名が付いた場合、季節ごと、月ごとに運命や運気の流れが頻繁に起きる場合があります。

たとえば、1月生まれ=睦月、むつきですが、名前に睦、月、あるいは漢字が違っても、ひらがな、でも同じです。睦月とは、むつびづき、むつびのつき、むつましづき、と言います。正月は身分の上下なく、老いも若きも、お互いに往来して拝賀し親族一同が集まって娯楽遊宴する意味で睦び月(むつびつき)と言いました。

むつびつきの言葉が訛り、むつき、に変わりました。平安時代から始まり、睦月の別名で、元つ月(もとつつき) また草木の萌きざす萌月(もゆつき)  春陽発生の初めである生月(うむつき)とも呼ばれていた時代もあります。

1月生まれの人で家族や親族と仲が悪い、家族や身内と縁が薄い人は何故でしょう。1月睦月の意味は説明しましたね。簡単に説明すると名前に流された。喰われた。負けた等の意味になります。暦+季節は良い時期、悪い時期もあります。

2月=如月(きさらぎ)別名・衣更着。寒さがまだ残っている為、衣類を重ね着をする月、寒さとは悩みや解決がまだつかないので焦らず時期を待て、という意味の運気です。毎年ではなく突然、1月、2月に運気の乱れや悩み事が起きやすくなります。
 

3月(弥生) 別名 春。草木が、いよいよ生い茂る月という意味です。風雨に打たれて草木も茂る、水に浸したる稲の実が、いよいよ生き延びようとする時期です。雑草と同じように忍耐運を持っています。若い時から苦労をしたり自立する人が多く、親兄弟と縁が薄い。

4月(卯月) ウズキとは花の名前です。卯の花(ユキノシタ科の落葉低木) 白色の小さな花を咲かせます。出世に縁がなく金運にも恵まれない、社交性がない。

5月(皐月・さつき) 別名(早月・さつき) 梅雨の季節であり、元来、五月晴れ、五月空、という言葉は梅雨の間の晴れた日の事、あるいは梅雨明けの晴天の事です。また田植えが盛んで早苗を植える月です。陰陽道(極秘文)でサツキの<サ>は神に捧げる稲の意味になります。桜の<サ>は山の神、サクラの<クラ>は座の意味であり、山の神が桜の木に鎮座、宿るという説もあります。5月生まれで名前に字が入れば運命、運気に梅雨のジメジメした流れ、すっきりしない人生を歩く事になります。たまに晴れ間が出ても長続きせず、神仏の力を求めてしまいます。合わない宗教、神仏に関わると全てを無くす場合もあります。

6月(水無月) みなつき。梅雨も終わり水も涸れ尽きるという意味です。農業に関する説です。田植えも終わり大きな農作業を全てしつくしたという意味ですが別名、皆尽月(みなつき) 皆仕尽(みなしつき)とも呼びます。またこの月は雷が多いことから加美那利月(かみなりづき)とも呼びます。仕事、家庭、家族、自身の為に頑張って来たにも関わらず認めてくれない。受け入れてもらえない。精神面、肉体面での苦労をする。また雷とは回りの環境の変化、病運が付きまとう等。水無月の水は生命を表し、神仏の縁が深く自身の力だけでは生きられない。孤独に陥りやすい等。致命傷に繋がる病運を持つ。

7月(文月、ふみづき) 別名、ふづき。7月7日の七夕にちなんだ呼び名です。万葉集にも、『あらたまの年の緒長く思い来し恋をつくさむ七月(ふみつき)の七日の夕(よひ)は吾も悲しも』とあります。文月の語源は7月7日の七夕行事に詩歌を牽牛・織女の二星に献じたり書物を開いて夜気にさらす風があるので文月という説もあります。ですが七夕の行事は奈良時代の養老年間(717~724)に中国から移入されたもので、もともと日本にはない風習でした。恋愛、結婚、家庭、家族に縁が薄く上手く行きそうで石ころに躓いてしまう。親兄弟と縁が薄く理解し合えない。自分以外の者に左右される運命、運気を持つ。

8月(葉月) 古くは「はつき」。木の葉が黄葉して落ちる月、すなわち、葉落ち月、葉月が訛った呼び方です。成功と破滅の2つの運命を持つ。元々、運は強く神仏の縁が強い。信仰心が無くても生まれ持つ悪運があるので雑草のように踏まれても生える力を持っている。ですが孤独運、自立運が動きだし自分の力で生き延びる事になる。

9月(長月)ナガヅキ。古くはナガヅキは夜長月(よながつき)と言いました。夜が長くなったという意味です。9月に入ると夜も過ごしやすくなり、夜中まで起きてしまいます。良い運と悪い運とが重なる意味になります。夜は心、感情を表します。複雑な心境が続きます。自分の目標が決まらない、何をして良いか、精神がついてこない。何をしても良い結果が出ない等。

10月(神無月)かみなづき、かみなしづき。かんなづき。10月は全国から神々が出雲大社に集まり男女の縁結びの相談をする為に各地の神々は留守になるという信仰に由来しています。神々が留守になる事はありません。ですが、この月に生まれた人で神無月(かみなづき)あるいは別名、神嘗月(かみなめづき) 神祭月(かみまつりづき)特に=神、無、嘗、月、かみ、な、なめ、つき、づき、の字が名前に入れば宿命や運命が生滅する場合があります。死ぬという意味ではなく自分であって自分でない。自分の人生は無くなるという意味です。良い言い方をすれば出家、言い換えると自分らしく生きられない人生を歩む事になる。

11月(霜月・しもつき) 霜が降る月という意味です。別れ、離れる、離別等。悲しい思いをする運命、運気を背負います。涙が友達になる運命を歩む事になります。

12月(師走) 12月は1年の終わりで別名、シハスを師走(しわす)と書きました。皆、忙しく師匠、僧侶達が走り回る事から師走となりました。師は法師の事で12月は僧を迎えて経を読ませる風があったので師がはせ走る、師馳月(しはせづき)でありこれが略されたものである説もあります。先祖や死者、霊に悩まされます。特に仏教の神様の名前の一文字でもつけると霊媒体質ではないのに取り憑かれやすくなります。出家ではありませんが親元から離れなければならない境遇になります。何かと頼られてしまい最後は身動き出来なくなります。名前に付けてはいけない字、師、法、仏、経、像、火、水、滝、走、天、地、等。

以上ですが、これは暦+人間の名前との相性です。

以上、暦を中心に陰陽道に関係する内容を公開しました。しかし、秘法、秘術に関することは公には出来ません。ほんの一部だけです。

 

ここに挙げた事柄は一般論です。実際には各人の生年月日に基づいて歴盤を作り、神降ろしをしながら判定していく手順を踏みます。それが神占術となります。

 

麗月 謹上再拝

 



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