令和5年11月19日

 

辛巳 七赤 破 房

 

 

暦の話

 

 

皆様が知っている暦は、地球が太陽のまわりを一周する時間を1年とします。

 

太陽歴と呼ばれるものです。

 

この太陽暦は日本では1873年に使用されたものです。

 

それ以前の約1000年間は太陽ではなく、月の運行(満ち欠け)をベースにして作られた太陰歴(陰歴、旧暦)を使っていました。

 

太陰暦、つまり旧暦は中国から伝えられたもので、太陽暦を使う私達の日常生活にも旧暦の習慣や考え方は根強く残っています。

 

人間の日常生活にとっては太陽より月の方が人間の生理学的現象、生老病死など身体に関する事から風俗、習慣、人間関係、社会的事象など世の中全般に与える影響が大きかったのです。

 

今でも自然をめでる言葉は俳句の季語を持ち出すまでもなく、広く旧暦の季節観に根ざしています。

 

たとえば、旧暦8月15日を仲秋の名月として月見を楽しむ日としています。

 

学校の年度始めが4月1日となっているのも旧暦の考えが残っているからです。

 

新暦1月1日が必ずしも年の始まりではありません。

 

現在、立春と呼ばれている日が旧暦では1年の始まりです。

 

八十八夜や二百十日の勘定のしかたも立春から数えたものです。

 

平安時代に中国から日本に伝わった密教系の占い(宿曜占星術)で用いる暦は旧暦です。

 

宿曜占星術の基本的な考え方や法理法則は全て月の運行を基礎に形成されてきたものです。

 

この占いが平安以来、一子相伝で伝えられてきたという事実以上に旧暦で占うという習慣を守って来たため、明治時代以降も一般には普及しにくいものとなりました。

 

その他の東洋占術が旧暦の時代に培った法則やデータとの整合性を無視して太陽暦で見るという自己矛盾に陥っているのとは一線を画しています。

 

月を愛でる旧暦の習慣、旧暦8月15日を仲秋の名月として、ススキ、ハギなど秋の七草を供え月見を楽しむ習慣が残っています。

 

現在は約1ヶ月遅れの十五夜を仲秋の名月としています。

 

その他、旧暦7月26日の二六夜待ち、十五夜の翌日の十六夜などの習慣も残っています。

 

宿曜占星術が月の運行をベースに編み出されたのは、古代人が月の不思議な力に気づいたからです。

 

月の満ち欠けは人間の心に大きな影響を与えています。

 

狂気という意味の英語(lunatic)は、ラテン語の月(luna)から派生しています。

 

月は人間の内部にある野生を解き放す力を出しています。

 

ヨーロッパで伝えられてきた狼男の伝説は満月の夜に狼に変わるという伝説もあります。

 

潮の満干をコントロールする月のパワーは人間の心身もコントロールしています。

 

人間のからだの80パーセントが水分で構成されているなら、地球の水を支配する月が人体に影響を与えていても不思議ではありません。

 

満月の夜は出産が多いとか、人の死は引き潮と深い関係があるとも言われています。

 

人間の生死サイクルや女性の生理と月が密接な関係にあります。

 

欧米の農家では満月の日にジャガイモの植え付けをする習慣があり、日本ではエンドウ、そら豆は闇夜に種をまけと言われてきました。

 

どちらも作物の成長に月の力が関係していたからです。

 

月の影響を受けている地球の生命は数えきれないほどの例が報告されています。

 

満月の夜に産卵する珊瑚、カキ、ウニ、海上移動する魚類、エビなどがよく知られています。

 

洋の東西を問わず月の不思議なパワーは人や地球を支配して来たといえると思います。

 

人体に影響する月の例でドイツでは女性の月経の初日が新月、満月に当たる日が多いという医学的なデーターもあります。

 

手術後の過剰出血は満月の日が圧倒的に多く、アメリカでは交通事故や凶悪犯罪は満月と新月の日に多いという調査結果もあります。

 

日本では満月、新月に区切りをつけたいという感情の乱れ、高ぶりが起き、別居、離婚、男性なら浮気、魔が差す、倒産、没落などが起きやすくなります。

 

新築やリフォーム、開店などは注意をしなければいけません。

 

月の力が生死だけでなく人体、様々な影響を生みパワーがあるのことを知って下さい。

 

月と同様に星の魔力、星のパワーは天界、前世界、魔界、霊界、現世界、地界へのパワーを持っています。

 

平安時代の日本の宮廷には陰陽博士、暦博士と呼ばれた陰陽師の一団が天文、気象、暦などを奉じていました。

 

ここへ新輿の占星術グルーブである宿曜師たちが彼らと対立する形で貴族たちに支持を獲得していきました。

 

宿曜師が作り上げた占星術では、前の世との繰り返しの中で人間は生きていると考えます。

 

世の中がどう変わろうと変わらないのは人間の心と宿命であるとも。

 

彼らはそういう世界観を呈示しました。

 

これに対し、陰陽師の編み出した陰陽占星術と方術は、月、星、天空に広がる大宇宙と人間の心という小宇宙とは同じ法則で動いていると考え、人間の力はか弱いが大宇宙の自然の法則、魔力を用いて宿命、宿運が変わると主張したのです。

 

人間にもDNAが組み込まれているように、前世から組み込まれている前世のカルマ、先祖因縁、因果応報の厄介な問題は天の力(太陽、月、星)の魔力を使い陰陽五行法則(木火土金水)、そしてインド占星術、このインド占星術は唐に渡った空海が日本に持ち帰った密教占星術。

 

様々な占星術を学び、人間と一番相性がよい力を基盤にして今があります。

 

要するに、人間の健康、また不幸、幸、宿命、運命、運気は<天>が変えてくれるのです。

 

努力と忍耐の間に神の存在、神の力が加わるのです。

 

信仰心とは自分を(信)じ強くなり神を(仰)ぎ天を信じぬく心。

 

自分を信じ自分を労り自分を愛し、他人に左右されないしっかりした軸をもつ心を育むことこそ真の信仰心となります。

 

 

麗月 謹上再拝

 

 

霊心研友の会

 

 

 

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