今回は、最初に書いたわり算のもう一つの意味、
2)24個のリンゴを6個ずつでわけると、何人分になるか
という面から、どうしてこれもひっくり返してかければいいのかを考えてみます。
正確には、「かければいいのか」ではなく、「かければいいことになるのか」ですが。
こちらの方は前回と違って、説明は非常にシンプルです。
というか、イメージ的にわかることをめざしているので、シンプルな説明でそれが可能と考えたから。
だから、算数的に厳密な証明、というわけではないかも。
24個のリンゴを6個ずつでわけるとはどういうことかというと、
「6個ずつひとかたまりをつくる」ということで、
「そのひとかたまりがいくつあるか数える」ということです。
24÷6=4
なら、「6つのかたまりが4つある」ということになります。
そしてそれを全部あわせると、当然24になります。
だから、
6×4=24
です。
ピンとこない方のために、りんごではなく、クラスの班に置き換えて同じ質問をしましょう。
「30人のクラスで、6人で1つの班を作ると何班できますか?」
これは、
30÷6=5
で班は5つになります。これを逆に考えれば、
6人で5班というのは、もともとは全部で30人なので、
6×5=30
になります。
あたりまえですか? ですよね?
それでは、分数のわり算にうつります。
24÷(2/3)
を考えます。
これは、「24を、3分の2ずつでわけるといくつあるか」ということです。
いいかたを変えると、「 24のなかに3分の2はいくつあるか 」 ということです。
その答えを「❓」で表しますと、
24÷(2/3)=❓
になります。
ここで、先ほどの24÷6と同じ考え方をしてやると、
3分の2を「❓」つ集めると、もともとは24なので、
(2/3)×❓=24
と表すことができます。
これを、あとあと都合の良いように、以下のようにします。
❓×(2/3)=24
になります。
ここで、本来求めたいのは「❓」ですから、
両辺に2分の3をかけてやります。
すると、
❓×(2/3)×(3/2)=24×(3/2)
(2/3)×(3/2)は1ですので
❓×1=24×(3/2)
1を省略して、
❓=24×(3/2)
以上、終了となります。
いうまでもなく、この考え方は一次方程式を解いたものです。
また、「ひっくり返してかける」について、根本的に理屈で説明をしたものではありません。
あくまで数式をつくってそれをいじくったら「要はひっくり返してかければいい」という結論になることを示したに過ぎません。
その意味では、期待外れかもしれませんが、
私自身は、わけもわからずひっくり返してかけるよりは、途中経過がわかっただけでもすっきりするのかも、と思っています。
「ひっくり返してかける」ことそのものに意味はないと考えてもいいと思います。
たまたま「ひっくり返してかける」というシンプルな形なので、なにか意味があるんじゃないか、と思ってしまうのではないでしょうか。
あるのかもしれませんが、今回やってみて、たまたま形上シンプルになっただけ、という感じがしました。
たとえばこれが、ご存じのような二次方程式の解の公式だったらどうでしょうか?
ああいう変な形になることに、意味は感じません。
計算したら、ああいう形になっただけです。
分数のわり算も、同じです。
もし分数のわり算のときかたが、
「ひっくり返して1をたして2.3をかけてそれを10で割る」
という公式だったら、
「どうしてそういう形になるんだ?」
というのは、そのときかたの経過だけに興味をもつはずで、意味までは考えないと思います。
ただ、算数(数学)の場合、時として、偶然なのかなんなのか、得られた公式が「美しい」と思えるまでにシンプル、ということがおきますね。
そういうとき、つい「意味」を考えたくなるのかもしれません。