こんばんは。
先日、東京道場生QB・O選手の試合を観に行きました。
残念ながら道場生チームが負けてしまったその試合の後、
道場生チームのコーチ陣と話をする機会がありました。
(ちなみにそのチームのコーチは道場長のシーガルズコーチ時代の選手であります)
以下、ポイントをかいつまんで会話を再現...
コーチ「#2レシーバーのタテが空いてるんですけど、投げられないんですよねー」
道場長「なんでなんやろね?」
コーチ「QBは『レシーバーがいつもより遅くないすか?』って言うんですけど、
レシーバーは『いつもとそんなに変らないよ』って言って会話終わっちゃうんですよ(苦笑)」
道場長「そうなんやー」
コーチ「試合になると、なかなか練習とおりにプレー出来ないんですよねー」
道場長「申し訳ないねー*(苦笑)」 *道場生が試合でコーチの期待に応えられていない事へのお詫びです
コーチ「いやいや、それはメンタルの問題ですから...」
道場長「...」
帰り道...ずーーーーっと考えました。「なんかええ改善策ないかなー」と。
-----------
道場長は昨年までオービックシーガルズでプロコーチとして仕事をさせて頂いていました。
結果を出すことでお給料をもらうプロコーチでしたので、選手が試合でうまく出来ないことを、メンタルの問題として諦める訳には行かなかったんですよね。
(ごめんなさい。決して道場生チームのコーチを批判したい訳ではありません)
もちろん結果的に選手にうまく力を発揮させてあげられなかった経験は多々ありますし、
勝てなかったシーズンも多々ありましたが、
QBにどうやって結果を出させるかは、とにかくいろいろ考えてトライしました。
『うまく出来るようになるまで練習させる』
『その練習方法をどう工夫するか考える』
『やりやすくなるようにプレー自体をアジャストする』
『苦手なプレーは捨てて、代わりになるプレーを考える』
『いいメンタルトレーニングの方法は無いか調べてみる』
などなど・・・
このページをご覧になっているコーチの大半は、ボランティアコーチとして、
母校の後輩の為に熱い思いでコーチをされている方だと思います。その熱意には本当に頭が下がります。
なので、プロコーチのように、すべての時間をフットボールには費やせない訳ですから、やれることには限界はあるかと思います。
そういう大変な状況においては、ともすると、選手が「デザイン通りにプレーしてくれればうまくいったはず」のプレーを、
「選手側の問題」として、そこで立ち止まりがちではないでしょうか?
また、そこで立ち止まらなかったとして...
選手を禅問答のように問い詰めて、追い込んで、それを乗り越えさせて、
精神的に一皮剥けさせることを狙う、というコーチもいらっしゃるかもしれません。
それはもしかすると本質的なアプローチなのかもしれません。
ただ、シーズン中の限られた時間の中で成果を残す為には、
より具体的なアクションに移しやすいアプローチを考える必要があるのではないか、
と道場長は考えています。(結果的にうまく行かないこともままありますが...)
選手の精神論「だけ」に答えを求めてしまうのは、ある意味でコーチが「自分の力の限界を認めてしまう」ということなのかもしれないとも思います。
-----------
さて...
今回のケースで道場長が予想した道場生QBの精神状態は...
◎試合になってパスラッシュに対してナーバスになる。
◎気が焦りショットガンからの3歩下がるステップが微妙に早くなる
◎またターゲットをじーっと見る時間が長くなるこ
結果、レシーバーがいつもより遅いと感じてしまう。
しかもじーっと見てしまう事でフットワークが悪くなり足が居着いてしまう
「なんかええ方法ないかなー」、と帰り道、ずーーーーっと考えた結果、
道場長はすぐに取り組めそうなアジャストとして、まったく同じパスパターンのまま、
QBの動きを少しだけ変えることを思いつき、コーチに提案しました。
そのアジャストアイディアをコーチが実行に移した結果...
道場生QBは、
レシーバーをじーっと見る時間が無くなってしまい、(良い意味で)
また投げるタイミングも精神状態に左右されることなく一定にならざるを得なくなり、
道場生QBにとって、プレーがシンプルになったことですごくやりやすくなったとのこと。
次の試合でコールされた同じパスパターンでは、
課題だった#2レシーバーではなく、#1レシーバーに決まったそうですが
これもQBの気持ちに余裕が生まれた事の産物だったのかもしれません。
今回のアプローチがうまく行ったことは偶然だったかもしれませんし、
これまで芽が出ていなかったいろんな積み重ねの上に咲いたひとつの花にすぎないかもしれません。
いずれにしても、大事なことは...
「コーチが、選手の失敗を我が事と捉えて、コーチに出来うる具体的なアプローチを考えて実行に移す」事だと思います。
もちろんコーチだけではありません。選手諸君も、「上手くなりたい」、「勝ちたい」という気持ちを、
精神論だけに終わらせることなく、具体的な取り組みに昇華させるように心がけてみてください。
-----------
ちなみに、先週末の道場生QB・O選手の成績は「31回投21回成功(成功率67.7%) 1TD 219yds獲得」
エピソードを紹介した前節の試合は「18回投7回成功(成功率38.8%) 1TD 1INT(獲得ヤード不明)」
大幅なスタッツ改善、お見事でした。
タッチダウンパスは、4月にこのブログでも紹介し、道場での稽古でもたびたび取り組んでいる右へのランニングスローからの見事なパスだったとか。道場長としても嬉しい限りです。
具体的にどんなアジャストを加えたのかを知りたい方は、
Facebookで展開中の「QB道場@web」へエントリーをお願いします!
「QB道場@web」は有料サービスですが、2週間の無料閲覧期間がありますので、
今回のアジャスト内容は無料でチェックして頂くことも可能です!
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先日、東京道場生QB・O選手の試合を観に行きました。
残念ながら道場生チームが負けてしまったその試合の後、
道場生チームのコーチ陣と話をする機会がありました。
(ちなみにそのチームのコーチは道場長のシーガルズコーチ時代の選手であります)
以下、ポイントをかいつまんで会話を再現...
コーチ「#2レシーバーのタテが空いてるんですけど、投げられないんですよねー」
道場長「なんでなんやろね?」
コーチ「QBは『レシーバーがいつもより遅くないすか?』って言うんですけど、
レシーバーは『いつもとそんなに変らないよ』って言って会話終わっちゃうんですよ(苦笑)」
道場長「そうなんやー」
コーチ「試合になると、なかなか練習とおりにプレー出来ないんですよねー」
道場長「申し訳ないねー*(苦笑)」 *道場生が試合でコーチの期待に応えられていない事へのお詫びです
コーチ「いやいや、それはメンタルの問題ですから...」
道場長「...」
帰り道...ずーーーーっと考えました。「なんかええ改善策ないかなー」と。
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道場長は昨年までオービックシーガルズでプロコーチとして仕事をさせて頂いていました。
結果を出すことでお給料をもらうプロコーチでしたので、選手が試合でうまく出来ないことを、メンタルの問題として諦める訳には行かなかったんですよね。
(ごめんなさい。決して道場生チームのコーチを批判したい訳ではありません)
もちろん結果的に選手にうまく力を発揮させてあげられなかった経験は多々ありますし、
勝てなかったシーズンも多々ありましたが、
QBにどうやって結果を出させるかは、とにかくいろいろ考えてトライしました。
『うまく出来るようになるまで練習させる』
『その練習方法をどう工夫するか考える』
『やりやすくなるようにプレー自体をアジャストする』
『苦手なプレーは捨てて、代わりになるプレーを考える』
『いいメンタルトレーニングの方法は無いか調べてみる』
などなど・・・
このページをご覧になっているコーチの大半は、ボランティアコーチとして、
母校の後輩の為に熱い思いでコーチをされている方だと思います。その熱意には本当に頭が下がります。
なので、プロコーチのように、すべての時間をフットボールには費やせない訳ですから、やれることには限界はあるかと思います。
そういう大変な状況においては、ともすると、選手が「デザイン通りにプレーしてくれればうまくいったはず」のプレーを、
「選手側の問題」として、そこで立ち止まりがちではないでしょうか?
また、そこで立ち止まらなかったとして...
選手を禅問答のように問い詰めて、追い込んで、それを乗り越えさせて、
精神的に一皮剥けさせることを狙う、というコーチもいらっしゃるかもしれません。
それはもしかすると本質的なアプローチなのかもしれません。
ただ、シーズン中の限られた時間の中で成果を残す為には、
より具体的なアクションに移しやすいアプローチを考える必要があるのではないか、
と道場長は考えています。(結果的にうまく行かないこともままありますが...)
選手の精神論「だけ」に答えを求めてしまうのは、ある意味でコーチが「自分の力の限界を認めてしまう」ということなのかもしれないとも思います。
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さて...
今回のケースで道場長が予想した道場生QBの精神状態は...
◎試合になってパスラッシュに対してナーバスになる。
◎気が焦りショットガンからの3歩下がるステップが微妙に早くなる
◎またターゲットをじーっと見る時間が長くなるこ
結果、レシーバーがいつもより遅いと感じてしまう。
しかもじーっと見てしまう事でフットワークが悪くなり足が居着いてしまう
「なんかええ方法ないかなー」、と帰り道、ずーーーーっと考えた結果、
道場長はすぐに取り組めそうなアジャストとして、まったく同じパスパターンのまま、
QBの動きを少しだけ変えることを思いつき、コーチに提案しました。
そのアジャストアイディアをコーチが実行に移した結果...
道場生QBは、
レシーバーをじーっと見る時間が無くなってしまい、(良い意味で)
また投げるタイミングも精神状態に左右されることなく一定にならざるを得なくなり、
道場生QBにとって、プレーがシンプルになったことですごくやりやすくなったとのこと。
次の試合でコールされた同じパスパターンでは、
課題だった#2レシーバーではなく、#1レシーバーに決まったそうですが
これもQBの気持ちに余裕が生まれた事の産物だったのかもしれません。
今回のアプローチがうまく行ったことは偶然だったかもしれませんし、
これまで芽が出ていなかったいろんな積み重ねの上に咲いたひとつの花にすぎないかもしれません。
いずれにしても、大事なことは...
「コーチが、選手の失敗を我が事と捉えて、コーチに出来うる具体的なアプローチを考えて実行に移す」事だと思います。
もちろんコーチだけではありません。選手諸君も、「上手くなりたい」、「勝ちたい」という気持ちを、
精神論だけに終わらせることなく、具体的な取り組みに昇華させるように心がけてみてください。
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ちなみに、先週末の道場生QB・O選手の成績は「31回投21回成功(成功率67.7%) 1TD 219yds獲得」
エピソードを紹介した前節の試合は「18回投7回成功(成功率38.8%) 1TD 1INT(獲得ヤード不明)」
大幅なスタッツ改善、お見事でした。
タッチダウンパスは、4月にこのブログでも紹介し、道場での稽古でもたびたび取り組んでいる右へのランニングスローからの見事なパスだったとか。道場長としても嬉しい限りです。
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