米国カレッジフットボールの年間最優秀選手に贈られる「ハイズマントロフィー」を獲得するなど、
フロリダ大学で輝かしい成績を残し、昨年、デンバー・ブロンコスに入団したTim TebowというQBがいます。

大学時代は、パサーとしての成績もかなりのモノでしたが、
何よりも自らの走力を活かすスタイルで活躍した同選手。
果たしてパスの投げまぐりのNFLに、どのように適応するのか? に注目していました。

昨シーズンはデンバーの試合を観る機会が無かったので、
最近、「NFL GAME PASS」の「Off Season subscription」を$49.99で購入し、
Tebow率いるデンバーが大逆転でヒューストン・テキサンズを下した第16週(だったはず)の試合を観戦。
*NFL GAME PASSについてはこちら


詳しいことは勉強不足なのですが、
ニューイングランドペイトリオッツのQBコーチとして名を上げたJosh McDanielsが
ブロンコスのヘッドコーチであった事から、
彼がTebowをNFLバージョンにQBに育て上げるのではないか、と期待されていたようです。

専門誌にも、>McDanielsが「ひと夏でTebowのスローイングフォームを改善した」
と書かれており、
非常に強い興味を持って、ビデオを見ました。

で、1試合だけではありますが、ビデオを見た感想を一言で申し上げると、
残念ながら「根本的には変わっていない」

そして、「今のままでは」、「パサーとしては」NFLでは成功しない
とかなり強い自信を持って申し上げておきたいと思います。

何がアカンのか、を一言で言うと、「右腕の使い方に欠陥あり」

映像を見ながら少し解説しましょうか...



先述したテキサンズを大逆転で下した試合からピックアップしてみました。

プレッシャーがかかって、右へ逃げながらのパスです。
後方からのスロー映像が分かりやすいと思います。

利き腕である左腕が振られてくるよりもだいぶ早いタイミングで、
右腕が体幹の外に出てきているのが分かって頂けるでしょうか?

(死ぬほどマニアックやな...)

野球が好きな方は、プロ野球の解説などで「開きが早い」、
というコメントが出てくるのを聞いた事があるかもしれません。

まさにその「開きが早い:状態です。
結果的に、遅れて出てくる利き腕の先にあるボールは、
投げたい方向に対して遠回りをして放たれる
ことになります。

その結果、ボールは外へ外へと切れて行く変化球になってしまうことが
映像を見て頂ければ一目瞭然ですね。


この試合の中で同じようなコントロールミスが他にもありました。
もちろん普通に決まっているパスもたくさんあるのですが、
根本的にはこの問題は変わらず存在しており、
このプレ―のように余裕の無い状況では、
その歪みがコントロールの大きなブレにつながってしまっています。

McDanielsがこの問題に気づいていて、
修正しようとしていたのに、修正しきれなかたのか、
気づいていなかったのか
はQB道場長としては非常に興味にある所です。

そして、この記事を書く材料を探していて、面白い映像を見つけました。
なんと、元タンパベイ・バッカニアーズヘッドコーチのJon Grudenが
Tebowを個人指導しているではありませんか!


さすが、Gruden、この問題に気づいていたのか、と思われるシーンを発見。
次回、続きをお楽しみに。