コーチ新生の「QB道場」ブログ-M師匠
金曜に関西へ移動してきて、今日で4日目。
こんなに関西に長く居続けるのはいつぶりやろ、、、

今日は午前中に、昔、リクルートシーガルズで一緒にプレ―した同期と会って情報交換ミーティング。
午後からは、大学時代の師匠(写真の方です)のお宅にお邪魔し、
「QB道場」をスタートさせることを報告してきました。

実はこの師匠、ワタクシが始めようとしている「QB道場」のルーツなのであります。
という訳で、本日は、4年前にワタクシの旧ブログ「やってみたらええやん」でもご紹介させて頂いた
この師匠の記事を少々リライト致しまして、ご紹介してみようと思います.

------------------------------
現在は、アメフトとボイストレーニングのふたつを主な題材にして、人の肉体
が持っている力を引き出すことを生業としている私ですが、そんな方向に興味
が向かって行ったのは、この師匠Mさんとの出会いによる所が大きいのです。

Mさんは大学のアメフト部の大先輩で、その昔は名QBとして活躍された方で
すが、当時チームのコーチだった訳でなく、家業の酒屋業に専念しておられた
方でした。

大学入学当時、私はアメリカンフットボールという「体育平均点以下のガリガ
リ野郎」にとっては、ある意味完全にお角違いなスポーツに挑み始め、体力・
技術ともに底辺のレベルで苦闘していました。

そんなある日、同じポジションの先輩達と共に監督に呼ばれて「Mさんところ
に行って教えてもらってこい」と言われ、QB全員でMさん宅へ。
初めて伺った日は、日付が変わっても留まることなく、フットボール関連のビ
デオを見たりしながら、この選手のココがいいとか悪いとか、そんな話を延々
と聞かされました。当時は何も分かっていない僕には理解できない話だらけで、
けっこうタフな時間だった記憶があります。

2回目以降は、長ーいお話が終わると外に出て、Mさんの家の玄関の前でシャ
ドウピッチング的なことをやったり、Mさんの家の近くの夜中も電気のついて
いるタクシーの整備工場の一角を借りてキャッチボールをしたりするようにな
りました。

とはいえ、最初の2年は先輩が行く時についていく程度だったMさんの家。し
かし3回生のシーズンから、周囲の意表をつくサプライズ起用で、スポーツ選
手としては実に小学6年生以来のレギュラーに大抜擢されてしまうと事情が変
わってきました。

当時、悲願の一部リーグ復帰を目指して戦っていたチームは、僕以外は全員が
レギュラー経験2年以上。春から足を引っ張りまくっていた私は、藁をもすが
る思いで、一人でMさんの家に通うようになりました。

ちなみにMさんの家に行った時のスケジュールは・・・

20時 チームの練習終了
    夕食後、Mさん邸へ
22時 Mさん邸に到着
    自分の練習や試合、NFLのビデオなどを見ながらの講義
24時 師匠の「よっしゃ、ほな稽古しよか」の声を合図に、
    ボールを持って家を出て、近所の「日の丸タクシー」の整備工場へ
    夜中まで電気がついている工場の片隅で師匠との稽古(主にキャッチボール)
    投げる→修正→投げる→修正→投げる、、、の繰り返し
26時 稽古終了
    Mさん邸に戻ると奥様が夜食を用意して下さっているので
    師匠の話を聞きながらいただく
27時 Mさん邸を出て帰路につく

当時、僕の投げるボールはかなり球速が低く、当時、普段練習に来るコーチか
らは「投げ込め!」といつも叱られたんですが、正直、どうやったら腕を強く
振れるのか、そのやり方がまるでわからなかった。
でも、Mさんに「身体の使い方のコツ」を教えてもらううちに、ボールに力を
伝えるという感覚が分かってきた。自分の球筋が変わっていく。これは面白か
ったですねー。

Mさん邸に通いながらの大学3回生のシーズンは、僕のせいで負けそうになっ
た試合が2回もあったりして、それはそれは大変なシーズンでしたが、結局チ
ームは無事に一部リーグ昇格。僕はそのプロセスでフットボール選手として大
きくステップアップすることが出来ました。

高校時代、小さな野球の球を60mそこそこしか投げられなかった弱肩選手が、
そのシーズンを終わると、野球の球の何倍も大きい楕円形の球を50m程も投げ
られるようになったのですから、それはそれは大きな自信になったのでありま
した。
-----------------------------------

こんな風に、僕は師匠の教えを得て「自分のなりたい自分」に近づくことが出来たわけです。
しかし世の中には、自己流でやってもうまくいかず、「自分には才能が無い」と思って、
いろんなことを諦めてしまっている人がたくさんいるように思います。

だから「QB道場」では、自分が師匠にしてもらったように、
「頑張り方のコツ」をお伝え出来ればと考えています。
27時まで練習させたりはしませんけどね、、、(笑)

ちなみにMさんは、大学1回生の僕が初めてお邪魔した頃、
「シンジョウは厳しいな。たぶん無理やと思うで。」と奥様に話されていたと、後日伺いました(苦笑)

そんな僕が人を指導する立場になり、「QB道場」をやろうとしていることを
少しは喜んで下さっているようです。

ちなみに師匠にお会いした後は、「QB道場@大阪」開催に向けての
強力な協力者となってくれそうなSくんとの作戦会議。
間もなく記念すべき(?)初稽古のご案内が出来ると思います!