【時給が上がっても、価格は上げられない】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は「笑って泣かせる」講演講師に。『現代ビジネス』コラムニスト


 

 

「最低賃金」が全国で時給1,000円を超え、人手不足に悩むスーパーやコンビニ業界では、それを上回る時給で人を募集せざるを得ない状況である。

大手のチェーン店なら、人件費や原価の値上げに対して(100%と言わないまでも)『価格転嫁』して、利益をしっかり取ることもできる。

またその他にも、メーカーや問屋からの「販売奨励金(いわゆるリベート)」や、テナントからの「家賃・加盟料」、関連会社からの手数料など、多くの「営業外収入」が経営を下支えしている。


 

☝️この記事のスーパーは、愛知県にある「個人スーパー」である。

単純に「仕入れた商品を売った利益」で人件費や光熱費、チラシ代や銀行への返済の原資に充てる、どの地域にもある“弱小スーパー“だろう(失礼🙏🏻)

この店も10月から時給を1,140円に引き上げ、パートさんたちは喜んでいる。それは当たり前のようだが素晴らしい“経営努力“でもある。

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👤店長曰く、
「売り上げアップで人件費を賄いたいが、それもできない。だからといって人を減らせば店は回らない…」


お客さんには関係ないが、切実な悩みである。
人がいなければ、「陳列の手直しや補充」ができず、店はその日から“荒れて“いく。かと言って、値上げすれば客足はすぐ遠のいてしまう。

そして、「あの店はヤバいんじゃね?」とつぶやかれ、みるみる店の評判が下がってしまう。

個人スーパーを潰すには「刃物」は要らない。「長雨」と「風評被害」で事足りる。

仕入れ先を替えたり、コストを削減するのももう限界…、乾いたタオルを絞ってもカラカラの状態なのだから。

👤 「努力だけではどうにもできない状態になってきている」

それなら今こそ「政治」の出番じゃありませんか?

 

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