北海道内のセブン‐イレブンで、野菜や果物の取り扱いを拡大するというニュースである。ミニトマト、たまねぎ、じゃがいも、バナナなどに加え、秋は旬の梨や柿、みかんなどを店内で順次販売する。
この取り組みは、地域密着や社会課題の解決を掲げた「北海道プロジェクト」の一環だという。
確かに、店舗間の距離がある北海道では、コンビニが“ミニスーパー”のような役割を担う場面も少なくない。そうしたニーズを踏まえた施策なのかも知れない。
☝️もっとも、ちょっと気になる点もある。
コンビニナンバーワンのセブンイレブンは、北海道では“地元王者”セイコーマートの後塵を拝している。その中で「野菜をコンビニで買う層」がどれほどいるのか。
価格面でもスーパーより割安とは考えにくく、売れ残りの「値引き」や「再加工」もできない。
廃棄やロスのコストをセブン本体が負担するとも思えない。
他県でも、地元野菜の平台を置いたり、店頭に特設コーナーを設けたりするコンビニはあるが、長続きした例は多くない。すぐに止めてカット野菜やもやし類だけに戻ってしまう。なぜなら“商売にならないから“である。
野菜や果物は、日持ちしないうえに利益率が低い。これは小売業共通の悩みだ。
「北海道プロジェクト」の看板のもとに、差別化の話題づくりで終わることなく、地域の暮らしに根づく取り組みとして続けてほしい。
余計なお世話を承知で、そんなことを思いました。
【小林久ホームページ】


