【北海道のセブン、野菜販売に本気?〜地域密着の先にある課題】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は「笑って泣かせる」講演講師に。『現代ビジネス』コラムニスト

 

 

北海道内のセブン‐イレブンで、野菜や果物の取り扱いを拡大するというニュースである。ミニトマト、たまねぎ、じゃがいも、バナナなどに加え、秋は旬の梨や柿、みかんなどを店内で順次販売する。

 

この取り組みは、地域密着や社会課題の解決を掲げた「北海道プロジェクト」の一環だという。

 

確かに、店舗間の距離がある北海道では、コンビニが“ミニスーパー”のような役割を担う場面も少なくない。そうしたニーズを踏まえた施策なのかも知れない。

 

 

☝️もっとも、ちょっと気になる点もある。

 

コンビニナンバーワンのセブンイレブンは、北海道では“地元王者”セイコーマートの後塵を拝している。その中で「野菜をコンビニで買う層」がどれほどいるのか。

 

価格面でもスーパーより割安とは考えにくく、売れ残りの「値引き」や「再加工」もできない。

廃棄やロスのコストをセブン本体が負担するとも思えない。

 

他県でも、地元野菜の平台を置いたり、店頭に特設コーナーを設けたりするコンビニはあるが、長続きした例は多くない。すぐに止めてカット野菜やもやし類だけに戻ってしまう。なぜなら“商売にならないから“である。

 

野菜や果物は、日持ちしないうえに利益率が低い。これは小売業共通の悩みだ。

 

「北海道プロジェクト」の看板のもとに、差別化の話題づくりで終わることなく、地域の暮らしに根づく取り組みとして続けてほしい。

 

余計なお世話を承知で、そんなことを思いました。

 

【小林久ホームページ】

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