もう現場を離れて久しいが、夏休み、それも後半を迎えると毎年思い出すことがある。それが「子供の万引き」である。
夏休みや春休みは、なぜか「子供の万引き」が増える傾向がある。
・長い夏休みで、お小遣いを使い果たしてしまったのか?
・友だちの話を聞いて、自分も同じものが欲しくなってしまったのか?
・開放的な気持ちで、心の箍(たが)が外れ、面白半分でやってしまったのか?
☝️田舎町にテーマパークのようにそびえ立つショッピングモールはまさに「夢の街」。
手を伸ばせば、キラキラした欲しいものが目の前に溢れている。
いろんな背景があるだろうが、やはり“万引き“は立派な「犯罪」、やっちゃダメである。
👤勝手な持論だが、大人になってから捕まるより、どうせなら子供の時に捕まって、「一生万引きをしない」と心に刻む方がいいと思う。そこでしっかり反省すれば、その子は一生人のモノに手をかけなくなるはずだから。
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以前に比べて、警察(生活安全課)でも、万引きの際の手続きを簡略化して、スーパーなどが「申告を避ける」のを防止するようになった。
それまでは事情聴取のために、何時間も警察に拘束されるため、あまり通報しなかったことも事実である。その間も従業員の人件費が発生するし、犯人を重罪に処分して欲しいわけでもない。
私のスーパーでは、子供が万引きした時は、素直に認めた場合は警察に通報しなかった。お金を持っているか否かに関わらず、「身元引受人」に迎えに来てもらって、それでお終いである。
万引きした“女の子“のほとんどが、「身元引受人」に母親ではなく「おばあちゃん」を指名したことを覚えている。(そういえば男の子はあまりスーパーで万引きはしなかった…)
まあそこでさまざまな“ドラマ“を生で見るのは楽しいことではない。家に帰ってからのことを思うと心が痛むが、それも今後二度と“人のものに手を掛けない“ための儀式だと思って静観していた。
👤警備員曰く、
「中途半端な情けをかけて、女の子をそのまま家に帰すと“最悪“の事態になることもあるんです。心を鬼にしてください」 なるほど……。
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さて、不肖私、スーパーのオヤジだったのに、山梨県の教育委員長を務めていたことがある。
夏休みに捕まるのは生徒ばかりではない。
県教育事務局「委員長、◯◯高校の先生が万引きで捕まりました。本人は出来心だと反省しています。処分の原案はどうしますか?」
『万引きに出来心なんかない‼️手口を見れば“常習犯“と分かりますよ。すぐに教育委員会を招集して。隠ぺいは許しませんよ!」と命じる私。
夏の思い出でした。
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