言われてみればデパートの経営は、「呉服屋」をルーツにする店と、「電鉄会社」が始めたものに大別されることに気づく。
【呉服屋系】
三越・松坂屋・伊勢丹・高島屋・白木屋・松屋・大丸・そごう
(「百貨店」を付けなくても屋号だけでデパートと分かる)
【電鉄系】
西武・東武・小田急・京王・阪神・阪急・近鉄・名鉄・京急・京阪・その他地方の電鉄会社傘下
(電鉄名+「百貨店」と呼ぶ)
☝️そしてここに来てインバウンド需要や景気の回復で伸びている「呉服屋系百貨店」に対して、「電鉄系百貨店」の苦境が鮮明になっているという記事である。
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百貨店の市場規模は1991年の9.7兆円をピークに減少していて、2010年代から6兆円前後、コロナ禍で落ち込んだ後、2024年は5.7兆円。
今では駅前にある「電鉄系百貨店」は、郊外のイオンモールなどのショッピングモールに客を奪われている。地方の電車に乗っても、デパートの紙袋を持っている人を見かけることは珍しくなった。
しかし、百貨店で高額商品を買う優良顧客(富裕層)は、駅前ではなく、日本各地の繁華街の“一等地“にある老舗のデパートを利用していた。その客はショッピングモールとは競合しないので、景気の回復と合致して経営数値も良くなる傾向がある。
👤呉服屋から始まった「百貨店」には、“看板“の力や信用を求める“お大臣(お金持ち)″相手の商売だったのだろう。
呉服(アパレル)に始まり貴金属などの服飾品、買い物ついでの食堂(レストラン)、お土産の惣菜(今のデパ地下)、おまけに上得意顧客にはコンシェルジュ(外商)までお供する。凄いビジネスとも言える。
「伊勢丹新宿店」の来場者数は、東京ディズニーランド(合計)より多いという統計も出ている。
☝️「呉服屋」vs 「ぽっぽ屋」のデパート戦争。
こうしてみると中々面白い。
【小林久ホームページ】