ついこの4月に、山梨県南アルプス市に開店した「コストコ南アルプス倉庫店」。
現役のスーパー社長では書けない私も、今の立場(自由人)なら想いを書くことができる。
☝️コストコの出店基準は(例外はあるものの)、「店舗の半径10kmに人口が50万人」いることです。
山梨のコストコは、人口基準に満たなかったが、隣の長野県や静岡県からの来店客を見込んで、開店にこぎつけたという。
この計画が公表されてから(噂の段階ではもっと前)3年程度で開店の運びとなった。
コストコ規模になると最低でも3年くらいはかかるものである。
☝️山梨のコストコは、県内客が8割、残りの2割を長野と静岡からの県外客で占めている。そして「6対4」でコストコのない(ガソリンが日本一高い)長野県からのお客さんだ。
そこに来て「静岡県東名高速久能山スマートIC付近に新たなコストコが開店する」というニュースが飛び込んできた。
静岡には既に浜松にコストコがあるが、人口を考えれば、あと1店舗あっても十分に成り立つということだろう。新店舗ができれば、わざわざ山梨まで行く必要がなくなる。
となれば、静岡(清水や静岡エリア)からの来客を当てにしていた山梨のコストコは、単純に1割近い売り上げを落とす計算になる。同時に頼みのコストコの来店客が1割減るということだ。
☝️『コストコの最大のライバルは、コストコ自身である』
コストコは最終的にトータルで商売になればいいのだから、「こっちにも来て〜!」とラブコールがあれば、自分で物件を見つけなくても出店用地には困らない。(これが強味!)
静岡の新店舗の開店は2029年、人口も面積も大きな長野県だって、ずっと「コストコ空白県」のままではないだろう。
足元の人口基準を満たさない店舗の本当の“正念場“は、3〜4年後にやってくる。
山梨コストコに隣接した「テナント棟」、コストコのために新設した「交番」、コストコの隣に誘致の噂がある「アウトレットモール」、コストコ『全ベット』の自治体に(おそらく)危機感はない。
👤コストコに来店した「県外客効果」で、街の経済も潤うはずである!
その現状は、私が毎月報告している通りである。
今日もコストコ(だけは)大繁盛。
自治体の“コストコ依存”が、数年後にどう影響するか…… 静かに注視していきたい。
【小林久ホームページ】