【そうは問屋が卸さない】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は「笑って泣かせる」講演講師に。『現代ビジネス』コラムニスト



テレビを観ていたら、コメの流通は写真のように「五次問屋」まで通してスーパーなど小売店に運ばれていくと説明していた。

👤「中間業者を省けば安く売れる!」

この複雑すぎる流通経路を“暴露“した『ドン・キホーテ』は、国の備蓄米をシンプル(随意契約)に仕入れて安く販売することで、自ら証明してみせた。

他のスーパーチェーンやコンビニも同様であり、コメ大臣の頑張りを追い風に「それ見たことか!」とドヤっているに違いない(言わんけどw)。

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☝️JAや卸問屋を批判するには格好の資料である。

私も“余計な″中間業者は不要だと思っているが、産地(生産者)と店舗(消費者)を繋ぐには、必ずその中間業者(問屋)は必要になってくる。

魚なら「漁師さん」が海で獲り、「漁協」を介して「卸売問屋」からスーパー・鮮魚店・寿司屋に運ばれていく。この場合、中間業者は各地の「卸売市場」と「卸売問屋(中卸し)」の二次問屋だけである。

『産地直送』や『直接買い付け』『契約取引』などになれば、問屋さえもいらない。誰しもそれが一番安く仕入れることができるが、「そうは問屋が卸さない」というのもある意味事実である。

小売店のモットーは「安定供給」なので、簡単に「今日は獲れませんでした」「不漁なので高くなります」というわけにはいかないのである。

これを防いで、少しでも安定した価格と品揃えを実現するために「問屋」の存在意義が出てくる。

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「問屋」の儲けはすこぶる低い。

米問屋なら5%程度だろう。最終販売者であるスーパーのコメの利益率は10%である。その間に5つも問屋が入れば、自ずとコメの値段は高くなる。

☝️たとえばよく見る「カップ麺」なら、一番儲かるのは「製造メーカー」である。そして問屋を通して輸送して、いいとこ10%の利益。スーパーではそれに2割くらい乗せて販売する。

しかしコメの場合は、「メーカー」に当たる「コメ農家」に利益が全く落ちていないことになる。儲かってるのは(JAなどの)「集荷業者」と複数の「問屋」…。ここが問題なのだ。

「カップ麺」とは全く違うが、作っている人にメリットがない業界に未来はない。

真剣にコメの流通システムを考え直す時期に来ていると感じた次第です。

 

 

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