昨年(2024年)の秋頃から「なんかお米が値上がりしてきたぞ」と思っていたら、あっという間に値段は2倍以上になってしまった。
私なんか特段グルメでもないので、ディスカウントストアの5kgで1,680円(税込み)の米しか買ったことがない。
こんなにお米が値上がりしたのは1993年(平成5年)、あの「平成の米騒動」以来の“事件″である。
☝️今さらながら、平成と令和の「米騒動」の違いを考えてみた。
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①平成の米騒動は、記録的な「冷夏」による稲穂の生育不足=「不作」が原因だった。
米の収穫は平年の7割ちょっと。スーパーから米が消え、米屋に長蛇の列ができ、5kgで4,000円、時には5,000円近くの値札がついた。(消費税はすでに3%で導入済み)
このときは、急遽「タイ米」などを輸入した。テレビ番組でも「カレーなどに合いますよ!」と食べ方を紹介し、日本人は何とか1年を乗り切った。私の記憶でも、輸入米は安かったので、過度な“悲壮感“はそれほど感じなかった。
そして、翌1994年は一転して「豊作」となり、米価格は秋ごろには通常価額に戻った。たった1年で収束したのである。
②令和の米騒動は「構造的」要因が原因となっている。
米価格は平成のそれと同程度だが、今回は「パニック的な高騰」ではない。
値段はともかくスーパーの棚に米は並んでいるし、“乱暴な“買い占めも起きていない。
背景にあるのは、
・生産者の高齢化と作付け減少(減反政策のツケ)
・燃料・肥料などのコスト高
・人手不足
・長雨や猛暑による品質低下
・「インバウンド需要」や「海外輸出強化政策」
などである(受け売りですいません🙏🏻)
加えて、農業補助金の問題、JAの在り方等、米に関わる長年の歪みが一気に露呈している。
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☝️平成と令和の「米騒動」の決定的な違い
平成の騒動は「一時的な天災」による突発的なもの。→だから翌年の豊作で正常化した。
しかし令和のそれは「構造的な供給減+コスト増」による『持続的』な値上がり。
これを「備蓄米の放出」だけで凌ぐのはあまりにも短絡的だと言わざるを得ない。
さて、次の時代の「米騒動」に備えて、歴史に学びながら、日本の主食『米』を守って欲しい。
【小林久ホームページ】