【数字で見るスーパーマーケット】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は「笑って泣かせる」講演講師に。『現代ビジネス』コラムニスト



一口に「スーパーマーケット」と言っても、その大きさや特徴は千差万別です。

業界で生きてきた身として、皆さんにわかりやすく説明することは使命でもあります。

今回は最新版「スーパーマーケット白書2025」を基に、「数字で見るスーパーマーケット」その①をお届けします。

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☝️皆さんの周りにある一般的なスーパーマーケット。大きくもなく小さくもなく、レジが5〜7台で駐車場があっても3〜40台ほど。サミットとかベルク・オーケー・ロピアよりも小さい地域密着店。

その「数字」がこんな感じです。

◉売り上げ年商13億円(1日約350万円)
→(豆知識)レジ1台に対して売り上げが2億円

◉正社員は14〜5人、パートアルバイトはのべ50人

◉来店客数→平日1,650人・土日1,800人

◉客単価→平日2,191円・土日2,555円

◉買上げ点数→平日10点・土日11点


👤これはまだ成績が良いスーパーと言えます。

スーパーマーケットの利益率は約20〜25%です。そこから計算すると標準的な売り上げ「13億円」の利益は良くても『3億円』

そこから人件費・家賃・水道光熱費という「3大経費」を引いた後、その他諸々の経費を払って、最後の最後に残る利益は「総売り上げの1〜2%」の2,000万円そこそこしかありません。

ゆえに、スーパーマーケット従業員の給与は低く、常に人手不足状態。機械化で乗り切ろうと「セルフレジ」を入れてもその効果は…?

農協から高い機械を買って米を作っても、機械の支払いに追われる農家のようです(失礼🙏🏻)

こんな割に合わないビジネスを成り立たせるために、大手スーパーは先を競ってM&Aを進め、沢山の店を傘下に収めているわけです。

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これでは売り上げが1割落ちただけで「赤字転落」します。
近所にあったスーパーが、知らないウチに閉店しているのを見たことがあるでしょう。

それだけ「スーパーマーケット」という古典的なビジネスモデルが変わりつつあります。「ホームセンター」というモデルがそうであるように。

日本のスーパーの業界を変えたのは、スーパーではなく、ドラッグストアや外資のコストコ、ECサイトなど、業界以外の勢力です。

今、スーパーマーケットは生き残ることで精一杯……。

私は自分の子供に跡を継がせなかったので助かりました(ある意味w)

 

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