ダイエーがその勢いを失くしてから久しく「小売業No. 1」の地位を築き、駅前の大型商業施設や郊外のショッピングモール(またはその核テナントとして)日本中を凌駕した『イトーヨーカドー』
「伊藤さん」の店なのか「鈴木さん」が頑張ったのか?業界人でなければ大した問題ではないのかも知れない。
私の家業のスーパーマーケットも、人口3万人にも満たない故郷に、ヨーカドーが出店してから相当「泥水」を飲まされた。まあこんな言い方は「何も努力しないのに、大型店の出店に反対ばかりする商店街のイチャモンだ!」との世論に一蹴される。
☝️「驕る平家は久しからず」などとは言わないが、時代は流れ、「伊藤羊華堂」は現在かつての勢いはない。出来の良い子会社の「セブンイレブン」は外資に狙われ、グループ会社と切り離された。残ったヨーカドー本体を含む系列会社もファンドに売却される流れである。
よく企業買収の際は事前に「負の遺産」を整理することを求められる。それによって価値を高めるのだ。後になって「実はこんなマイナス要因がありました」などと言われたら、買う側はとんだお荷物を背負い込むことになり、大きな損失を被る。
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👤自分でも把握しておきたくて、ちょっと調べてみた。
ヨーカドーは最盛期の2016年末に182店舗あったが、今年1月時点で全国にちょうど100店舗までに減っている。(昨年夏以降に33店舗の閉店計画も発表済み。更新情報があったらごめんなさい🙏🏻)
☝ヨーカドーのホームページで店舗数を見ると「19都道府県に124店舗」の店名表示がある。
「あれっ?北海道や長野県にはもう無いんじゃないの?」とリンク先に飛ぶと「閉店」と表示される。大企業のHPにしては少しお粗末な印象を受けた…。
☝️わが山梨県を含めて1店舗だけが残された県が5つある。
配送コストを考えると、これらも今後の閉店候補になるだろう。
残された建物には、今伸び盛りの「ロピア」や「ドンキ」、「ディスカウントドラッグストア」が入店すれば、お客さんも文句も言わない。
かえって「さびれたヨーカドーよりロピアの方がずっと良いわ!」などと、過去は無かったかのように話し始める。(そう言われるヨーカドーの切なさは痛いほどわかる)
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今やヨーカドーの無い県の方が多いなんて、昭和世代にとっては驚きである。
ヨーカドーの閉店日の夜、店の前に集まったお客さんが別れを惜しむ光景を見て、「人気バンドの解散ライブみたいだ」と比喩した記事があった。
私は解散したバンドメンバーのソロライブにも行くタイプだが、多くのファンは(思い出はともかく)次の「推し」を見つけて乗り換えていく、それでいい。
店もバンドも「人気商売」、一番強いのは長持ちすること。
それにしても日本のスーパーチェーンで50年以上繁栄した店がない(^^ゞ