【イトーヨーカドーが消えた街】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は「笑って泣かせる」講演講師に。『現代ビジネス』コラムニスト


 

 

 


ダイエーがその勢いを失くしてから久しく「小売業No. 1」の地位を築き、駅前の大型商業施設や郊外のショッピングモール(またはその核テナントとして)日本中を凌駕した『イトーヨーカドー』

「伊藤さん」の店なのか「鈴木さん」が頑張ったのか?業界人でなければ大した問題ではないのかも知れない。

私の家業のスーパーマーケットも、人口3万人にも満たない故郷に、ヨーカドーが出店してから相当「泥水」を飲まされた。まあこんな言い方は「何も努力しないのに、大型店の出店に反対ばかりする商店街のイチャモンだ!」との世論に一蹴される。

☝️「驕る平家は久しからず」などとは言わないが、時代は流れ、「伊藤羊華堂」は現在かつての勢いはない。出来の良い子会社の「セブンイレブン」は外資に狙われ、グループ会社と切り離された。残ったヨーカドー本体を含む系列会社もファンドに売却される流れである。

よく企業買収の際は事前に「負の遺産」を整理することを求められる。それによって価値を高めるのだ。後になって「実はこんなマイナス要因がありました」などと言われたら、買う側はとんだお荷物を背負い込むことになり、大きな損失を被る。

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👤自分でも把握しておきたくて、ちょっと調べてみた。



ヨーカドーは最盛期の2016年末に182店舗あったが、今年1月時点で全国にちょうど100店舗までに減っている。(昨年夏以降に33店舗の閉店計画も発表済み。更新情報があったらごめんなさい🙏🏻)

☝ヨーカドーのホームページで店舗数を見ると「19都道府県に124店舗」の店名表示がある。

「あれっ?北海道や長野県にはもう無いんじゃないの?」とリンク先に飛ぶと「閉店」と表示される。大企業のHPにしては少しお粗末な印象を受けた…。

☝️わが山梨県を含めて1店舗だけが残された県が5つある。

配送コストを考えると、これらも今後の閉店候補になるだろう。

残された建物には、今伸び盛りの「ロピア」や「ドンキ」、「ディスカウントドラッグストア」が入店すれば、お客さんも文句も言わない。

かえって「さびれたヨーカドーよりロピアの方がずっと良いわ!」などと、過去は無かったかのように話し始める。(そう言われるヨーカドーの切なさは痛いほどわかる)

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今やヨーカドーの無い県の方が多いなんて、昭和世代にとっては驚きである。

ヨーカドーの閉店日の夜、店の前に集まったお客さんが別れを惜しむ光景を見て、「人気バンドの解散ライブみたいだ」と比喩した記事があった。

私は解散したバンドメンバーのソロライブにも行くタイプだが、多くのファンは(思い出はともかく)次の「推し」を見つけて乗り換えていく、それでいい。

店もバンドも「人気商売」、一番強いのは長持ちすること。

それにしても日本のスーパーチェーンで50年以上繁栄した店がない(^^ゞ

 

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