【値引き無双!】 | 【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

【実録・倒産社長の奮闘記】~こうして店は潰れた!~小林久ブログ

老舗スーパー三代目→先代の赤字1.5億円を2年で黒字化→地域土着経営で中小企業の星に→中小企業診断士試験に出題→最年少山梨県教育委員長→早過ぎたSDGs →2017年まさかの倒産→応援団がクラファンで3,000万円支援→破産処理後は全国の経営者に寄り添う日々

 

 

スーパーマーケットの生鮮品の『値引き販売』は、もはや通常の販促でもあり、少しでも安く買いたい消費者と、廃棄ロスを無くしたい店側の双方にメリットがある。

もちろん値引き商品ばかりだと店側の「利益率」が下がって採算割れとなるし、そればかりを目当てに客が集まれば、定価で買ってくれるお客さんも面白くはないはずだ。

禁断のネタバレをしてしまえば、
鮮魚の粗利益率→30%〜
精肉の粗利益率→30%〜
青果の粗利益率→20%〜
惣菜の粗利益率→40%〜
乾物や菓子(非冷蔵)の粗利益率→15%


☝️当然この利益率の範囲内で値引きは行われることになるので、廃棄を防ぐため以外には中々「半額引き」とはならない訳である。

これらをミックスして、スーパーの「利益率」は20%〜25%、ディスカウント店なら15%前後とさらに低くなる。そして純利益はなんと総売上の1%(の低さ)だ。

コンビニなどでもAIが値引き販売を管理するというニュースも聞いたが、元スーパーの経営者として言わせてもらえれば、刺身の値引きが多い店は、包丁を持つと人が変わり売れる以上に商品を作ってしまう担当者がいる証拠である (笑)

刺身が切れるスタッフは限りがあるし、辞められたら代わりがいない。魚屋たるもの「刺身こそ鮮魚売場の華!」とばかり、職人根性が顔を出すのは仕方ない(^^;

こんな担当者は数値管理が苦手である。刺身をバンバン切った後は、働き方改革で仕事は終了。自分で切った刺身が売れたかどうかは、明日来てみなきゃ分からないし、そもそも引き継いだスタッフが売り切れよ!と他人事…。

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写真の美味しそうな刺身の盛り合わせ、こんな商品をスーパーで見ることはあまりない。

よほど鮮魚の強いスーパーなんだと思う。

1パック定価5,980円(税込み6,458円)の商品、なんと値引きされた後の値段が税込み2,138円!約3分の1以下まで値引きされている。(おおよそ製造原価の4,000円さえ超えてw)

👤私がこのスーパーの社長なら「何考えてんだー!(><)」とお灸を据えたいところであるが、きっとこの担当者に悪気がないため、怒ることもできない(^^;

この担当者が休みの日は、刺身コーナーはガラガラのはず。青果部なら「仕入れ大好き売るのは苦手」の◯◯君という逸材が存在するのも「スーパーあるある」である。

☝️このタイミングで刺身が買えたお客さんはまさに「勝者」と言えよう。

これだからローカルスーパーは面白い。

 

https://www.kobayashihisashi.com