田舎の「県議」はそれをステップに、出身選挙区の首長(市長)になることがお約束となっている場合が多い。『天上り(あまのぼり)』と揶揄されることもあるが、逆に市長から(格下の)県議に「天下る」ことはない。
私の住む街の市長と、そこから出ている県議(定数1)はとても仲が悪かった。よくある話である。
自分の選挙にいつも対抗馬を立ててくる現職市長のことが目障りな県議…。キャリアだけで県議会の議長の座が回ってきた (笑)。ここで一気に形勢逆転を狙って、憎っくき市長の評判を落としてやれ!あわよくば次の選挙で自分が市長に『天上って』もいい。
☝️その時、不肖私は県の教育委員長 (笑)
議長殿から携帯に着信があった。同じ地域ゆえ電話番号も知っている。
👤「おい、小林!おまん(お前)明日ひまか?」
私『ひまっちゃひまですけど?』
👤「じゃ俺と一緒に地元の小学校へ給食を食べに行ってくれないか?そして『やっぱり温かい給食は美味しい!』と記者に言ってくれ🙏🏻」
よく訳の分からない私は「なぜ俺が?」と聞けば「スーパーの社長がそう言えば説得力が増すからな」との返事。
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☝️ことの顛末はこうだ。
地域ではコスト削減のために、各学校にある給食の調理場を「給食センター」に統合して、そこから学校に給食を運ぶ計画が持ち上がって賛否両論だった。
そうなれば、『今まで温かい給食を食べていた子供達が、冷たいもの?を食べなきゃならなくて可哀想だ。こんな施策を進めようとしている市長を辞めさせろ‼️』という企み。
まさに田舎の自称「策士」が思いついた戦略なのだろう。私をピエロに仕立て、PTAまで巻き込んで、小物界の大物らしい姑息なアイデアである。
私は教育委員会の事務局に「行ってもいいか?」と尋ねると、「小林さん、あの人の手に乗らないでください!」とのアドバイスw。
もちろん私は、そんなことに加担することなく同行を断った。議長は仕方なく自分の息のかかった市議を連れて、学校に給食を食べに行く。
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👤私はすぐさま現職市長にこのことを伝えた。なぜなら市長はウチのスーパーの常得意客でもあるからだ (笑)
市長は素早く手を回し、PTAの参加を阻止し、メディアの取材も来ない様に指示。議長の企みは完璧に歯抜けにされた。それで良し!
この爺さん、いや県議会議長に政策なんかない。嫌いな奴の反対に立つだけの人。だから市長が「温かい給食のために調理場を維持する」と言えば、『大事な税金を無駄にするより給食センターを作って集約しろ!』と言うだけのこと。
こんな田舎の光景、私の地元だけですよね?
だって議員さんて本来立派な人のはずだから。
P.S あれから10年、市長さんは天国へ召され、議長さんは市長になれず、まだ県議(最古参)をしています。彼のモットーは『郷土愛』ですw。